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27 お母さんに会う
しおりを挟む王都に到着した。
それはもう王都はすごいよ。門を抜けると正面に大きなお城が見える。あれが王城か。
それ以外にも、とにかく人が多い。馬車が何台も行き交い、市場もウルレインが比較にならないほど発展している。食材探しのために、後で市場に行こう。
「では、このままブルガルド家の屋敷に向かいますね」
どうやら、王都にも屋敷があるみたいだ。さすが貴族ですね。
そのまま、進んでいき、馬車が停まった。
「ヒナタお姉ちゃん、ここがブルガルド家の屋敷です」
見えたのは、ウルレインと同じくらいの大きさの屋敷だ。
屋敷に入ると、いつも通りメイドさんが出迎えてくれた。
「「サーシャお嬢様、お帰りなさいませ」」
「ただいまー!」
出迎えにはサーシャのお母さんと思われる、金髪の綺麗な女性がいた。胸も大きい。
サーシャはお母さん似だなと思った。
将来はサーシャもこんな風に巨乳になると思うと少し残念だよ。
私より大きくならないでと思ってしまう。私もまだ成長すると信じているからね。
「よく来たわね、サーシャ」
「1ヶ月ぶりです。お母様!」
サーシャはお母さんに抱きついていた。
サーシャはものすごい笑顔で抱きつき、私はやっぱりお母さんには勝てないなと思った。
「あなたがヒナタさんね。私はサーシャの母のユリア・ブルガルドです。フィリップから手紙で聞いているわ。サーシャを助けてくれただけでなく、ウルレインの街にもすごい貢献してくれていて、サーシャも大好きな冒険者だってね」
そんな真正面から言われると照れるよ。
あと、多分だけど、私が奴隷売買組織の殲滅やワイバーンの討伐をしていることはサーシャには話していないっぽい。心配させちゃうからの配慮だと思う。
それにしても、フィリップもすごい褒めてくれているみたいだ。お母さんからの私の印象は既に良いみたい。
「こちらこそ、フィリップ様には大変お世話になっています。もちろんサーシャちゃんにも」
「ふふふ、手紙にあった通り、謙虚な方なのね。サーシャの姉のミレイは昼間には学園に行っていていないのよ。もうそろそろ帰ってくると思うんだけど……」
そうしていると、後ろから声が聞こえた。
「お母様、ただいま!」
元気な子だ。髪は黒髪のロングで整った顔立ちをしている。姉はフィリップ似みたいだ。
「お姉さま!」
「サーシャよく来たわね!」
姉妹で抱き合っている。このブルガルド家の愛情表現は抱き合うことなんだな。
私も混ぜてもらいたいなんて邪なことを考えていると……。
「あなたがヒナタさんね。サーシャを助けてくれたみたいでありがとうございます」
「いえ、私もサーシャちゃんには道に迷っていた所を助けてもらったのでお互い様です」
その後は、夕食をご馳走してもらえる事になり、みんなで楽しく会話をしていた。
「え、ヒナタお姉ちゃん明日から出て行っちゃうんですか!?」
私の発言にサーシャが驚く。
さすがに、この屋敷に厄介になるわけにはいかないしね。
ただの冒険者だし。
「うん、私は冒険者だし、宿をとって明日からは依頼を受けながら自由に王都を回ろうと思うよ」
「そ、そうですか。でも、たまには遊びに来てくださいね。ヒナタお姉ちゃんとも遊びたいですし」
「うん、その時は誘いに来るよ」
サーシャは残念そうにしているが、せっかくなので王都を回りたい。
貴族の屋敷にいるのも気を使って疲れちゃうしね。
今日だけ泊まって明日から自由に動こう。
「それは残念ね。なら、せめてミレイのお誕生日会には来てくれないかしら。5日後にやるから、ぜひいらしてちょうだい」
サーシャの母、ユリアが提案してくる。
そうか、もともと姉の誕生日のために来たんだった。
「え、私も参加してもよろしいのですか。関係のない人間ですが」
「ヒナタさんもぜひ来てください! 身内だけでやるお誕生日会なので気を使わなくても大丈夫です」
ミレイからもお願いされる。
私なんかが参加しても良いのだろうか。
でも、ミレイとも仲良くなりたいから断るのも良くないよね。
「わかりました。では、5日後の誕生日にまた来ますね」
そう約束して、夕食を食べ終えた私たちは3人でお風呂に入った。
仲良くなるには裸の付き合いが大事だからね。
「ヒナタさん、私のことはミレイとお呼びください。同い年なんですから」
「では、ミレイちゃんと呼びますね。ミレイちゃんも私のことはヒナタで構いませんよ」
「では私もヒナタちゃんと呼びますね」
お風呂に浸かりながら、そんな会話をする。
やはりお風呂に入ると、心の距離もグッと近付きやすくなるな。
それにしてもミレイの胸は大きい。身体はしっかり母親から遺伝されている。同い年なのにEカップはありそうだ。私は多分Cカップだから日本で考えると普通のサイズだと思う。
でもあまり大きいと戦闘中に揺れて邪魔になりそうだからこれくらいがちょうど良いのかもな。
お風呂から上がり、私はサーシャちゃんと同じベットで眠った。
明日からの王都探索は楽しみだ。
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