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第49話 今でも守られてる
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「終わったぁ」
期末テスト最終科目が終わりクラス中が解放感に包まれ喧騒が渦巻く。
「今日までは部活も休みだし、パーっと遊びに行かねぇ?」
終礼後、上履きを靴に履き替えながら多賀が誘う。この辺りはいつもの事。
「良いの?明日辺りから結果が帰ってきて、それ次第では再試験。その結果次第では更に夏休み期間の補習授業になるんでしょ」
楓の突っ込みに多賀が身をよじり剣崎や藤島も目を泳がせる。そこで藤島が気付いた。
「理子は大丈夫なのか?」
「えへへ、今回は桜と楓に勉強教えてもらったから結構自信あるんだ」
嬉しそうに笑う理子に、絶望の眼差しを向ける男子3人。
「ま、とにかく遊ぶのは、そういうのにキリがついてからにしましょ」
3人は楓の言葉に肩を落としトボトボと歩き始める。それを見た女子3人は顔を見合わせため息をついた。
「もう、いいわ。遊びに行きましょう。ただし少しだけよ。そうね駅前のカラオケで1時間。それ以上は絶対にダメ。それでどう?」
楓が妥協案を出した。とたんにはしゃぎだす男子3人。
「さすが橘さん、話がわかる」
「サイコーだよ」
「やっほーい」
「カラオケは久しぶりだな」
「俺も高校上がってからは初めてかも」
「俺は1度だけ球技大会の時クラスの打ち上げで来たかな」
剣崎、藤島、多賀がそれぞれに楽しそうに話す。
「誰から歌う?」
「俺、いちばーん」
早速多賀がアイドルソングを入れている。
「それにしても、華押さんも橘さんもなんでも出来てすごいよな」
藤島が言う。
「ん~、あたし達は別に愛翔に慣らされたようなものだものだからねぇ」
桜の言葉に
「あぁ、あのアメリカにいる幼馴染さん?」
「そ、あたしも楓も愛翔に引っ張られてその延長でいるようなものだもの」
「テレビとかでも凄いのは見せつけられたけどさ、その住吉って欠点無いの?」
「そりゃあると思うよ。でもそんなの気にならないくらい良いとこあるから。あたしも楓も本当に側にいない今でも守られてるって思うもの」
遠い目をして語る桜。
「あ、ごめん。雰囲気暗くしちゃったね。気にしないで騒ご」
しばらく歌い騒いでいた中で楓が席を立つ
「ちょっと飲み物取ってくる、何が欲しい?」
「あ、あたしメロンソーダお願い」
「あたしはウーロンいいかしら」
「橘さん悪いな。俺コーラいい?」
「あ、オレもコーラよろしく」
「おまえらなぁ、ひとりに全部持ってこさせるつもりかよ。橘さん俺も持ってくるの手伝うよ」
そう言って多賀が楓について部屋を出た。
「えっと、メロンソーダにウーロンに……」
「橘さんこっちは俺が持つよ」
「ありがと」
「あっと。それでさ、橘さん悪いんだけどこのあとちょっとだけ話聞いてもらえないかな?」
ふぅっと息を吐き出し一瞬目を瞑る楓。そして
「話を聞くのは良いけど。いい返事は出来ないわよ」
「うっく、きっついなぁ。それでも聞くだけ聞いてもらえるか?」
「分かったわよ。ちょっとだけよ」
期末テスト最終科目が終わりクラス中が解放感に包まれ喧騒が渦巻く。
「今日までは部活も休みだし、パーっと遊びに行かねぇ?」
終礼後、上履きを靴に履き替えながら多賀が誘う。この辺りはいつもの事。
「良いの?明日辺りから結果が帰ってきて、それ次第では再試験。その結果次第では更に夏休み期間の補習授業になるんでしょ」
楓の突っ込みに多賀が身をよじり剣崎や藤島も目を泳がせる。そこで藤島が気付いた。
「理子は大丈夫なのか?」
「えへへ、今回は桜と楓に勉強教えてもらったから結構自信あるんだ」
嬉しそうに笑う理子に、絶望の眼差しを向ける男子3人。
「ま、とにかく遊ぶのは、そういうのにキリがついてからにしましょ」
3人は楓の言葉に肩を落としトボトボと歩き始める。それを見た女子3人は顔を見合わせため息をついた。
「もう、いいわ。遊びに行きましょう。ただし少しだけよ。そうね駅前のカラオケで1時間。それ以上は絶対にダメ。それでどう?」
楓が妥協案を出した。とたんにはしゃぎだす男子3人。
「さすが橘さん、話がわかる」
「サイコーだよ」
「やっほーい」
「カラオケは久しぶりだな」
「俺も高校上がってからは初めてかも」
「俺は1度だけ球技大会の時クラスの打ち上げで来たかな」
剣崎、藤島、多賀がそれぞれに楽しそうに話す。
「誰から歌う?」
「俺、いちばーん」
早速多賀がアイドルソングを入れている。
「それにしても、華押さんも橘さんもなんでも出来てすごいよな」
藤島が言う。
「ん~、あたし達は別に愛翔に慣らされたようなものだものだからねぇ」
桜の言葉に
「あぁ、あのアメリカにいる幼馴染さん?」
「そ、あたしも楓も愛翔に引っ張られてその延長でいるようなものだもの」
「テレビとかでも凄いのは見せつけられたけどさ、その住吉って欠点無いの?」
「そりゃあると思うよ。でもそんなの気にならないくらい良いとこあるから。あたしも楓も本当に側にいない今でも守られてるって思うもの」
遠い目をして語る桜。
「あ、ごめん。雰囲気暗くしちゃったね。気にしないで騒ご」
しばらく歌い騒いでいた中で楓が席を立つ
「ちょっと飲み物取ってくる、何が欲しい?」
「あ、あたしメロンソーダお願い」
「あたしはウーロンいいかしら」
「橘さん悪いな。俺コーラいい?」
「あ、オレもコーラよろしく」
「おまえらなぁ、ひとりに全部持ってこさせるつもりかよ。橘さん俺も持ってくるの手伝うよ」
そう言って多賀が楓について部屋を出た。
「えっと、メロンソーダにウーロンに……」
「橘さんこっちは俺が持つよ」
「ありがと」
「あっと。それでさ、橘さん悪いんだけどこのあとちょっとだけ話聞いてもらえないかな?」
ふぅっと息を吐き出し一瞬目を瞑る楓。そして
「話を聞くのは良いけど。いい返事は出来ないわよ」
「うっく、きっついなぁ。それでも聞くだけ聞いてもらえるか?」
「分かったわよ。ちょっとだけよ」
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