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第266話 ステラスターFC内
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愛翔が年末年始の挨拶に訪れた華押家、橘家で指輪を見つかり散々盛大に揶揄われ、それでも幸せを噛みしめ休日を過ごした3人。それでも緩めたのは大晦日元旦の2日だけだった。正月2日からは受験勉強に愛翔はトレーニングにと精力的に取り組む。そんな日々。
そしてそんな頃ステラスターFCではちょっとした騒ぎが起きていた。
「なあ、中さん。住吉とのトップチーム契約が保留になったなんて噂を聞いたんだが、どうなってんだ」
トップチームの練習日、中を目にしたアグラ・悠が掴まえ質問をぶつけていた。
「どう、と言われても。保留としか……」
「例の写真雑誌の件か?」
中は頷き
「ええ、あれが引っかかったようです」
「だけど、あんなのは今更だろう。住吉があの2人と良い仲なのは前から分かっていたことだろうが。それに住吉をチームに迎えたいというのはトップチームメンバーの総意だとしてもか」
「それとこれは別の問題ですね。住吉がトップチームで十分に名を売った後ならよかったんでしょうが、現状ではまだ、ね」
チームの戦力として愛翔をカウントしたいアグラ・悠と、現状の評判とフロントの意向で行動する中では話のベクトルが違っていた。
「契約していない以上住吉をステラスターFCにとどめておく権利はない。このままでは彼は他のチームに流出しかねないぞ」
食い下がるアグラ・悠だったが、中の返事は冷淡だ。
「現状で住吉を取り込もうとするチームがあるとは思えませんね。年少者でありながら複数の女性を侍らせるというのはスポーツ選手として外聞が悪すぎます」
アグラ・悠は、”こいつら戦力の海外流出の危機感もないのか”と怒りを込めて反論する。
「住吉が、国内で他のチームに取り込まれる可能性が低いことは理解した。だが、住吉のスキャンダルはあくまで国内のものだ、海外に出ていったら取り戻すことはほとんど不可能だぞ」
そんなアグラ・悠の反論にも中はヤレヤレという雰囲気で返す。
「確かにスキャンダルとしては国内限定でしょう。しかし住吉に海外に出るパイプがあるとは思えません。無用な心配です。では、仕事がありますので失礼します」
そう言って中はアグラ・悠の前から去って行った。
”住吉は元々アメリカでやっていたプレイヤーだぞ。それにあいつの行動力なら海外へのパイプなんか必要としないだろう”アグラ・悠はこの時点で愛翔の海外流出を既定の物として受け入れた。
そしてそんな頃ステラスターFCではちょっとした騒ぎが起きていた。
「なあ、中さん。住吉とのトップチーム契約が保留になったなんて噂を聞いたんだが、どうなってんだ」
トップチームの練習日、中を目にしたアグラ・悠が掴まえ質問をぶつけていた。
「どう、と言われても。保留としか……」
「例の写真雑誌の件か?」
中は頷き
「ええ、あれが引っかかったようです」
「だけど、あんなのは今更だろう。住吉があの2人と良い仲なのは前から分かっていたことだろうが。それに住吉をチームに迎えたいというのはトップチームメンバーの総意だとしてもか」
「それとこれは別の問題ですね。住吉がトップチームで十分に名を売った後ならよかったんでしょうが、現状ではまだ、ね」
チームの戦力として愛翔をカウントしたいアグラ・悠と、現状の評判とフロントの意向で行動する中では話のベクトルが違っていた。
「契約していない以上住吉をステラスターFCにとどめておく権利はない。このままでは彼は他のチームに流出しかねないぞ」
食い下がるアグラ・悠だったが、中の返事は冷淡だ。
「現状で住吉を取り込もうとするチームがあるとは思えませんね。年少者でありながら複数の女性を侍らせるというのはスポーツ選手として外聞が悪すぎます」
アグラ・悠は、”こいつら戦力の海外流出の危機感もないのか”と怒りを込めて反論する。
「住吉が、国内で他のチームに取り込まれる可能性が低いことは理解した。だが、住吉のスキャンダルはあくまで国内のものだ、海外に出ていったら取り戻すことはほとんど不可能だぞ」
そんなアグラ・悠の反論にも中はヤレヤレという雰囲気で返す。
「確かにスキャンダルとしては国内限定でしょう。しかし住吉に海外に出るパイプがあるとは思えません。無用な心配です。では、仕事がありますので失礼します」
そう言って中はアグラ・悠の前から去って行った。
”住吉は元々アメリカでやっていたプレイヤーだぞ。それにあいつの行動力なら海外へのパイプなんか必要としないだろう”アグラ・悠はこの時点で愛翔の海外流出を既定の物として受け入れた。
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