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第178話 進路

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3学期末テスト2年生10科目総合順位
1位 住吉愛翔  967点
2位 華押桜   962点
3位 橘楓    960点

3人の間での入れ替わりこそあるものの定位置となった順位表を見つつ愛翔たち3人は3年生の順位表に目を向ける。

3学期末テスト3年生10科目総合順位
1位 丘ゆう子 972点
2位 ・・・・ 931点

「姉さん、相変わらずダントツのトップだな」
「丘先輩だけ抜けてるものね」
愛翔と桜が丘の順位を見てため息をついている。
「でも、愛翔の得点も丘先輩に近いのよね」
「そういえば結局、あたしが愛翔より上だったのは1年の間だけだったわね」
ふっと気づいたように楓も桜も愛翔の得点を再確認している。
「おいおい、桜や楓の得点だって大して変わらないじゃないか」
「その少しの違いをずっと埋めきれないでいるんじゃないの」
桜がイーっと愛翔に顔を顰めて見せる。
3人がじゃれ合っているところにクスクスと笑いながら声を掛けてくる女生徒がいた。
「相変わらず仲が良いわね」
「あ、姉さん。今回も1位おめでとう」
「愛翔君も、ここのところずっと1位じゃない。桜ちゃんも楓ちゃんも負けてないし。これなら……」
「丘先輩って1年時から1位を譲ったこと無いんですよね。すごいなぁ」
「ほんとにね。はた目からは見てるとスイスイとトップ取ってるように見えるのもなんか……。実際にはすっごい努力してるのに」
丘の友人浜崎渚(はまさき なぎさ)が横から口を挟んできた。
「まあ、本当に出来る人達は理解しているでしょ。努力しているからこその結果だって」
愛翔は、この成績は努力していて当たり前だと分かっている。当然桜や楓も
「そりゃね」
「うん、冗談では言ってもね。本気で言うのはあり得ないわね」
「で、姉さん。入試はどんな具合?」
「うん、先週私立はKO大の合格通知貰ったから、あとは来週のT大入試に集中ね。そう言えばあなた達もそろそろ志望校決めた?」
「俺は正直まだ迷ってるかな。サッカーダメだった場合のリスクヘッジなら間違いなくT大の情報なんだけど。サッカー優先で考えるならW大かKO大かなって」
「その3校なら、どこでも将来は大丈夫だし、併願も出来るから合格してから悩んでも良いと思うわよ」
愛翔が迷いつつ話すと丘としてアドバイスを口にする。
「あたしはT大の経済が第1志望かな。私大はまだ分からないかも」
「私も第1志望はT大の法学ですね。私大だと歴史的にはN大みたいですけど、今はKOかW大が良いみたいなんでそのあたりですね」
「ふーん、うまくいけばまた同じ学校ね」
丘がニコニコとつぶやいた。
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