上 下
66 / 314

第66話 100%信じてる

しおりを挟む
翌日、愛翔が学校へ向かおうとマンションのエントランスから出ると。
「おはよう愛翔」
「やっほ愛翔。おはよ」
「おはよう。楓、桜」
「一緒に学校いこう」
「ああ、って桜はいいのか」
「うん、ケジメつけてきたから」
「そっか」
愛翔はそれ以上聞かず
「じゃぁ昔みたいに一緒に行こう」
愛翔が言うととたんに嬉しそうに左腕に抱きつく楓、
そして、おずおずとそれでもしっかりと右腕に抱きつく桜。
「楓。あたし負けないからね」
桜の宣言が9月の風に舞った。

駅を出ると、光野高校の最寄り駅のためそこにはもう登校中の光野の生徒も多く両腕に楓と桜を抱きつかせた愛翔は注目を浴びることになる。
「なんだあの男は。女神様と天使様を両手に侍らせて……」
「あれってMLSで話題になった住吉愛翔じゃないか?なんでうちの制服着て……」
怨嗟の視線、羨望の視線、憧れの視線。そして黄色い悲鳴を上げる女生徒たち。
そのまま登校し、教室に入ると。さっそく理子が飛んでくる。桜を廊下に引っ張っていくと
「桜なによ、剣崎君と付き合っているのに別の男の子とそんな抱き合うなんて……」
「理子、もう剣崎君とはおしまいにしたの。それとあたしも楓と一緒でグループ抜けることにしたから」
「そ、そんな。桜と剣崎君てお似合いだってずっと思って……」
「理子の仲間を想う気持ち、あたしを思う気持ち、ありがたいと思ってた。でもね、愛翔が帰ってきて校門で声を掛けてくれた時、その時にもう後悔した。なんで気持ちもないのに押し切られてお試しとは言え付き合う事にしちゃったんだろうって。なんで頑張ろうって思わなかったのかって。一番大切なものを汚してしまったって。それに1週間という短い時間だったけどお試しとは言え剣崎君とお付き合いしているって、辛かった苦しかった自分が汚れていく気がした、自分の中の何かが死んでいくような感じがしたの。だからおしまいにしたの」
「でも、それじゃぁ嫌がらせは?」
「それも大丈夫。愛翔がいるもの。愛翔がいる限りあたしは大丈夫」
「そ、それは住吉君とお付き合いするって事?」
「違うわ。今のあたしには愛翔と付き合う資格ないもの」
「でも、それじゃぁ桜がまたターゲットにされちゃうんじゃ」
「そうかもね。でも愛翔は付き合っている付き合っていないなんて事関係なく守ってくれる。絶対にね。だから大丈夫よ」
「信じてるのね、住吉君のこと」
「うん、100%信じてる」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました

ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら…… という、とんでもないお話を書きました。 ぜひ読んでください。

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

結構な性欲で

ヘロディア
恋愛
美人の二十代の人妻である会社の先輩の一晩を独占することになった主人公。 執拗に責めまくるのであった。 彼女の喘ぎ声は官能的で…

私は何人とヤれば解放されるんですか?

ヘロディア
恋愛
初恋の人を探して貴族に仕えることを選んだ主人公。しかし、彼女に与えられた仕事とは、貴族たちの夜中の相手だった…

どうして隣の家で僕の妻が喘いでいるんですか?

ヘロディア
恋愛
壁が薄いマンションに住んでいる主人公と妻。彼らは新婚で、ヤりたいこともできない状態にあった。 しかし、隣の家から喘ぎ声が聞こえてきて、自分たちが我慢せずともよいのではと思い始め、実行に移そうとする。 しかし、何故か隣の家からは妻の喘ぎ声が聞こえてきて…

処理中です...