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灼熱の太陽 編

第38話 旅

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ミーン ミーン

サンサンと照りつける太陽、歪んで見える景色たぶん蜃気楼ってやつなのかな?汗が止まらない.......そう季節は夏!八月です!

「だから....暑い!!!」

「暑いよぉ~~」

俺達はオリオンの街から離れ「ある場所」に向かっていた。

「サファイア.....あとどのくらいですか?」

「もうすぐですよ、あ、あの山ですね」

サファイアが指を差した場所は大きな山.....いや遠いな......。
どうしてこうなったのだろうか。









7月28日 オリオンの街 ジェネシスのギルド

「3人共集まってください。」

俺達はサファイアに呼ばれてリビングに集められた。

「どうしたのスララ?」

「3人が持っている「ギガモンスターのカード」を調べたいと思いましてね。ちょっと貸していただけませんか?」


ギガモンスターのカード
このカードは普通のカードとは違い特別なカードだ。これを使えばそのモンスターに関係する能力を戦闘時に使う事ができる。少しだけ例外があるけど............。

「うん分かった。」

俺達3人は腰に付けているホルダーからカードを取り出す。

「俺は5枚........。」

流星祭が終わった後もモンスターとの戦闘はあったその間にも少しだけなら手に入れられたのだ。

カードの種類は「妖刀」「鏡」「ドリル」「フック」そして俺と一番相性いいモンスター「ディルバマッハー」だ。

「ディルバを使ってる時だけは他のカードを使ってる時とはなんか違うんだよな.......熱いっていうか何というか.....。」

「次は私ね!私が持ってるのは3枚!えーーっと「アロー」「ガトリング」「バズーカ」かな?」

サナさんはサファイアにカードを手渡した。

「僕も3枚です、「鎌」「ハンマー」「シールド」の3つです。」

意外と2人も持っていた。いつのまに集めていたのだろうか?


「という事でよろしくねサファイア!」

俺達は彼女に全てのカードを手渡した。

「はい、分かりました。」

そう言うとサファイアはリビングの壁に触れる。すると壁に隙間が生まれ壁がドアのように移動する。

3人「え!?!」


プシューー

壁が開くと中から機械が出現しその中にサファイアはカードを収納していく。このギルドってこんなのがあったのか.......。

「これでカードを解析ができます、協力ありがとうございます。あと.......。」

「あと?」

「8月になりましたら...旅に行きませんか?」

「旅?」

「いいねー!旅行!」

サナさんが食いつく、目をキラキラと輝かせていた。




「どうして急に?」

「実はイデアから連絡がありまして......ある場所に向かって欲しいと言うことです。」

「ある場所?」

俺の質問に答えるようにサファイアは再び壁に触れる。

ガチャン

壁の一部が回転し画面が出現した。これもあったのか..........。
画面から映像が映し出される。この世界の地図のようだ。大きな大陸が3つ.....あと小さな大陸がいくつか。

「ここをこうっと.......。」

サファイアはタッチペンを使って地図を拡大し続ける。

「あれは......俺達の街。」

「はい、そして私達が目指す場所はここ.....。」

地図を移動させて目的地らしい場所が分かった。かなり遠い場所に大きな山がある。その麓には霧で隠れた森.......。

「この山の麓の森に私は用があります。」

「かなり遠いですね......。」

「ですよね.........。」

「でも旅行なんて楽そうだよ!行こうよ!」

サナさんが明るくそう言った.......まるで修学旅行や遠足を楽しみにしている子供のようだ。

「サナ.......。」

サファイアは優しく微笑む。

「よし!そう決まれば準備をしよう!」

「はぁーしょうがないですね。分かりました準備をします。」

「みんな....ありがとうございます!」







と言う事で俺達はあの山の麓の森を目指して旅をしていた。遠いと言っても馬車に乗せてもらったりとかして2日くらいかな。

一回だけデュリオニックマッハーで3人担いで走るっていう作戦考えてみたけど全員に反対されたのを覚えている。

「ねぇリオくん.....お土産って売ってるかな?」

「売ってますよきっと!」

「だよね!」

メガネくん(なんか全然関係ない会話してる.......。)

サファイア(なんか全然関係ない会話してますね。)





10分後

「そろそろあの山の麓に行く理由を話した方がいいですかね?」

「うん、気になる。」

先行していたサファイアが歩きながら語り始める。

「文明が滅びる前に人類が作った人工知能の話を覚えていますか?」

「うん!そのうちの一つが「イデア」っていうスララを作ってくれた人工知能だよね!」

オリオンの街の地下にある人工知能「イデア」
俺達をここまでこれたのも彼?彼女?のおかげだ。

「命を守る為に作られた「イデア」そしてラグル族を葬る為に作られた「もう1つのAI」.......。」

「暴走しちゃった方だね。」

「そう、彼の名前は「ジャッジメント」審判を下す者........。今から彼に会いに行きます。」

3人「え?.......ええぇぇぇぇえ!!」

俺達は驚愕した。楽しい旅行が待っていると思っていたのにまさか暴走して文明を完全に滅したAIに会いに行くだなんて思っていなかったからだ。

「だっ大丈夫なのそれ!?」

「彼も元は人類を守る為に作られた存在......きっと暴走した理由が何かあるはず。イデアはそう考えたのでしょう。」

「あの山の麓に............。」

「えぇ、彼は今あそこに住んでいるらしいです。さぁ今日中には着きたいので先を急ぎましょう。」

サファイアは走り出す。

「ちょっと待ってよぉースララ!」

俺達はサファイアを追った。






カー!カー!

日が暮れる.......空はオレンジ色に染まっていた。俺達は森の前まで来ていた。まさか本当に着くとは思っていなかった。カラスが空を飛んでいる。

「私....カラス苦手....。」

サナさんがプルプルと震えている。本当に苦手らしい。

「それじゃ進みましょう.....この森ははぐれたら......」

スタスタ

サファイアは途中で喋るのをやめ森の中へと入ってしまう。

「サファイア!?はぐれたらどうなるのー!ねぇ!ねぇ!」

「想像にお任せします.........。」

「怖い!」


でも前へと進むしかないらしい。サファイアについて行く。森は進めば進むほど暗くなっていった。

「シャイン!」

シャイン!

サファイアが魔法を唱えると光の玉が現れる。この光の玉で暗闇の中でも進む事ができた。

「なんか怖いよ.......ザワザワ言ってるし......」

ガサガサ

「ヒッ!!」

「大丈夫ですってきっと風の音ですよ。」

「本当?」

「違うよー」

「ほら違うって.........え?」





今....誰が違うと言ったんだ。4人の声に当てはまらないほどの幼い声、3人の顔がどんどん青ざめていく。

「ねぇ!サファイア今日は戻ろう!」

「そうだよ!明日でもいいんじゃない?」

「何を言ってるんですか?あともう少しですから........。」

3人(君のあともう少しはあまり信用できない!)


そう思うとだんだん全てが怖くなってきた。あの木の影も幽霊に見えてくる。誰かがこちらを睨んでいる。

「あははは.....そうだデュリオニックマッハーでこの森を全て焼き払えば......」

「リオくん!?しっかりして!」

「リオ先輩!それはまずいですって!」

2人が必死に俺を止めようとする。


ガサガサガサガサ!!!!

3人「ぎゃー!」

誰かがこっちに向かってきている音がする。

???「森の精霊よ我に力を.......スリープ!」

誰かがスリープを唱える.....なんだか眠く.......。
その場で俺達は倒れてしまった。

「さっ3人共!しっかりしてください!」










「......きなさい!....きなさい!」

「起きなさい!」

「ハッ!!」

俺は目を覚ます....周りを見渡すとそこは全く知らない屋敷の中だった。俺達は腕と脚を拘束されている。良かった2人共いる.........。

「あれ?サファイアは?」

「誰が喋っていいと言った?」

「え?」

前を向くと金髪の長い髪の女性がこちらを睨んでいる。耳が普通の人とは違ってなんか尖っている。まさか......もしかして?

「この「エルフの森」に侵入するとは....どうやら貴様らは愚か者のようだな..........。」

やっぱりエルフ!!















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