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第132話 今はまだ
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「遅くまで引きとめてすみません」
愛翔は桜と楓をそれぞれの家に送り、遅くなったことを謝罪したのだけれど
「あらあら、わざわざ送ってきてくれたのね。てっきり泊ってくると思っていたのに」
橘家・華押家どちらでも返ってきたのは同じで、なんなら母親たちの残念そうな表情まで一緒だった。しかもどちらの母親にも
「せっかくお泊りセット持たせたのに」
とまで言われる始末。
つい桜の母親である理沙に言われた時に
「いや、さすがにいくら仲の良い幼馴染とは言っても高校生の男女が保護者のいない状況でそれはダメでしょう」
愛翔は一瞬自分の常識がおかしいのかと疑いかかったもののやはり理沙に対して反論をすることにした。
「どうしてダメなの?」
「年頃の男女が一晩をひとつ屋根の下ってのは間違いがおきたらって考えないといけないでしょう。それに間違いがおきなくても周囲からはそういう目で見られるんじゃないですか?」
「ふふ、間違い、そうね間違いは起きたらいけないわね。でも間違いじゃなければいいんじゃないのかしら?」
「な、何を言って……」
愛翔が言葉を選んでいるうちに理沙が追撃をしてくる。
「桜をもらってくれれば間違いじゃないわよ」
「お、お母さん。ちょっと待って……」
ここまでは黙ってみていた桜がつい口を挟んだ。
「桜、何よ。愛翔君となら間違いじゃなくていいんじゃないの」
「あたしは……」
桜は言いかけて目を伏せ一瞬口ごもる。それでも再び顔を上げ口を開いた。
「あたしは愛翔が好き。そういう関係になってもあたしは後悔しないし、むしろきっと嬉しい。でも今はまだダメなの」
桜の強い眼差しに今度は理沙が僅かな時間考えに沈んだ。
「そう、桜も何か思うところがあるのね。わかったわ。でもね桜自身の気持ちを大事にして欲しい。お母さんもお父さんもそう思ってるから、それは覚えておいて」
愛翔は桜と楓をそれぞれの家に送り、遅くなったことを謝罪したのだけれど
「あらあら、わざわざ送ってきてくれたのね。てっきり泊ってくると思っていたのに」
橘家・華押家どちらでも返ってきたのは同じで、なんなら母親たちの残念そうな表情まで一緒だった。しかもどちらの母親にも
「せっかくお泊りセット持たせたのに」
とまで言われる始末。
つい桜の母親である理沙に言われた時に
「いや、さすがにいくら仲の良い幼馴染とは言っても高校生の男女が保護者のいない状況でそれはダメでしょう」
愛翔は一瞬自分の常識がおかしいのかと疑いかかったもののやはり理沙に対して反論をすることにした。
「どうしてダメなの?」
「年頃の男女が一晩をひとつ屋根の下ってのは間違いがおきたらって考えないといけないでしょう。それに間違いがおきなくても周囲からはそういう目で見られるんじゃないですか?」
「ふふ、間違い、そうね間違いは起きたらいけないわね。でも間違いじゃなければいいんじゃないのかしら?」
「な、何を言って……」
愛翔が言葉を選んでいるうちに理沙が追撃をしてくる。
「桜をもらってくれれば間違いじゃないわよ」
「お、お母さん。ちょっと待って……」
ここまでは黙ってみていた桜がつい口を挟んだ。
「桜、何よ。愛翔君となら間違いじゃなくていいんじゃないの」
「あたしは……」
桜は言いかけて目を伏せ一瞬口ごもる。それでも再び顔を上げ口を開いた。
「あたしは愛翔が好き。そういう関係になってもあたしは後悔しないし、むしろきっと嬉しい。でも今はまだダメなの」
桜の強い眼差しに今度は理沙が僅かな時間考えに沈んだ。
「そう、桜も何か思うところがあるのね。わかったわ。でもね桜自身の気持ちを大事にして欲しい。お母さんもお父さんもそう思ってるから、それは覚えておいて」
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