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1章 異世界転移編
9話 魔法と世界
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先程まで見えていた過去の映像が消え、ショウトの見る世界が黒に染まった。
しかし、ショウトは瞼を上げず、ただ、ひたすら思案していた。
――母さん……。
映像の消える直前、最後に見た母の笑顔が脳裏に焼き付いて離れない。
あの笑顔を奪ったのは自分。野球を辞めてからは心配ばかりかけてきたに違いない。そう思うと胸が張り裂けそうだった。
さらに、今朝、怒鳴り付けた自分の行動もその気持ちを増幅させる。すると、
「どうだい? これでわかっただろう」
サイクルの声がショウトを引き戻した。
その声に釣られるように瞼を上げる。
すると、目の前にはサイクルが腰に手を当て自信ありげ立っていた。
「……あぁ、確かにオレがショウト号と言ったことは分かった。だけど、それとお前は何の関係もないだろ」
ショウトは一瞬言葉に詰まったが、感情を隠すようにサイクルに言葉を返した。
しかし、サイクルはそんなショウトの様子を気に止めることもなく、お構いなしに口を開く。
「君は本当に頭が悪いね。さっきも言っただろ? 僕の記憶を見せるって。つまり、さっき君が見たのは僕が見ていた景色だよ」
判断力には自信があったが、イレギュラー過ぎて頭がついていかない。
それを聞いても、やはり腑に落ちなかった。なぜなら先程の映像は空を飛んでいたからだ。それなのに今、目の前に居るサイクルはしっかりと地に足をつけ立っている。
ショウトが、それについて質問しようとしたその時だった、サイクルは耳をピクッと動かし、真剣な表情になると、どこからともなく眼鏡を取り出す。それを直ぐ様掛け、突然辺りを見回した。その顔は何かを警戒しているようにも見える。その動きにショウトは言葉を飲み込んだ。
しかし、その表情は直ぐに身を潜めた。何もなかったかのように、サイクルはショウトの方を真っ直ぐ向くとニッコリ笑って口を開いた。
「今から僕が説明する事を良く聞いてね。ここから先は真剣な話になるから、茶化さないでおくれよ。あ、ただ質問は受け付けるからね。あと、メモを取るのは自由だから。それじゃあ始めるよ」
サイクルはあたかも授業をする先生のように得意気に語りだす。
その光景に、ショウトはすかさず手をあげた。
「はい、質問」
あまりの質問の早さにサイクルは呆れたのか不機嫌そうに強い口調で答える。
「次はなに?」
「もうそれ茶化してくれと言ってるような言い方だぞ。それと、さっきその眼鏡どこから出した?」
ショウトがそう質問したのには訳があっま。まず、ショウトは紙やペンを持っていないのだ。それは絶対にサイクルも分かっての事。更に眼鏡、どこから出したのか全く理解出来ない。
「そうかなぁ? まぁいいや。これね。それはこれだよ」
サイクルは手を胸の辺りにかざす。するとポンッという音と共に手のひらに鉛筆とメモ帳が現れた。
「これは、バックパック。僕の得意魔法さ」
バックパックとは、異空間に物を保管することの出来る便利な魔法だ。しかし、取り出せるのは『自分』が手に触れ、しまった物だけである。
「バックパック? 魔法? そんな技術この世に存在するわけないだろ。アニメじゃないだぜ?」
「そんな事はないよ。現に僕はそれを使えるし、それにここは君の居た世界じゃない。繋がってはいるみたいだけど、まったくの別物。君たちの知ってる言い方だと異世界とでも言った方がしっくりくるかもね。あと、君にだって魔法の力はある。ただ、君の場合は少し……、いや、かなり特殊だけどね」
サイクルはそう言うと、ダムが決壊したかのように次々とこの世界と魔法について語りだした。それはショウトが質問するのを防ぐかのように凄まじい勢いだった。
まず、この世界についてだった。
この世界はショウト目線で言うのであれば、現実世界と異なる世界。つまり異世界ということだ。
この世界では、魔法が一般的に知られており、その影響なのか様々な種族がいるらしい。
身体は弱いが魔力が高く、豊富な知識を持つエルフ。身体能力は高いが血の気の多い獣人(ビースト)。知恵があり、物を作り出す技術が高い人間(ヒューマ)。その他に混合種でハーフエルフがいるらしいが、珍しいらしくサイクルも実際に見たことはないそうだ。
更に分かった事は、元々サイクルはこちらの世界に居たらしい。
逆にショウトの居た世界がサイクルにとっては異世界だったようだ。
しかし、サイクル自身も記憶が曖昧でなぜ別世界のあそこを漂って居たのか覚えておらず、それどころか、こちらの世界でもどこで、どのように生活していたか覚えていなかった。当の本人はあまり気にして居ないようだが……。
次に魔法についてだった。
魔法は、マナという自らの体内に持つエネルギーを消費して使用する方法と、大気中のマナを集めて使用する方法があるようだ。
ショウトの居た世界でも一応は使用する事は可能らしいのだが、あちらは大気中のマナが極端に少なく、使用したとしてもその後回復させるのは、まず不可能ということだ。
魔法を使う力はこちらの人たちだけでなく、ショウトの居た世界の人間も持っているようだ。ただ、身体の作りが違い、ショウトの居た世界の人間には妨害があり、体内のマナを排出することが出来ないらしい。
だが、ごく稀にその力が漏れ出す者もいるそうだ。
その者たちに共通して言えることは、周りよりも身体能力が高いらしい。
例えば、身体の割には力が強かったり、跳躍力があったり、知能が高かったり、記憶力が高かったりと様々だ。火事場の馬鹿力も同じ原理のようだ。
さらに、魔法には種類があるらしい、一つはサイクルが得意とする補助系魔法、それと対象を攻撃する攻撃魔法、そして対象を回復、解毒などをする治癒魔法。
各魔法の中にも様々な分類があるらしいのだが、数が多すぎるからとサイクルは説明をしなかった。
そして、ショウトの事だ。
ショウトには特別な力があるらしい。
サイクルが言うには、どの種類にも属さない忘れらさられた魔法のようなもの? だと。
効果は『物に霊を宿らせる』または『物の精霊を呼び起こす』的な感じ……らしい。
ただ、その力は右手でしか使用する事が出来ないようだ。
元々ショウトにはその力があったらしいのだが、やはり何か妨害があり使うことが出来ない状態だった。
しかし、その力は完全には抑えきれていなかったらしく、たまたま? 近くを浮遊していたサイクルを自転車に憑依させてしまった、つまり付喪神としてあちらの世界で存在を安定させたということだそうだ。だが、やはりあちらはマナが少ないということもあり、本来の姿を体現するまでは出来なかったようだ。
更にその力はここ一年で強くなっていたらしい。そのせいで今まで聞こえなかった声が聞こえるようになっていたようだ。
おそらく怪我が原因で妨害、つまりリミッターが解除されたのではないかとサイクルは言っていた。
最後はあの『例の本』の事だった。
あの本はこちらの禁書だった。国が管理する図書館の立ち入り禁止区域の更に奥、封印区域に保管されていたらしいのだが、なぜか分からないがショウトの居た世界にあったらしい。
サイクル自身も見たのは初めてで効果は分かっていなかった。
推測でしかないがショウトの力に呼応するかのように術が発動したということ。
今の状況からして、おそらく異空間移動の魔導書か何かだとは思うけど……。だと。
「何となく分かった。つまりオレは、死んるんじゃなくて、魔法の使える異世界に飛ばされたってことだな?」
「そうだよ。そして特別な力があるってこと。そこが一番重要だからね」
そして、サイクルはまた辺りを見回し、何かを確認すると、ショウトの方を見てニヤリと笑ってこう言った。
「さて、それじゃあ使い方を練習してみようか! さっきから周りを彷徨いている奴もいるみたいだしね!」
その言葉を聞いたショウトは状況を確認する為、座り続けて少し痛みのあるお尻を地面から放し、立ち上がった。
「まじかよ……」
ショウトの目に映ったのは、犬よりも一回り大きい赤毛の狼のような獣だった。
「大丈夫! 相手は草原ウルフ。そんなに強くはないよ! さぁショウト! 戦闘開始だ!」
サイクルは笑顔でそう言っていたが、ショウトは初めて見る獣の姿に頭の中が真っ白になるのだった。
しかし、ショウトは瞼を上げず、ただ、ひたすら思案していた。
――母さん……。
映像の消える直前、最後に見た母の笑顔が脳裏に焼き付いて離れない。
あの笑顔を奪ったのは自分。野球を辞めてからは心配ばかりかけてきたに違いない。そう思うと胸が張り裂けそうだった。
さらに、今朝、怒鳴り付けた自分の行動もその気持ちを増幅させる。すると、
「どうだい? これでわかっただろう」
サイクルの声がショウトを引き戻した。
その声に釣られるように瞼を上げる。
すると、目の前にはサイクルが腰に手を当て自信ありげ立っていた。
「……あぁ、確かにオレがショウト号と言ったことは分かった。だけど、それとお前は何の関係もないだろ」
ショウトは一瞬言葉に詰まったが、感情を隠すようにサイクルに言葉を返した。
しかし、サイクルはそんなショウトの様子を気に止めることもなく、お構いなしに口を開く。
「君は本当に頭が悪いね。さっきも言っただろ? 僕の記憶を見せるって。つまり、さっき君が見たのは僕が見ていた景色だよ」
判断力には自信があったが、イレギュラー過ぎて頭がついていかない。
それを聞いても、やはり腑に落ちなかった。なぜなら先程の映像は空を飛んでいたからだ。それなのに今、目の前に居るサイクルはしっかりと地に足をつけ立っている。
ショウトが、それについて質問しようとしたその時だった、サイクルは耳をピクッと動かし、真剣な表情になると、どこからともなく眼鏡を取り出す。それを直ぐ様掛け、突然辺りを見回した。その顔は何かを警戒しているようにも見える。その動きにショウトは言葉を飲み込んだ。
しかし、その表情は直ぐに身を潜めた。何もなかったかのように、サイクルはショウトの方を真っ直ぐ向くとニッコリ笑って口を開いた。
「今から僕が説明する事を良く聞いてね。ここから先は真剣な話になるから、茶化さないでおくれよ。あ、ただ質問は受け付けるからね。あと、メモを取るのは自由だから。それじゃあ始めるよ」
サイクルはあたかも授業をする先生のように得意気に語りだす。
その光景に、ショウトはすかさず手をあげた。
「はい、質問」
あまりの質問の早さにサイクルは呆れたのか不機嫌そうに強い口調で答える。
「次はなに?」
「もうそれ茶化してくれと言ってるような言い方だぞ。それと、さっきその眼鏡どこから出した?」
ショウトがそう質問したのには訳があっま。まず、ショウトは紙やペンを持っていないのだ。それは絶対にサイクルも分かっての事。更に眼鏡、どこから出したのか全く理解出来ない。
「そうかなぁ? まぁいいや。これね。それはこれだよ」
サイクルは手を胸の辺りにかざす。するとポンッという音と共に手のひらに鉛筆とメモ帳が現れた。
「これは、バックパック。僕の得意魔法さ」
バックパックとは、異空間に物を保管することの出来る便利な魔法だ。しかし、取り出せるのは『自分』が手に触れ、しまった物だけである。
「バックパック? 魔法? そんな技術この世に存在するわけないだろ。アニメじゃないだぜ?」
「そんな事はないよ。現に僕はそれを使えるし、それにここは君の居た世界じゃない。繋がってはいるみたいだけど、まったくの別物。君たちの知ってる言い方だと異世界とでも言った方がしっくりくるかもね。あと、君にだって魔法の力はある。ただ、君の場合は少し……、いや、かなり特殊だけどね」
サイクルはそう言うと、ダムが決壊したかのように次々とこの世界と魔法について語りだした。それはショウトが質問するのを防ぐかのように凄まじい勢いだった。
まず、この世界についてだった。
この世界はショウト目線で言うのであれば、現実世界と異なる世界。つまり異世界ということだ。
この世界では、魔法が一般的に知られており、その影響なのか様々な種族がいるらしい。
身体は弱いが魔力が高く、豊富な知識を持つエルフ。身体能力は高いが血の気の多い獣人(ビースト)。知恵があり、物を作り出す技術が高い人間(ヒューマ)。その他に混合種でハーフエルフがいるらしいが、珍しいらしくサイクルも実際に見たことはないそうだ。
更に分かった事は、元々サイクルはこちらの世界に居たらしい。
逆にショウトの居た世界がサイクルにとっては異世界だったようだ。
しかし、サイクル自身も記憶が曖昧でなぜ別世界のあそこを漂って居たのか覚えておらず、それどころか、こちらの世界でもどこで、どのように生活していたか覚えていなかった。当の本人はあまり気にして居ないようだが……。
次に魔法についてだった。
魔法は、マナという自らの体内に持つエネルギーを消費して使用する方法と、大気中のマナを集めて使用する方法があるようだ。
ショウトの居た世界でも一応は使用する事は可能らしいのだが、あちらは大気中のマナが極端に少なく、使用したとしてもその後回復させるのは、まず不可能ということだ。
魔法を使う力はこちらの人たちだけでなく、ショウトの居た世界の人間も持っているようだ。ただ、身体の作りが違い、ショウトの居た世界の人間には妨害があり、体内のマナを排出することが出来ないらしい。
だが、ごく稀にその力が漏れ出す者もいるそうだ。
その者たちに共通して言えることは、周りよりも身体能力が高いらしい。
例えば、身体の割には力が強かったり、跳躍力があったり、知能が高かったり、記憶力が高かったりと様々だ。火事場の馬鹿力も同じ原理のようだ。
さらに、魔法には種類があるらしい、一つはサイクルが得意とする補助系魔法、それと対象を攻撃する攻撃魔法、そして対象を回復、解毒などをする治癒魔法。
各魔法の中にも様々な分類があるらしいのだが、数が多すぎるからとサイクルは説明をしなかった。
そして、ショウトの事だ。
ショウトには特別な力があるらしい。
サイクルが言うには、どの種類にも属さない忘れらさられた魔法のようなもの? だと。
効果は『物に霊を宿らせる』または『物の精霊を呼び起こす』的な感じ……らしい。
ただ、その力は右手でしか使用する事が出来ないようだ。
元々ショウトにはその力があったらしいのだが、やはり何か妨害があり使うことが出来ない状態だった。
しかし、その力は完全には抑えきれていなかったらしく、たまたま? 近くを浮遊していたサイクルを自転車に憑依させてしまった、つまり付喪神としてあちらの世界で存在を安定させたということだそうだ。だが、やはりあちらはマナが少ないということもあり、本来の姿を体現するまでは出来なかったようだ。
更にその力はここ一年で強くなっていたらしい。そのせいで今まで聞こえなかった声が聞こえるようになっていたようだ。
おそらく怪我が原因で妨害、つまりリミッターが解除されたのではないかとサイクルは言っていた。
最後はあの『例の本』の事だった。
あの本はこちらの禁書だった。国が管理する図書館の立ち入り禁止区域の更に奥、封印区域に保管されていたらしいのだが、なぜか分からないがショウトの居た世界にあったらしい。
サイクル自身も見たのは初めてで効果は分かっていなかった。
推測でしかないがショウトの力に呼応するかのように術が発動したということ。
今の状況からして、おそらく異空間移動の魔導書か何かだとは思うけど……。だと。
「何となく分かった。つまりオレは、死んるんじゃなくて、魔法の使える異世界に飛ばされたってことだな?」
「そうだよ。そして特別な力があるってこと。そこが一番重要だからね」
そして、サイクルはまた辺りを見回し、何かを確認すると、ショウトの方を見てニヤリと笑ってこう言った。
「さて、それじゃあ使い方を練習してみようか! さっきから周りを彷徨いている奴もいるみたいだしね!」
その言葉を聞いたショウトは状況を確認する為、座り続けて少し痛みのあるお尻を地面から放し、立ち上がった。
「まじかよ……」
ショウトの目に映ったのは、犬よりも一回り大きい赤毛の狼のような獣だった。
「大丈夫! 相手は草原ウルフ。そんなに強くはないよ! さぁショウト! 戦闘開始だ!」
サイクルは笑顔でそう言っていたが、ショウトは初めて見る獣の姿に頭の中が真っ白になるのだった。
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