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1月 初詣
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アタシが小学生の頃に読んでいた少女漫画のライバルと言えば、顔は可愛いのに性格がスゴく悪い!!と言うのが定番だった。
そして平凡で地味な女の子が王子様のようなカッコいい男の子と両思いになるという お決まりのハッピーエンド。
まぁだからって、その平凡で地味な女の子代表みたいなアタシがイケメンと恋に落ちるなんて妄想は一度もしたことないけどね。
それでも中学時代、一度だけ嫌がらせをしてきたクラスの女王様的 女子に虐められた時、やはり可愛い子は性格が悪いなぁと強く印象づいたことは確かだ。
だから、なんとなく好意を抱いていた幼馴染の彼女が この世のものとは思えないほどの美少女だった時は普通に中身は最悪で 幼馴染は、きっといいように扱われて浮気されて捨てられるんだろうなぁと思っていた。
『初詣、一緒に行かないか?』
笑っちゃいけないのに笑ってしまう番組を見ていたら剛志からラインが入った。
小さい頃こそ一緒に遊んだが、初詣になんか一度も行ったことはない。
ドキドキとうるさく高鳴る胸を抑えつつ返事をする。
『いいけど何時?』
『今から』
えーーー!?
もうパジャマだけど!?
『家の前で待ってる』
まじか!!
アタシは慌てて二階に駆け上がるとジーパンとセーターに着替えコートを引っ付かんで外に出た。
なんでなんで!?
なんで剛志と二人で初詣……。
と思いながらドアを上がると、そりゃ当然だわなってくらい自然に彼女もいた。
「おっす」
「…おっす」
「こんばんは~。真理亜っていいます。よろしくね、敏子ちゃん」
「…よろしく」
マリアね。名前まで可愛いでやんの。
「はじめまして。勇人です」
誰やねん。
「俺の高校のつれ」
「ふ~ん。はじめまして」
高校は別々になったから剛志の交遊関係は知らない。
知らないけど、三人は同じ学校だから当然 私だけ会話に入れない。
三人で行けや。
イライラしながらも だから帰るとは言えず黙ってついていく。
剛志の横でチョコチョコと可愛く歩く彼女は振り袖だ。
成人式でもないのに振り袖が着れるって お嬢様かよ!!
心の中で悪態をつきながら近所の神社に向かう。
いつもは寂れた境内では御神酒やら甘酒やら ふるまわれていた。
あ、おしるこって書いてある。
食べたいなぁと思いつつ、歩く。
「お?敏子、お前 来ないって言ってたじゃないのか?」
「お、お父さん!?」
ああ、しまった。今年うち町内会の役員か!!
「おじさん、こんばんは~」
「おお!剛志。久しぶりだな」
「こんばんは~。寒いのに お疲れ様です」
「んお!?なんだこの可愛い子は!!」
「俺の彼女」
「まじか!!てっきり俺は敏…」
「わーわーわーー!!」
「うるせぇな」
それは こっちのセリフだ!!
なに言うつもりだった!?
「向こうで豚汁もやってっから色々飲んでけよ!!」
「「「ありがとうございます」」」
……皆、お利光さんだな。
てかさ、さっきから見てるけど、あの真理亜って子。
すげ~猫 被ってんな。
なに?あの私は純粋無垢ですって態度。
うざいんですけど!!
どうせメッチャ性格悪いんだろ?早く正体あらわせや!!
ムカムカしながら歩いていると目の前に湯気のたった温かそうな おしるこが現れた。
「はい、どうぞ」
天使の微笑みで真理亜が差し出す。
「はっ?え?なんで?」
「え?あ、ずっと見てたから食べたいのかな?って」
小首をかしげて微笑む。
「あ、ありがと……」
そ、そんな物欲しそうに見てたのか!?メッチャ恥ずかしいわ!!
「私も もらってきちゃった。スゴく美味しそうだよね」
「う、うん」
そんなアタシたちの様子を剛志がニコニコ見てる。
い、いたたまれない。
その後も これでもかと気を使ってくれる真理亜に挙動不審になりながら時間がすぎてく。
「今日は楽しかった!!敏子ちゃん、また一緒に遊ぼうね!!」
真理亜がニコニコと手を差し出す。
それに釣られて握手をすると、またまた剛志が生暖かい笑顔で見てくる。
まじか!!勘弁してくれ!!
「やっぱ敏子サイコーだな。今日は ありがとう。あったかくして寝ろよ」
「あ、うん。剛志、たちもね」
当然のように真理亜を送ってく後ろ姿を見つめる。
「あんた、剛志のこと好きなの?」
「うん」
え!?
ビックリして隣を見ると、剛志の友達がいた。
そういえば居たなコイツ!!
「好きなのに剛志の彼女に優しくするなんて、ホントあいつの言うとおりイイやつだな」
「す、好きじゃねぇし!!」
「うん て言った」
ぐふっ!!
「……剛志には」
「言わない」
そ、そか。信用できないけど信じるわ。
「真理亜はさ、俺の双子の妹なんだ」
……………………。
「えーーー!?」
に、似てねぇな!!
「あの顔で天然だから昔から女子に総スカンでね。友達らしい友達もいなくてさ」
アタシの驚きを しれっと無視して話し出す。
心臓つえぇな!!
「んで高校入学してすぐ付き合ったのが剛志だろ?もう友達できない できない」
「ア、アタシも幼馴染ってだけで虐められたことあるから分かるよ」
お前みたいなブスが隣に住むなとか理不尽な嫌がらせを受けてきたわ。
「シューズに画ビョウとか教科書ビリビリとか少女漫画もビックリな嫌がらせの数々。あいつらホントに平成産まれかな?」
知らんがな!!
「真理亜のイイ友達になってやってほしい」
いやいやいや!!
「と、友達って そんな改まって なるもんじゃねぇし!!」
「そうだな。もう友達だったな」
え、えーーー!?
「俺も楽しかった。また四人で遊ぼう」
直視できない現実に意識が遠退きそうなアタシを置いて、ゴーン、ゴーンと新年を伝える除夜の鐘が鳴り響いていた。
アタシが小学生の頃に読んでいた少女漫画のライバルと言えば、顔は可愛いのに性格がスゴく悪い!!と言うのが定番だった。
でも実際は そんな性格の悪い子なんて いなくて、平凡なアタシには少女漫画のように素敵な王子様は現れないし、剛志は浮気されることもなく二人 仲良く付き合っている。
仕方ない。イイ子だからな……。
アタシのことが大好きってチョコチョコついてくる可愛い真理亜を思い出し苦笑する。
好きだった人の彼女と友達になるって どうよ?
ちょっと切ない片思いに終わりを告げ、アタシは一生モノの親友を手に入れた。
そして平凡で地味な女の子が王子様のようなカッコいい男の子と両思いになるという お決まりのハッピーエンド。
まぁだからって、その平凡で地味な女の子代表みたいなアタシがイケメンと恋に落ちるなんて妄想は一度もしたことないけどね。
それでも中学時代、一度だけ嫌がらせをしてきたクラスの女王様的 女子に虐められた時、やはり可愛い子は性格が悪いなぁと強く印象づいたことは確かだ。
だから、なんとなく好意を抱いていた幼馴染の彼女が この世のものとは思えないほどの美少女だった時は普通に中身は最悪で 幼馴染は、きっといいように扱われて浮気されて捨てられるんだろうなぁと思っていた。
『初詣、一緒に行かないか?』
笑っちゃいけないのに笑ってしまう番組を見ていたら剛志からラインが入った。
小さい頃こそ一緒に遊んだが、初詣になんか一度も行ったことはない。
ドキドキとうるさく高鳴る胸を抑えつつ返事をする。
『いいけど何時?』
『今から』
えーーー!?
もうパジャマだけど!?
『家の前で待ってる』
まじか!!
アタシは慌てて二階に駆け上がるとジーパンとセーターに着替えコートを引っ付かんで外に出た。
なんでなんで!?
なんで剛志と二人で初詣……。
と思いながらドアを上がると、そりゃ当然だわなってくらい自然に彼女もいた。
「おっす」
「…おっす」
「こんばんは~。真理亜っていいます。よろしくね、敏子ちゃん」
「…よろしく」
マリアね。名前まで可愛いでやんの。
「はじめまして。勇人です」
誰やねん。
「俺の高校のつれ」
「ふ~ん。はじめまして」
高校は別々になったから剛志の交遊関係は知らない。
知らないけど、三人は同じ学校だから当然 私だけ会話に入れない。
三人で行けや。
イライラしながらも だから帰るとは言えず黙ってついていく。
剛志の横でチョコチョコと可愛く歩く彼女は振り袖だ。
成人式でもないのに振り袖が着れるって お嬢様かよ!!
心の中で悪態をつきながら近所の神社に向かう。
いつもは寂れた境内では御神酒やら甘酒やら ふるまわれていた。
あ、おしるこって書いてある。
食べたいなぁと思いつつ、歩く。
「お?敏子、お前 来ないって言ってたじゃないのか?」
「お、お父さん!?」
ああ、しまった。今年うち町内会の役員か!!
「おじさん、こんばんは~」
「おお!剛志。久しぶりだな」
「こんばんは~。寒いのに お疲れ様です」
「んお!?なんだこの可愛い子は!!」
「俺の彼女」
「まじか!!てっきり俺は敏…」
「わーわーわーー!!」
「うるせぇな」
それは こっちのセリフだ!!
なに言うつもりだった!?
「向こうで豚汁もやってっから色々飲んでけよ!!」
「「「ありがとうございます」」」
……皆、お利光さんだな。
てかさ、さっきから見てるけど、あの真理亜って子。
すげ~猫 被ってんな。
なに?あの私は純粋無垢ですって態度。
うざいんですけど!!
どうせメッチャ性格悪いんだろ?早く正体あらわせや!!
ムカムカしながら歩いていると目の前に湯気のたった温かそうな おしるこが現れた。
「はい、どうぞ」
天使の微笑みで真理亜が差し出す。
「はっ?え?なんで?」
「え?あ、ずっと見てたから食べたいのかな?って」
小首をかしげて微笑む。
「あ、ありがと……」
そ、そんな物欲しそうに見てたのか!?メッチャ恥ずかしいわ!!
「私も もらってきちゃった。スゴく美味しそうだよね」
「う、うん」
そんなアタシたちの様子を剛志がニコニコ見てる。
い、いたたまれない。
その後も これでもかと気を使ってくれる真理亜に挙動不審になりながら時間がすぎてく。
「今日は楽しかった!!敏子ちゃん、また一緒に遊ぼうね!!」
真理亜がニコニコと手を差し出す。
それに釣られて握手をすると、またまた剛志が生暖かい笑顔で見てくる。
まじか!!勘弁してくれ!!
「やっぱ敏子サイコーだな。今日は ありがとう。あったかくして寝ろよ」
「あ、うん。剛志、たちもね」
当然のように真理亜を送ってく後ろ姿を見つめる。
「あんた、剛志のこと好きなの?」
「うん」
え!?
ビックリして隣を見ると、剛志の友達がいた。
そういえば居たなコイツ!!
「好きなのに剛志の彼女に優しくするなんて、ホントあいつの言うとおりイイやつだな」
「す、好きじゃねぇし!!」
「うん て言った」
ぐふっ!!
「……剛志には」
「言わない」
そ、そか。信用できないけど信じるわ。
「真理亜はさ、俺の双子の妹なんだ」
……………………。
「えーーー!?」
に、似てねぇな!!
「あの顔で天然だから昔から女子に総スカンでね。友達らしい友達もいなくてさ」
アタシの驚きを しれっと無視して話し出す。
心臓つえぇな!!
「んで高校入学してすぐ付き合ったのが剛志だろ?もう友達できない できない」
「ア、アタシも幼馴染ってだけで虐められたことあるから分かるよ」
お前みたいなブスが隣に住むなとか理不尽な嫌がらせを受けてきたわ。
「シューズに画ビョウとか教科書ビリビリとか少女漫画もビックリな嫌がらせの数々。あいつらホントに平成産まれかな?」
知らんがな!!
「真理亜のイイ友達になってやってほしい」
いやいやいや!!
「と、友達って そんな改まって なるもんじゃねぇし!!」
「そうだな。もう友達だったな」
え、えーーー!?
「俺も楽しかった。また四人で遊ぼう」
直視できない現実に意識が遠退きそうなアタシを置いて、ゴーン、ゴーンと新年を伝える除夜の鐘が鳴り響いていた。
アタシが小学生の頃に読んでいた少女漫画のライバルと言えば、顔は可愛いのに性格がスゴく悪い!!と言うのが定番だった。
でも実際は そんな性格の悪い子なんて いなくて、平凡なアタシには少女漫画のように素敵な王子様は現れないし、剛志は浮気されることもなく二人 仲良く付き合っている。
仕方ない。イイ子だからな……。
アタシのことが大好きってチョコチョコついてくる可愛い真理亜を思い出し苦笑する。
好きだった人の彼女と友達になるって どうよ?
ちょっと切ない片思いに終わりを告げ、アタシは一生モノの親友を手に入れた。
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