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第7章『本土決戦』

第2話 一刀両断

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 「大変、お待たせ致しました。 つたない素人料理で恐縮ですが、お楽しみ頂ければ幸いです」 

 …いよいよ、真打ち登場!

 左腕にトーションをかけた鷹音ようおんさんがキッチンからお出ましになり、頭を下げた。

 そんなそんな! どうかこうべをお上げ下され!

 あの鷹音ようおんさんが、俺を覗き込み、オーバーにかしこまって…

 「お客様・・・、いかが致しましょう? 2つとも開いちゃいますか?」

 …と、メイドさんよろしくおっしゃった。

 「是非、お願い致します。 あ~! その前に、動画撮影させて頂いて良いですか?」

 「恥ずかしいですが、どうぞ…」 …と、鷹音ようおんさんの恥じらいフェイスが炸裂!

 出たぁ~~! 伝家の宝刀! エクスカリバー! 戦艦大和の九四式46サンチ三連装主砲! …あとは…印籠…?

 この表情にあがらえる男性が存在するだろうか? いや、居る訳がない。それは、明々白々だ!


 「オープン」の掛け声で、鷹音ようおんさんと落合さんが、同時に『開封』してくれた。 …羽毛布団のようなフワッフワの半熟卵がバターライスを優しく包み込み、あったかい湯気が、ほわぁ…と、2本立ち昇った

 美観、壮観! …眼福とは、まさにこの事。

 長瀬分隊のオムライスは、藤岡さんが器用に開き、デミグラスソースをかけ、生ミルクを加えた。


 次は、ユイの番だ。 …さっきの動画は近すぎて、お料理しか撮れなかったので、俺は慌てて立ち上がり、鷹音ようおんさんの全身が撮影出来るポイントに移動した。 鷹音ようおんさんと落合さんが、素敵なスマイルを俺のスマホに贈ってくれた。

 ユイは、目をキラキラさせてオムライスを見つめている。

 あのユイが、待ちきれない気持ちを自制して、スプーンを手に、ちゃんと『オープン』を待っていた。 食事マナーのしつけは、俺の教育が奏功したようだ。 …横柄な態度は一向に矯正出来ないが。

 全員揃って、いただきます!

 オムライスも、オニオングラタンスープも、超一流シェフ以上だ。…きっと。

 サラダも見慣れない野菜がお皿に盛られ、まるで

 ………野菜の宝石箱だ ←語彙(泣)



 夢のような時間は『矢』どころかファイブGのごとく過ぎ、次は我々、オジカ関東方面混成部隊が、お皿を洗う番だ。

 …あ、ユイは良いよ! テレビでも観てて。

 実は、以前ユイにお皿洗いを手伝わせた時、その圧倒的破壊力ジャガーノートにより、全ての食器が、文字通り『玉砕』した。

 以来、我が家は紙皿を使用している。



 お皿洗いが済み、鷹音ようおんさんが、海外旅行のお土産を配ってくれた。

 男性陣は素敵なネクタイ。 女性陣には…ス、スワロ…ス?フ?だか何だか、キラキラした、宝玉が散りばめられた、綺麗なアクセサリー。 

 ユイには有名な、何とか?と言う、何処どこかの国の、兵士の格好をした、可愛いぬいぐるみを買ってきてくれた。

 ユイは、初め戸惑っていたが、抱き心地が良かったのか、抱いたまま、鷹音ようおんさんの膝で寝てしまった。

 …それを眺める鷹音ようおんさんの『温かい目』は、慈愛に満ちている。 

 …俺はその時

 まさに、これこそが、情報参謀が言っていた、『強大マイティ要因ファクター』…愛だ。

 …と、あの、議事堂での軍議を思い出していた。
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