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第258話 悪意の園

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「くそぉ、ムカつく」
部室棟の空き部屋で男子生徒がグチグチと怨嗟の言葉を吐き出し続けている。足元にあった古いゴミ箱を蹴飛ばし、テーブルの上にあった空き缶を投げ飛ばす。
「なんでだよ。なんであいつらは当たり前に学校生活を送れるんだ。普通違うだろ。あんな写真が雑誌に載ったら否定されて非難されて爪弾きにあうものだろ。なんで学校中があいつらの味方なんだよ」
「仕方ないわ。学校内ではトップオブトップだもの。でも世間ではそうはいかないでしょ」
目を細め薄い唇を歪にゆがめた女子生徒がなだめた。そして歪んだ笑顔で続ける。
「それも、プロスポーツ選手なんて人気商売だからね」
「アハハ!確かに。噂じゃJ契約直前だったらしいけど、これでパーだろ」
さらにクククと醜く笑いながら
「そして、あの女たちも自分達の存在で自分の男が挫折するのを目の当たりにすれば、あははは」
「なあ、あの天使様と女神様をいっそやっちまわないか」
「ああ、ああ、いっそ。いやダメだ。くそ忌々しいことに校内でも校外でもガードがきつすぎる。校内では常時あのくそ忌々しい女子バスケットボール部の連中がべったり貼りついているし、校外では常に住吉が一緒に行動している。J昇格を邪魔できたとはいえ、プロで通用するフィジカルだ。なめてかかれるものじゃない。誰か1人でもつかまってみろ本人が口を割らなくても簡単に俺たちにたどり着くだろう。トカゲのしっぽにやらせるのとは違うんだからな。くそ、そういうところも忌々しいぜ」
「そういう意味ではハロウィンパーティーは、よかったわね。ちょっと金掴ませたら簡単に盗撮するって向かったからな」
「でも、住吉につかまったからデータは取れなかったんだろ」
「ああ、そういう意味では失敗だったが、あのやり方なら俺たちにまでたどれないってのが分かったからな。テストって考えれば成功だろ」
「じゃあ、なんで住吉の自宅盗撮は自分でやったんだよ。あれこそ尻尾にやらせた方がよかったんじゃないか?」
「さすがに、あれをやらせられる奴が見つからなかったんだよ。でも直接自分で撮影してないからな。バレねぇって。もうカメラも回収したしな」
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