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「おにーちゃーん!」
「蓮!ここまで来てくれたの?」
「うん!」

我慢できないと言わんばかりに抱きついてきた蓮によしよし、と頭を撫でてあげる。

俺たちは兄弟だ。
両親は半年前に急に死んでしまって、弟の蓮と二人で暮らしている。

学年が違うから、学校で会えないのが寂しいけど、我慢してた。でも、蓮は我慢できなくなって俺のところに来てくれたみたいだ。

そして、俺たちは恋人同士でもある。

「お兄ちゃんあったかい···」
「ふふ、蓮はかわいいね。」

俺からもぎゅっと抱きしめてあげる。

「え、湊の弟?」
「うん、そうだよ。」
「だめー!おにーちゃんは僕の!」

俺の友達にとんでもないぐらい大きい声でこんなことを言ってる。かわいいけど、周りにいっぱい人がいるから恥ずかしい。

「こら、年上の人にはていねいな言葉を使わないとだめでしょ、蓮。」
「はーい、ごめんなさい···」
「なんか、お前ら恋人同士みたいだな···。」
「おにーちゃんは僕の彼女だからね!」

あれ、彼氏かな?まぁいいや、と言う蓮に、若干引き気味な友達。
「···なんか、すごい弟だな···」
「でも可愛いでしょ?」
「いやいや···」
「それに、恋人同士はホントだし···」
「そうなのか···不思議な兄弟だな···」




「はぁ~授業終わったー。」
「今日の授業まじでだるかったわー」
「ほんとねー」

ランドセルに荷物を詰めながら、そんな愚痴を語り合う。帰りの会も終わって、来週の時間割を見る。

「げ、来週課題の提出日じゃん」

ということは、蓮と遊ぶ時間も少なくなる。
まあ、頑張って待っててもらおう。

「にーちゃんいっしょに帰ろ!」
「ちょいまちー···おっけー、行こっか!」

そんなこんなで家に帰りまして···


···家に帰ると、やる事がたくさんある。
俺は夜ご飯を作って、洗濯をして、洗濯物を干す。
蓮はお皿洗いと、干しておいた洗濯物を畳んでしまう。

半年もやると慣れてくるけど、始めたての頃は二人ともめちゃくちゃ苦戦して、とんでもない時間がかかってたな。

「今日の夜ご飯何~?」
「カレー作るー」
「やったー!おにーちゃん大好きー!」

にこにこでこんなこと言ってくるんだから、まじで可愛い。

いつにもましてうっきうきで洗濯物を畳んでいるのに癒やされながら、甘口のカレーを手早く作っていく。

···甘口なのは辛いのが苦手なだけだけど。

「おっけー、できたよ~!」
今日は隠し味って言うほどでもないけどリンゴを入れてみた。味は大丈夫···のはず。

「おいしー!」
「ふふふ、良かった」
「あっ、にーちゃん口のとこにカレー付いてる!」
「えっ、まじ?」
「ちょっと待っててー」

蓮がこっちに近づいてくる。




そのまま顔をよせられ、頬の下を舐められた。


「うわっ、!もう、びっくりしたじゃん···」
「えへへー。こうしたほうが早いかなーと思って!おにーちゃん、顔真っ赤だよ?」
「はいはい、ありがと。」

急にされるとびっくりするからちょっとやめてほしいけど、そういうとこも可愛い。

「ごちそうさまー!美味しかった!」
「良かった。じゃ、片付けよろしくね。」

俺も洗濯物を干す。今日は少なめだから、すぐに終わった。

「おにーちゃんあそぼー!」
「うん、いいよ。」

この後、二人でたくさんゲームを楽しんだ。
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