42 / 42
おまけの秋祭り。─P.5
しおりを挟むさて。
そんなこんなでやって来た秋祭りは、地元を離れている面子も顔を揃えて実に賑やかだった。神社の参道には露店も並び、初詣より人出が多かった事も思い出したりして。
「正直、こんなに戻って来るとは思わんかったわ」
俺の同級生にも何人か会ったけど結婚して子持ちになってるヤツも居て。『子どもに日本のお祭りを体験させてあげたくってさー』とか話していた。そして寧ろ親の方が楽しんでいた。
「てっちゃんはゼーンゼン帰って来てくれなかったもんねー」
「………ゴメン」
都会で汚れっちまった俺に、せっせと美味い水と米を与えて垢落とししてくれる双子は愛おしい。そして一緒に呼吸出来る、生まれ育った小さな田舎町の空気までも愛おしい。
「てっちゃんの桃尻に免じて許すよー♡」
「足もシュッとして綺麗だよー♡」
「「その地下足袋に踏まれたいよー♡」
俺も早くその引き締まった褐色の尻に頬擦りの一つもしてやりたいが……年長者のプライドに掛けて口には出さん。
「晒し巻く時思ったけど、やっぱてっちゃん太った?プニプニ」
「……………」
「プニプニ、幸せ太り?ねえねえ」
「……………」
「「俺らと暮らして幸せ?」」
幸せだ。幸せだが言わん。言わんぞ絶対。そして明日からこそはラジオ体操を始めるんだ。身を引き締めるんだ。
「プニプニがなくなるまでやらせん」
「「え~~~!!」」
「喧しいステレオ放送」
肥え太るのは心だけで充分だ。
おまけの秋祭り。
end.
0
お気に入りに追加
15
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
専業種夫
カタナカナタ
BL
精力旺盛な彼氏の性処理を完璧にこなす「専業種夫」。彼の徹底された性行為のおかげで、彼氏は外ではハイクラスに働き、帰宅するとまた彼を激しく犯す。そんなゲイカップルの日々のルーティーンを描く。
【完結】遍く、歪んだ花たちに。
古都まとい
BL
職場の部下 和泉周(いずみしゅう)は、はっきり言って根暗でオタクっぽい。目にかかる長い前髪に、覇気のない視線を隠す黒縁眼鏡。仕事ぶりは可もなく不可もなく。そう、凡人の中の凡人である。
和泉の直属の上司である村谷(むらや)はある日、ひょんなことから繁華街のホストクラブへと連れて行かれてしまう。そこで出会ったNo.1ホスト天音(あまね)には、どこか和泉の面影があって――。
「先輩、僕のこと何も知っちゃいないくせに」
No.1ホスト部下×堅物上司の現代BL。
肌が白くて女の子みたいに綺麗な先輩。本当におしっこするのか気になり過ぎて…?
こじらせた処女
BL
槍本シュン(やりもとしゅん)の所属している部活、機器操作部は2つ上の先輩、白井瑞稀(しらいみずき)しか居ない。
自分より身長の高い大男のはずなのに、足の先まで綺麗な先輩。彼が近くに来ると、何故か落ち着かない槍本は、これが何なのか分からないでいた。
ある日の冬、大雪で帰れなくなった槍本は、一人暮らしをしている白井の家に泊まることになる。帰り道、おしっこしたいと呟く白井に、本当にトイレするのかと何故か疑問に思ってしまい…?
【完結】人妻オメガの密かな願望
若目
BL
新たに結婚することになった夫婦がいた。
夫の総治郎(アルファ)は50歳、妻の直生(オメガ)は25歳。
夫はいわゆる成金で、妻は名家の生まれだが破産寸前。
言ってみればこれは、完全な政略結婚であった。
家のために好きでもない中年に嫁いだ直生を気の毒に思った総治郎は、結婚しても妻を番にすることはなく、金だけを渡して、ほとんど言葉を交わすこともせず過ごしていた。
しかし、ある日、妻の直生がある願望を口にしたことで、2人の関係は変わっていく
堅物な中年アルファ×隠れビッチな若妻オメガのラブコメです
陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
まったり書いていきます。
2024.05.14
閲覧ありがとうございます。
午後4時に更新します。
よろしくお願いします。
栞、お気に入り嬉しいです。
いつもありがとうございます。
2024.05.29
閲覧ありがとうございます。
m(_ _)m
明日のおまけで完結します。
反応ありがとうございます。
とても嬉しいです。
明後日より新作が始まります。
良かったら覗いてみてください。
(^O^)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる