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第308話 言われると照れる

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「おふぁようございます」
ホテルの最上階にあるレストランで愛翔が眠気に目を擦りながら麗奈と理沙に挨拶をしている。その両側で桜と楓も眠そうにしながら愛翔の腕にだきついていた。
「あらあら、眠そうね。今日は街を観光するんでしょ。大丈夫?」
「はい、まあ若いですから」
心配そうな麗奈に愛翔が大丈夫と答る。
「その様子だとゆうべはお楽しみだったようね」
理沙がクスクスと笑いながら揶揄う。頬を染め目を泳がせる3人に
「そうよね。若いものね。この様子だと私たちがおばあちゃんになる日も近そうね」
「それより、朝食にしましょう。ここのビュッフェは美味いって評判ですよ」
麗奈の追撃に何も言えず、愛翔が話題をすり替えた。麗奈も理沙もそこはそれ以上追求しないでテーブルに向かう。
「で、どうだったの?」
いや、落ち着いて追及することにしただけだったようだ。
「どうって……」
愛翔は、はぐらかそうとする。
「もう、あなたたち数か月ぶりにあったんじゃないの。一生を共にするって言った恋人?もういっそ夫婦でしょうに。飛行機の中でもあんな雰囲気になるなら、人の目を気にする必要のないホテルでは、もっとじゃないの?」
「もう、お母さん。娘夫婦の夜の生活をそんな風に聞かないでよ。お願い。さすがに私達でも恥ずかしいわよ」
麗奈の突っ込みに愛翔がタジタジになっているところへ楓が待ったを掛けてきた。
「もう、初孫はまだかなって楽しみにしてるのに」
「今のはそうじゃないでしょ。もう、愛翔さっさと朝ごはん済ませて遊びに行きましょ。今日はダウンタウンと宇宙センターを回るのよね」
「桜。桜は話してくれるわよね」
ここに来て理沙も追撃に参加してきた。あまりの圧に愛翔たち3人は食事もそこそこに部屋に逃げ帰った。
「はあ、麗奈さんも理沙さんも、悪気はないのは分かるんだけど。困るなあ」
「ねえ、愛翔。その、そんなにイヤだった?」
桜が不安そうに口を開き、楓も落ち込み気味な顔に愛翔も”そんなんじゃないよ”と頭をポンポンと撫でながらつづける。
「麗奈さんも理沙さんも俺たちが仲良くしてるのを認めてくれてる。それは分かるんだよ。それに俺も桜と楓と2人を奥さんにして一生一緒に生きていくって決めたよ。でもさ、端からああいったことを言われるとそれは恥ずかしいって言うか照れくさいじゃないか」
ホッとした桜が愛翔の胸に顔を埋め、楓が甘えて頬にキスをしてくる。
「さ、今日はダウンタウン観光楽しもうな」
そんな2人を愛翔はギュッとやさしく抱きしめた。
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