14 / 42
P.14
しおりを挟む体が跳ね上がって振り向くと、いつの間にか勝手口から双子のどっちかが入り込んで俺の手元を覗き込んでいた。
「ななな何だお前っ……!」
「冷蔵庫、ビールと梅酒しかなかったからウチのおかず詰めてきた。見て見てお重だよ~~」
「ってかどっちだお前っ!」
「どっちでもいいでしょ♡」
「どっちでもいいってなんだ!」
単品だと見分けがつかなくても、リクなのかソラなのかは明確にして貰いたい。そもそもニコイチのこいつらでないとどうも落ち着かん。
「一の重は唐揚げ!てっちゃん好きでしょ?」
「にっ……ニの重は」
「煮物と練り物、あと野菜食べないとねー。それと巨峰買ってきた!」
白い紙に包まれた巨峰一房を差し出された途端に腹が鳴った。結構な音量で鳴った。リクかソラのどっちかはニコニコと俺を食卓に着かせ、お重を広げて斜向かいの椅子に腰掛けた。
「あ、てっちゃんビールは?」
「飲まん」
「じゃあご飯?昼間に炊いたの残ってるよね」
「欲しくなったら自分で注ぐ」
「オカンの唐揚げ濃いから、すぐに白飯欲しくなるよ」
今座ったところなのにまた立ち上がり、勝手知ったる様子で食器棚を開ける背中。大きくなった背中。フォルムと言いサイズ感と言い、なんでそんなにも俺好みなんだ。お前がリクかソラじゃなく割り切り相手だったら、唐揚げ放り出して今すぐ布団に押し倒してやりたい。
………あ~~~~~虚しい。
「で……お前どっちよ」
「何でも好きに呼んでよ、ポチでもジョンでもタマでも」
「何を企んどる何を」
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説
専業種夫
カタナカナタ
BL
精力旺盛な彼氏の性処理を完璧にこなす「専業種夫」。彼の徹底された性行為のおかげで、彼氏は外ではハイクラスに働き、帰宅するとまた彼を激しく犯す。そんなゲイカップルの日々のルーティーンを描く。
正体不明のお兄さんに気に入られて淫紋まで付けられて所有物にされる話
辻河
BL
・ひょんなことから出会った謎のお兄さんに突然襲われて、触手を使って開発され、挙句の果てに淫紋を付けられて快楽堕ちする大学生の話
・たぶん人ではない執着攻め×攻めに気に入られて捕まえられた可哀想な受け
※♡喘ぎ、濁点喘ぎ、触手責め、尿道責め、淫紋などの表現が含まれています。
【完結】遍く、歪んだ花たちに。
古都まとい
BL
職場の部下 和泉周(いずみしゅう)は、はっきり言って根暗でオタクっぽい。目にかかる長い前髪に、覇気のない視線を隠す黒縁眼鏡。仕事ぶりは可もなく不可もなく。そう、凡人の中の凡人である。
和泉の直属の上司である村谷(むらや)はある日、ひょんなことから繁華街のホストクラブへと連れて行かれてしまう。そこで出会ったNo.1ホスト天音(あまね)には、どこか和泉の面影があって――。
「先輩、僕のこと何も知っちゃいないくせに」
No.1ホスト部下×堅物上司の現代BL。
肌が白くて女の子みたいに綺麗な先輩。本当におしっこするのか気になり過ぎて…?
こじらせた処女
BL
槍本シュン(やりもとしゅん)の所属している部活、機器操作部は2つ上の先輩、白井瑞稀(しらいみずき)しか居ない。
自分より身長の高い大男のはずなのに、足の先まで綺麗な先輩。彼が近くに来ると、何故か落ち着かない槍本は、これが何なのか分からないでいた。
ある日の冬、大雪で帰れなくなった槍本は、一人暮らしをしている白井の家に泊まることになる。帰り道、おしっこしたいと呟く白井に、本当にトイレするのかと何故か疑問に思ってしまい…?
陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
まったり書いていきます。
2024.05.14
閲覧ありがとうございます。
午後4時に更新します。
よろしくお願いします。
栞、お気に入り嬉しいです。
いつもありがとうございます。
2024.05.29
閲覧ありがとうございます。
m(_ _)m
明日のおまけで完結します。
反応ありがとうございます。
とても嬉しいです。
明後日より新作が始まります。
良かったら覗いてみてください。
(^O^)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる