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第24話 天使様と女神様
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「よ、勇人。おまえとうとう彼女作ったんだって」
「い、いや」
「なんだよ。歯切れ悪いな。いつもの自信満々なお前はどうしたんだよ」
放課後のサッカー部の部室で黄昏る剣崎に友人の藤島人志(ふじしまひとし)が声を掛けた。
「実は、……」
-------
「ぶ、はははははは」
朝の出来事を打ち明ける剣崎に藤島は大笑いだ。
「笑う事はないだろう」
「いや、だってよ。今までどんなに女が言い寄って来ても塩対応で済ませてきた勇人が、逆に思いっきり振られたって。そりゃ笑うしかないだろうが。しかも相手が天使様と来た」
「そう言ってもなぁ。って天使様ってなんだよ」
「お、知らなかったのか。光野の天使様と女神様。お前の惚れた華押桜さんが天使様、その幼馴染で親友の橘楓さんが女神様って呼ばれてんだよ。入学したばかりの1年の4月なのに、どっちももう20人以上からの告白を受けてるとか。まあ、全員撃沈だそうだけどな」
「そんなにか。なんとかならないかな?」
「まあ、その状況じゃ当分はおとなしくしてるしかないだろうな」
「付き合うのはともかくとして、友達くらいは」
「ダメダメ。一旦付き合ってるって噂立ってんだぜ。どんなに否定してもお前が友達のつもりで近くにいても、付き合ってるって見られるって。そんなことになってみろ、わずかにある可能性もマイナスになるって」
「それじゃ俺はどうにもならないのか?」
項垂れる剣崎に藤島もまぁまぁと言う感じで宥める。
「とりあえず、おまえは先走るな。聞いた感じ、しつこい告白から助けたときの助け方が失敗だっただけでそこをうまくリカバリーしさえすればマイナスもプラスになるって。華押さんも連日の告白で嫌気がさしていたところに噂が立って切れたって面もあるだろうし。とにかく一旦冷却期間を置くのと噂を消すのが先だ。急がば回れだな。オレの場合彼女がいるんで華押さんにも橘さんにも恋愛感情は無いけど、人として興味があるからちょっと距離を縮めようとしてるとこだし、うまく友達にでもなれたら、お前の事も少しはアシストしてやるよ。ただし距離を縮められても無理強いはすんなよ」
「い、いや」
「なんだよ。歯切れ悪いな。いつもの自信満々なお前はどうしたんだよ」
放課後のサッカー部の部室で黄昏る剣崎に友人の藤島人志(ふじしまひとし)が声を掛けた。
「実は、……」
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「ぶ、はははははは」
朝の出来事を打ち明ける剣崎に藤島は大笑いだ。
「笑う事はないだろう」
「いや、だってよ。今までどんなに女が言い寄って来ても塩対応で済ませてきた勇人が、逆に思いっきり振られたって。そりゃ笑うしかないだろうが。しかも相手が天使様と来た」
「そう言ってもなぁ。って天使様ってなんだよ」
「お、知らなかったのか。光野の天使様と女神様。お前の惚れた華押桜さんが天使様、その幼馴染で親友の橘楓さんが女神様って呼ばれてんだよ。入学したばかりの1年の4月なのに、どっちももう20人以上からの告白を受けてるとか。まあ、全員撃沈だそうだけどな」
「そんなにか。なんとかならないかな?」
「まあ、その状況じゃ当分はおとなしくしてるしかないだろうな」
「付き合うのはともかくとして、友達くらいは」
「ダメダメ。一旦付き合ってるって噂立ってんだぜ。どんなに否定してもお前が友達のつもりで近くにいても、付き合ってるって見られるって。そんなことになってみろ、わずかにある可能性もマイナスになるって」
「それじゃ俺はどうにもならないのか?」
項垂れる剣崎に藤島もまぁまぁと言う感じで宥める。
「とりあえず、おまえは先走るな。聞いた感じ、しつこい告白から助けたときの助け方が失敗だっただけでそこをうまくリカバリーしさえすればマイナスもプラスになるって。華押さんも連日の告白で嫌気がさしていたところに噂が立って切れたって面もあるだろうし。とにかく一旦冷却期間を置くのと噂を消すのが先だ。急がば回れだな。オレの場合彼女がいるんで華押さんにも橘さんにも恋愛感情は無いけど、人として興味があるからちょっと距離を縮めようとしてるとこだし、うまく友達にでもなれたら、お前の事も少しはアシストしてやるよ。ただし距離を縮められても無理強いはすんなよ」
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