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本編
No.14 真紀子とユイ
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真紀子さんたちは宝石売り場にいた。
「これも可愛いわぁ」
そんなふうに目をキラキラさせてアクセサリーを見る姿は年相応の少女だ。
『真紀子さま!!こちらのネックレスの方が高価ですよ!!』
真紀子さんの天使もキラッキラしてる。
「……分かってないわね。値段が高けりゃいい訳じゃないのよ?可愛い!!て思ったものを買うのよ」
小振りの宝石が ちりばめられたネックレスを胸に飾る。
真紀子さんて意外と小さな飾りのアクセサリーが好きなんだよね。
「あ、真紀子さん。これなんか可愛いですよ」
私は真紀子さんの好きそうなピアスを見せる。
「いらないわ」
ありゃ?
チラリと見ただけで無下なく断られた。
それを天使が ふふんと鼻で笑った。
『今つけてるピアス以外つけませんよ?なんせ こちらは……』
「天使。これと これを買うわ」
『あ、はい!!では、値札を外してもらってきますね』
いそいそと店員へと持っていく。
「ユイ」
「は、はい!!」
「アタシは自分の好みで買い物をするの。助言はいらないわ」
「は、はい」
そりゃそうだわね。
自他ともに認めるファッション大好き真紀子さんだもん。
と納得しつつも初めて名前を呼ばれたことにビックリした。
「……覚えてくれてたんだ」
妙に むず痒い、そわそわした気分になる。
ありゃ私、名前 呼ばれて嬉しい、のか?
想定外の自分の反応に 戸惑いながら真紀子さんのトパーズのピアスを見つめる。
「んで?あんた、なんで いるの?」
「え?あ、寒いので何か着るものを買おうと思って……」
「ふぅん」
真紀子さんが無表情で私を上から下までジロジロ見る。
「その何年 履いてるか分かんない運動靴は いらないわね」
「は?」
「もう走り回る必要もないしショートブーツとかもイイんじゃない?」
「は、はい」
「子供だからカラー多めでコーデしてみても面白いわね」
「は、はぁ」
どうやら真紀子さんのファッションスイッチを押してしまったらしい。
『お待たせしました!!真紀子さま』
「行くわよ」
『え?どちらに!?』
困惑する天使を置いて すたすたと歩きだす真紀子さん。
「ユイの服を揃えるわ」
『えーーーーー!!』
驚きすぎだろ、天使。
「いいんじゃない?」
『馬子にも衣装ですね!!』
高級 子供服ブランドで着せ替え人形になって一時間ちょっと。
真紀子さんも満足な出来映えになったようだ。
ふりふりレースの襟がついたブラウスの上にピンクのVネックセーターを着て、黄色のタータンチェックのミニスカートを履き、水色のPコートを羽織っている。
カラフルさを焦げ茶色のショートブーツで締めた姿は読者モデルのようだ。
「……さすが真紀子さん」
ほっぺを真っ赤にして私が呟くと真紀子さんも まんざらではない様子だ。
「あと何着か買いましょう。いつ帰れるか分からないからね」
「は、はい!!」
私だって女の子だ。
お洒落に興味がない訳じゃない。
ウキウキしながら真紀子さんに着いてゆく。
「……女の子ってスゴいね」
元樹お兄ちゃんが ぽそっと言う。
『あっという間に仲良しですね』
恵くんの天使も呟く。
「………殺す」
「いやいやいや!!」
元樹お兄ちゃんが慌てて止める。
なんて やり取りが背後であったことなど つゆ知らず、私たちは楽しく買い物をしていた。
「これも可愛いわぁ」
そんなふうに目をキラキラさせてアクセサリーを見る姿は年相応の少女だ。
『真紀子さま!!こちらのネックレスの方が高価ですよ!!』
真紀子さんの天使もキラッキラしてる。
「……分かってないわね。値段が高けりゃいい訳じゃないのよ?可愛い!!て思ったものを買うのよ」
小振りの宝石が ちりばめられたネックレスを胸に飾る。
真紀子さんて意外と小さな飾りのアクセサリーが好きなんだよね。
「あ、真紀子さん。これなんか可愛いですよ」
私は真紀子さんの好きそうなピアスを見せる。
「いらないわ」
ありゃ?
チラリと見ただけで無下なく断られた。
それを天使が ふふんと鼻で笑った。
『今つけてるピアス以外つけませんよ?なんせ こちらは……』
「天使。これと これを買うわ」
『あ、はい!!では、値札を外してもらってきますね』
いそいそと店員へと持っていく。
「ユイ」
「は、はい!!」
「アタシは自分の好みで買い物をするの。助言はいらないわ」
「は、はい」
そりゃそうだわね。
自他ともに認めるファッション大好き真紀子さんだもん。
と納得しつつも初めて名前を呼ばれたことにビックリした。
「……覚えてくれてたんだ」
妙に むず痒い、そわそわした気分になる。
ありゃ私、名前 呼ばれて嬉しい、のか?
想定外の自分の反応に 戸惑いながら真紀子さんのトパーズのピアスを見つめる。
「んで?あんた、なんで いるの?」
「え?あ、寒いので何か着るものを買おうと思って……」
「ふぅん」
真紀子さんが無表情で私を上から下までジロジロ見る。
「その何年 履いてるか分かんない運動靴は いらないわね」
「は?」
「もう走り回る必要もないしショートブーツとかもイイんじゃない?」
「は、はい」
「子供だからカラー多めでコーデしてみても面白いわね」
「は、はぁ」
どうやら真紀子さんのファッションスイッチを押してしまったらしい。
『お待たせしました!!真紀子さま』
「行くわよ」
『え?どちらに!?』
困惑する天使を置いて すたすたと歩きだす真紀子さん。
「ユイの服を揃えるわ」
『えーーーーー!!』
驚きすぎだろ、天使。
「いいんじゃない?」
『馬子にも衣装ですね!!』
高級 子供服ブランドで着せ替え人形になって一時間ちょっと。
真紀子さんも満足な出来映えになったようだ。
ふりふりレースの襟がついたブラウスの上にピンクのVネックセーターを着て、黄色のタータンチェックのミニスカートを履き、水色のPコートを羽織っている。
カラフルさを焦げ茶色のショートブーツで締めた姿は読者モデルのようだ。
「……さすが真紀子さん」
ほっぺを真っ赤にして私が呟くと真紀子さんも まんざらではない様子だ。
「あと何着か買いましょう。いつ帰れるか分からないからね」
「は、はい!!」
私だって女の子だ。
お洒落に興味がない訳じゃない。
ウキウキしながら真紀子さんに着いてゆく。
「……女の子ってスゴいね」
元樹お兄ちゃんが ぽそっと言う。
『あっという間に仲良しですね』
恵くんの天使も呟く。
「………殺す」
「いやいやいや!!」
元樹お兄ちゃんが慌てて止める。
なんて やり取りが背後であったことなど つゆ知らず、私たちは楽しく買い物をしていた。
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