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第120話 春の尋問
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「楓ちゃん、彼とはうまくいったの?」
軽音部の部室の隅、グループ”春”のメンバーから楓は尋問を受けていた。
「な、何のことかしら?」
「文化祭のステージ。あそこで歌ったオリジナル。あれは楓ちゃんの幼馴染、住吉君への告白だったんでしょ?」
最初に問い詰める言葉を口にしたのはドラム担当の長嶺奈菜(ながみね なな)。楓が珍しく耳まで赤く染め恥ずかしそうに俯いた。同じグループということもあり長い時間を共に過ごしているため色々と見抜かれているようだ。
「そうそう、あたしもどうしてあの歌詞なのかって思ったのよね」
ベース担当の市野紫穂(いちの しほ)が身を乗り出してきた。さらに口こそ出さないけれどワクワクした顔で眺めているのはキーボード担当の大家愛(おおや あい)だ。
そこまで言われてしまえばと楓も深呼吸をして心を落ち着け
「バレてたのね。そう、”いつまでも”は、私から愛翔への告白よ。ああでもしないとはっきりとさせられないって思ったの」
「でも、普通に告白するってのは考えなかったの?」
長嶺が疑問に思ったのだろう、口に乗せた。
「ダメだったのよ。普通に告白しても桜を煽るためってくらいにしかとってもらえなかったみたいだったから……」
そこで楓は、桜の背中を押した中学時代から剣崎との交際を止めようとした先日の出来事、そしてその中で愛翔に告白をしたもののあまり本気にしてもらえなかったように感じたことを話した。
「そか、元々が華押さんの背中を押していたから、楓ちゃんが住吉君に好きだって言っても簡単には本気にしてもらえなかったのかあ」
思わずといった感じで感想をもらす市野。
「まぁ私の告白のしかたやタイミングもよくなかったんだけどね」
そこに大家が満を持したかのように口を開いた。
「それで、住吉君からの返事はどうだったの?」
「さすがに即答はしてもらえなかったわ。むしろ即答されてたらきっと私の方ががっかりしていたと思う。それでもきちんと考えるって言ってくれたから今はそれで十分よ」
「じれったいわね。もっと積極的に……」
長嶺は、そこまで言って気づいた
「あ、楓ちゃんたちの関係で今以上に積極的にって言ったら」
そこで頬を真っ赤に染めた。
軽音部の部室の隅、グループ”春”のメンバーから楓は尋問を受けていた。
「な、何のことかしら?」
「文化祭のステージ。あそこで歌ったオリジナル。あれは楓ちゃんの幼馴染、住吉君への告白だったんでしょ?」
最初に問い詰める言葉を口にしたのはドラム担当の長嶺奈菜(ながみね なな)。楓が珍しく耳まで赤く染め恥ずかしそうに俯いた。同じグループということもあり長い時間を共に過ごしているため色々と見抜かれているようだ。
「そうそう、あたしもどうしてあの歌詞なのかって思ったのよね」
ベース担当の市野紫穂(いちの しほ)が身を乗り出してきた。さらに口こそ出さないけれどワクワクした顔で眺めているのはキーボード担当の大家愛(おおや あい)だ。
そこまで言われてしまえばと楓も深呼吸をして心を落ち着け
「バレてたのね。そう、”いつまでも”は、私から愛翔への告白よ。ああでもしないとはっきりとさせられないって思ったの」
「でも、普通に告白するってのは考えなかったの?」
長嶺が疑問に思ったのだろう、口に乗せた。
「ダメだったのよ。普通に告白しても桜を煽るためってくらいにしかとってもらえなかったみたいだったから……」
そこで楓は、桜の背中を押した中学時代から剣崎との交際を止めようとした先日の出来事、そしてその中で愛翔に告白をしたもののあまり本気にしてもらえなかったように感じたことを話した。
「そか、元々が華押さんの背中を押していたから、楓ちゃんが住吉君に好きだって言っても簡単には本気にしてもらえなかったのかあ」
思わずといった感じで感想をもらす市野。
「まぁ私の告白のしかたやタイミングもよくなかったんだけどね」
そこに大家が満を持したかのように口を開いた。
「それで、住吉君からの返事はどうだったの?」
「さすがに即答はしてもらえなかったわ。むしろ即答されてたらきっと私の方ががっかりしていたと思う。それでもきちんと考えるって言ってくれたから今はそれで十分よ」
「じれったいわね。もっと積極的に……」
長嶺は、そこまで言って気づいた
「あ、楓ちゃんたちの関係で今以上に積極的にって言ったら」
そこで頬を真っ赤に染めた。
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