35 / 42
P.35
しおりを挟むままごとみたいな数日間が過ぎ。
このまま自堕落に過ごすのもアレだって事で二人一組でバイトでも探すか~なんて話していた。高校生の時に某ハンバーガー店でやった事があるけど、週四日の勤務日を二人で分け合うから楽だし、入れ替わっていると誰にも気づかれないように作戦を練るのはゲーム感覚で楽しかった。実際バレた事も無かったし。
でも、てっちゃんは俺らに「帰れ」と命令した。
「なんで?」
「俺ら居たら邪魔?」
「リョーマが襲撃して来たらどーすんの?」
てっちゃんは『忘れてたわ』みたいな顔をしたあと眉尻を下げて笑った。
「私物送り返したけど何にも言って来ないし、関わりたくないんじゃね?」
「オトン効果か」
「役に立ったなオトン」
オトンにとっては不本意かも知れないけど、そーゆー事は昔からちょくちょくあった。俺らは双子ゆえかイジられる場面が多く、中学まではチビだからとちょっかいを掛けられたりバカにされたり不愉快になる事もままあった。
が、参観日とか運動会の後は誰一人として俺らをイジらず、寧ろ不自然なほど好意的になったりした。先輩も先生もだ。
繊細なオトンが傷つかないようその事は伏せつつ、快適な学校生活の為に行事には積極的に参加して貰ったものだけど。
「人を見た目でしか判断出来ないヤツを選り分けるのには確かに効果的かもな」
「てっちゃんは怖がった事ないよね」
「生まれた時からお隣さんだし、めっちゃ可愛がって貰ったからなあ」
てっちゃんは俺らの髪をワシワシ撫で、大事にしないとバチが当たるわって言ってくれた。俺らはそんなてっちゃんの気持ちが嬉しくて左右からぎゅーっと抱き着く。
「親も大事だけど俺らはてっちゃん見守り隊だし」
「手も足もち◯ち◯も出す癖に何が見守りだ」
「……………」
「住むとこ探しといて。担当分の目処が立ったら帰るから」
「ホントに帰って来れるの?」
「交通費削減とオフィス縮小化に向けてリモートワーク絶賛推進中だからなー。こっちに未練もないし……俺が帰れるのってお前らの居るとこだけだし」
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説
専業種夫
カタナカナタ
BL
精力旺盛な彼氏の性処理を完璧にこなす「専業種夫」。彼の徹底された性行為のおかげで、彼氏は外ではハイクラスに働き、帰宅するとまた彼を激しく犯す。そんなゲイカップルの日々のルーティーンを描く。
【完結】遍く、歪んだ花たちに。
古都まとい
BL
職場の部下 和泉周(いずみしゅう)は、はっきり言って根暗でオタクっぽい。目にかかる長い前髪に、覇気のない視線を隠す黒縁眼鏡。仕事ぶりは可もなく不可もなく。そう、凡人の中の凡人である。
和泉の直属の上司である村谷(むらや)はある日、ひょんなことから繁華街のホストクラブへと連れて行かれてしまう。そこで出会ったNo.1ホスト天音(あまね)には、どこか和泉の面影があって――。
「先輩、僕のこと何も知っちゃいないくせに」
No.1ホスト部下×堅物上司の現代BL。
肌が白くて女の子みたいに綺麗な先輩。本当におしっこするのか気になり過ぎて…?
こじらせた処女
BL
槍本シュン(やりもとしゅん)の所属している部活、機器操作部は2つ上の先輩、白井瑞稀(しらいみずき)しか居ない。
自分より身長の高い大男のはずなのに、足の先まで綺麗な先輩。彼が近くに来ると、何故か落ち着かない槍本は、これが何なのか分からないでいた。
ある日の冬、大雪で帰れなくなった槍本は、一人暮らしをしている白井の家に泊まることになる。帰り道、おしっこしたいと呟く白井に、本当にトイレするのかと何故か疑問に思ってしまい…?
陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
まったり書いていきます。
2024.05.14
閲覧ありがとうございます。
午後4時に更新します。
よろしくお願いします。
栞、お気に入り嬉しいです。
いつもありがとうございます。
2024.05.29
閲覧ありがとうございます。
m(_ _)m
明日のおまけで完結します。
反応ありがとうございます。
とても嬉しいです。
明後日より新作が始まります。
良かったら覗いてみてください。
(^O^)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる