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第24話「剣・真・発・動」
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蜂の怪人は背中から生えた羽を動かし空を飛んだ状態で腕から針を何本も飛ばす。ユキタカが変身した剣真は刀を構えて飛んでくる針を次々と真っ二つに切っていった。真っ二つに切られた針が濡れた道路に落ちていく様子を見て蜂の怪人は少し動揺した表情を見せた。
「何!?」
「切った!??!」
「さっすがユキタカさん!!いや......剣真!」
剣真はドライバーに装填された青いメモリカセットを抜き取り刀に装填する。装填すると同時に黒い刀身の内部が剣先に向かって順に青い光を纏っていく。それを見て蜂の怪人は危険を察知したのかさらに上空へと飛んでいった。
「逃すか!」
剣真は真っ直ぐ立った姿から右足を前に出し勢いよく刀を振りかぶる。振りかぶると同時に刀身から青い斬撃が飛び、次の瞬間に蜂の怪人に勢いよくぶつかった。
ズバァァァァァ!!!!
「速い!うっ.....あぁあぁ!!!」
ドガァァアァァァン!!!!
剣心!一心斬り!!
ドガッ!!
空中で爆発を起こし蜂の怪人は煙を上げながら地上へ落下していった。その時ユイア達が耳につけた通信機から別の場所にいる隊員から通信が入った。
「新宿駅にて逃げ遅れた一般人を4名発見!避難場所まで連れていきたいが新宿駅付近に黒い怪人が十数体包囲している!応援を頼む!」
「アカネ!行こう!」
「おう!」
「行くな!!」
新宿駅に応援に向かおうとするアカネとユイアを剣真は引き止める。剣真に変身するユキタカはなぜ自分が「行くな」と言ってしまったのか分からなかった。考えるよりも先に言葉が口から出てしまった。1年前のあの時と同じ状況、また部下を失う事をユキタカはまだ恐れている。
「なんでだよ!」
「あ........いやしかし...」
「ユキタカさん!!」
「!」
「私達を信じてください。絶対に救けて戻ってきます。」
ユイアは真っ直ぐな目で剣真を見つめた。その瞳は先ほどの怒りに満ち暗く濁ったものではなくいつものピンク色の輝いた目だった。ユキタカは少し俯いて考えた後、ユイアを見つめた。
「信じるぞ、日代。」
「はい!」
ユイアはニカッと笑うとユキタカに何かを手渡し、隣に立つアカネの背中をポンポンと叩いて新宿駅に向かって走り出した。ユキタカはその背中を見送ると道路に倒れた蜂の怪人の方を向いた。
「いいんですか?行かせてしまって......またあの時のようになりま」
「ならない、俺は日代達を信じている。アイツらなら全員を救って戻ってくる。」
「ふっ......何を根拠に?」
「日代は......俺の弟子だからだ。」
「弟子?はぁそうですか。奇遇ですね、私も弟子ではありませんが「子供達」がいます。」
「子供達?」
「今です!!!」
蜂の怪人の合図のともに路地裏に隠れていた小さい蜂の大群が大通りに飛んできて建物よりも大きい黒い塊を作り出す。剣真の視界を塞ぐと道路に倒れた蜂の怪人を運び出した。
「ぐっ!なんだこれは!」
「子供達と言っても私の分身のようなものなのですがね.......さぁ!新宿駅を襲いに行きましょう!」
「行かせてたまるか!!」
剣真は刀を何度も振り下ろし、青い斬撃を次々と飛ばしていく。斬撃は小さい蜂達をどんどんと倒していくが数が多く止める事ができない。本体の蜂の怪人への攻撃を試みるが小さな蜂達が密集し壁となって攻撃が当たらない。
「クッ!!」
「無駄ですよ。貴方の剣は私には届かない。」
そう言って蜂の怪人は小さな蜂達を使って攻撃をする。小さな蜂達は剣真に向かって弾丸のようなスピードで突っ込んでいき剣真のアーマーに傷をつけていく。剣真は脚を集中的に攻撃され膝をつくがすぐに立ち上がった。
「立ち上がりますか。そのまま倒れていればいいのに。」
「ハァ......ハァ.......俺は、諦めない。変わるんだ......俺はッ!!」
剣真はそう叫ぶとユイアから渡された物を取り出した。
「それは.....メモリカセット?」
「借りるぞ日代!」
剣真はドライバーのレバーをスライドさせユイアから渡された赤いメモリカセットをドライバーに装填した。装填すると同時にドライバーの中央にあるタービンが勢いよく回転し風を巻き起こす。
武装発動!!
装着!抜刀!一戦!武装!鷹の熱風!!!
「ハァァァァァァアア!!ハァッ!!」
剣真の背中に赤い鷹の翼のアーマーが装着されその翼を広げて上空へ飛び上がる。蜂の怪人は小さな蜂達で同じように攻撃をするが剣真は翼に炎を纏わせ近づいてきた小さな蜂達を焼き払っていく。
「子供達!!」
「まだだ!」
剣真はドライバーから赤いメモリカセットを抜き取りレバーをスライドさせて水色のメモリカセットをドライバーに装填する。
武装発動!!
装着!抜刀!一戦!武装!荒波の牙!!!
剣真の両腕にサメのような鋭いヒレの形状をしたアーマーが装着される。剣真は両腕を動かして降り注ぐ雨を一つの場所に集めていく。数十秒後には直径数十メートルの大きさの水の塊が街の上空に浮かんでいた。
「なんだこれは......まさか!」
上空に集まった大きな水の塊は移動を始めて蜂の怪人や小さな蜂達を次々と水の中へと閉じ込めていく。小さな蜂達は逃げようと羽や手を動かそうとするが逃げ出すことはできず、ただもがき苦しんで動かなくなっていった。
(まずい!この水の中では子供達が!)
剣真はドライバーから水色のメモリカセットを抜き取り、刀に装填されてた自身の青いメモリカセットと入れ替えた。剣真の刀の刀身は水を纏い始める。
荒波の牙!一心斬り!!!
刀を振ると同時に激しい水の斬撃が大きな水の塊に向かって飛んでいく。大きな水の塊は水の斬撃が衝突すると同時に真っ二つに割れ、道路に向かって形を崩しながら滝のように流れて落ちていった。その際に小さな蜂達は次々と消滅していき蜂の怪人だけが道路に残った。
「ハァ......ハァ.....」
剣真は背中から生えた翼を使ってゆっくりと道路に着地する。着地した同時に鷹とサメのアーマーは分子になって消えた。剣真は刀を道路に突き刺し、腰に巻き付けたドライバーのレバーをスライドさせて青いメモリカセットを抜き取る。
必殺待機!
抜き取ったと同時に待機音声が鳴り始め、剣真の右脚が青い風のオーラを纏っていく。
「これで止めだ!」
剣真は再び青いメモリカセットを装填し蜂の怪人に向かって走り出した。数メートルほど飛び上がると蹴りの構えをとる。蜂の怪人は残った力を振り絞り剣真に針を飛ばすが青い風を纏った剣真に全て弾かれ道路へと落ちていく。
「あり得ない!!こんなところで終わるなんて......嫌!!キラー様ァァァァァアア!!!」
「ハァァアァァァァァァア!!!!!」
必殺発動!剣心!一心撃!!!
ドガァァァァァァァァァァアン!!!!!
激しい爆発が巻き起こり煙の中から抜け出した剣真はすぐに茶色の長い髪の女性を救出した。彼女は蜂のメモリスに身体と意識を乗っ取られメモリスターになってしまった一般人女性だ。息はあるが気絶をしている。
「後は任せたぞ......グッ!!」
剣真のドライバーがビリビリと電気を放出し始めた。青いメモリカセットが飛び出て道路にポチャンと音を立てて落ちていった。剣真のアーマーが分子となって消え、傷だらけのユキタカはなんとか立っている状態だ。
「ハァ......ハァ......1年間使っていなかったからか......これはメンテナンスが必要だな。こちら高嶺、メモリスターになっていた一般人を1人救助した救援を頼む。」
ユキタカは一般人の女性を抱き上げるとこれ以上雨に濡れるのを避けるため、飲食店の屋根の下に入った。自身の濡れた髪からポタポタと雫が落ちる。見上げると先ほどよりも雲が厚く暗くなったように感じた。左腕につけた時計の短針は5を指していた。もうすぐ夜が来る。
ザーーーーーーーーーーーー
ユキタカは立ったままうつむいていた。道にできた大きな水溜まりに次々と雨粒が落ちていく。ただ水たまりの波紋を見つめていた。同期と共に過ごした数年間を走馬灯のように思い出し、同期を1人失ってしまった事を改めて実感する時間だった。ユキタカの瞳から雫が伝って落ちていく。救援が来るまでの数分間はユキタカにとって果てしなく長いものだった。
「何!?」
「切った!??!」
「さっすがユキタカさん!!いや......剣真!」
剣真はドライバーに装填された青いメモリカセットを抜き取り刀に装填する。装填すると同時に黒い刀身の内部が剣先に向かって順に青い光を纏っていく。それを見て蜂の怪人は危険を察知したのかさらに上空へと飛んでいった。
「逃すか!」
剣真は真っ直ぐ立った姿から右足を前に出し勢いよく刀を振りかぶる。振りかぶると同時に刀身から青い斬撃が飛び、次の瞬間に蜂の怪人に勢いよくぶつかった。
ズバァァァァァ!!!!
「速い!うっ.....あぁあぁ!!!」
ドガァァアァァァン!!!!
剣心!一心斬り!!
ドガッ!!
空中で爆発を起こし蜂の怪人は煙を上げながら地上へ落下していった。その時ユイア達が耳につけた通信機から別の場所にいる隊員から通信が入った。
「新宿駅にて逃げ遅れた一般人を4名発見!避難場所まで連れていきたいが新宿駅付近に黒い怪人が十数体包囲している!応援を頼む!」
「アカネ!行こう!」
「おう!」
「行くな!!」
新宿駅に応援に向かおうとするアカネとユイアを剣真は引き止める。剣真に変身するユキタカはなぜ自分が「行くな」と言ってしまったのか分からなかった。考えるよりも先に言葉が口から出てしまった。1年前のあの時と同じ状況、また部下を失う事をユキタカはまだ恐れている。
「なんでだよ!」
「あ........いやしかし...」
「ユキタカさん!!」
「!」
「私達を信じてください。絶対に救けて戻ってきます。」
ユイアは真っ直ぐな目で剣真を見つめた。その瞳は先ほどの怒りに満ち暗く濁ったものではなくいつものピンク色の輝いた目だった。ユキタカは少し俯いて考えた後、ユイアを見つめた。
「信じるぞ、日代。」
「はい!」
ユイアはニカッと笑うとユキタカに何かを手渡し、隣に立つアカネの背中をポンポンと叩いて新宿駅に向かって走り出した。ユキタカはその背中を見送ると道路に倒れた蜂の怪人の方を向いた。
「いいんですか?行かせてしまって......またあの時のようになりま」
「ならない、俺は日代達を信じている。アイツらなら全員を救って戻ってくる。」
「ふっ......何を根拠に?」
「日代は......俺の弟子だからだ。」
「弟子?はぁそうですか。奇遇ですね、私も弟子ではありませんが「子供達」がいます。」
「子供達?」
「今です!!!」
蜂の怪人の合図のともに路地裏に隠れていた小さい蜂の大群が大通りに飛んできて建物よりも大きい黒い塊を作り出す。剣真の視界を塞ぐと道路に倒れた蜂の怪人を運び出した。
「ぐっ!なんだこれは!」
「子供達と言っても私の分身のようなものなのですがね.......さぁ!新宿駅を襲いに行きましょう!」
「行かせてたまるか!!」
剣真は刀を何度も振り下ろし、青い斬撃を次々と飛ばしていく。斬撃は小さい蜂達をどんどんと倒していくが数が多く止める事ができない。本体の蜂の怪人への攻撃を試みるが小さな蜂達が密集し壁となって攻撃が当たらない。
「クッ!!」
「無駄ですよ。貴方の剣は私には届かない。」
そう言って蜂の怪人は小さな蜂達を使って攻撃をする。小さな蜂達は剣真に向かって弾丸のようなスピードで突っ込んでいき剣真のアーマーに傷をつけていく。剣真は脚を集中的に攻撃され膝をつくがすぐに立ち上がった。
「立ち上がりますか。そのまま倒れていればいいのに。」
「ハァ......ハァ.......俺は、諦めない。変わるんだ......俺はッ!!」
剣真はそう叫ぶとユイアから渡された物を取り出した。
「それは.....メモリカセット?」
「借りるぞ日代!」
剣真はドライバーのレバーをスライドさせユイアから渡された赤いメモリカセットをドライバーに装填した。装填すると同時にドライバーの中央にあるタービンが勢いよく回転し風を巻き起こす。
武装発動!!
装着!抜刀!一戦!武装!鷹の熱風!!!
「ハァァァァァァアア!!ハァッ!!」
剣真の背中に赤い鷹の翼のアーマーが装着されその翼を広げて上空へ飛び上がる。蜂の怪人は小さな蜂達で同じように攻撃をするが剣真は翼に炎を纏わせ近づいてきた小さな蜂達を焼き払っていく。
「子供達!!」
「まだだ!」
剣真はドライバーから赤いメモリカセットを抜き取りレバーをスライドさせて水色のメモリカセットをドライバーに装填する。
武装発動!!
装着!抜刀!一戦!武装!荒波の牙!!!
剣真の両腕にサメのような鋭いヒレの形状をしたアーマーが装着される。剣真は両腕を動かして降り注ぐ雨を一つの場所に集めていく。数十秒後には直径数十メートルの大きさの水の塊が街の上空に浮かんでいた。
「なんだこれは......まさか!」
上空に集まった大きな水の塊は移動を始めて蜂の怪人や小さな蜂達を次々と水の中へと閉じ込めていく。小さな蜂達は逃げようと羽や手を動かそうとするが逃げ出すことはできず、ただもがき苦しんで動かなくなっていった。
(まずい!この水の中では子供達が!)
剣真はドライバーから水色のメモリカセットを抜き取り、刀に装填されてた自身の青いメモリカセットと入れ替えた。剣真の刀の刀身は水を纏い始める。
荒波の牙!一心斬り!!!
刀を振ると同時に激しい水の斬撃が大きな水の塊に向かって飛んでいく。大きな水の塊は水の斬撃が衝突すると同時に真っ二つに割れ、道路に向かって形を崩しながら滝のように流れて落ちていった。その際に小さな蜂達は次々と消滅していき蜂の怪人だけが道路に残った。
「ハァ......ハァ.....」
剣真は背中から生えた翼を使ってゆっくりと道路に着地する。着地した同時に鷹とサメのアーマーは分子になって消えた。剣真は刀を道路に突き刺し、腰に巻き付けたドライバーのレバーをスライドさせて青いメモリカセットを抜き取る。
必殺待機!
抜き取ったと同時に待機音声が鳴り始め、剣真の右脚が青い風のオーラを纏っていく。
「これで止めだ!」
剣真は再び青いメモリカセットを装填し蜂の怪人に向かって走り出した。数メートルほど飛び上がると蹴りの構えをとる。蜂の怪人は残った力を振り絞り剣真に針を飛ばすが青い風を纏った剣真に全て弾かれ道路へと落ちていく。
「あり得ない!!こんなところで終わるなんて......嫌!!キラー様ァァァァァアア!!!」
「ハァァアァァァァァァア!!!!!」
必殺発動!剣心!一心撃!!!
ドガァァァァァァァァァァアン!!!!!
激しい爆発が巻き起こり煙の中から抜け出した剣真はすぐに茶色の長い髪の女性を救出した。彼女は蜂のメモリスに身体と意識を乗っ取られメモリスターになってしまった一般人女性だ。息はあるが気絶をしている。
「後は任せたぞ......グッ!!」
剣真のドライバーがビリビリと電気を放出し始めた。青いメモリカセットが飛び出て道路にポチャンと音を立てて落ちていった。剣真のアーマーが分子となって消え、傷だらけのユキタカはなんとか立っている状態だ。
「ハァ......ハァ......1年間使っていなかったからか......これはメンテナンスが必要だな。こちら高嶺、メモリスターになっていた一般人を1人救助した救援を頼む。」
ユキタカは一般人の女性を抱き上げるとこれ以上雨に濡れるのを避けるため、飲食店の屋根の下に入った。自身の濡れた髪からポタポタと雫が落ちる。見上げると先ほどよりも雲が厚く暗くなったように感じた。左腕につけた時計の短針は5を指していた。もうすぐ夜が来る。
ザーーーーーーーーーーーー
ユキタカは立ったままうつむいていた。道にできた大きな水溜まりに次々と雨粒が落ちていく。ただ水たまりの波紋を見つめていた。同期と共に過ごした数年間を走馬灯のように思い出し、同期を1人失ってしまった事を改めて実感する時間だった。ユキタカの瞳から雫が伝って落ちていく。救援が来るまでの数分間はユキタカにとって果てしなく長いものだった。
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