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第16話 長期出張
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1学期最終日、終業式も終わり夏休み前最後のLHR。
「通知表を配るぞ。呼ばれた順番に取りに来るように」
順番に受け取り見て見ぬふりをするもの、安堵の溜息を吐くもの、満足げに頷くもの悲喜こもごもな風景が見られる中
「あーいと。今日部活終わったら愛翔の家に遊びに行って良い?」
早速愛翔に絡みに行く桜。
「ん?今日は特に予定もないし、明日から夏休みだし構わんぞ」
「当然あたしも良いよね。」
当然のように横にいるのは腰までの黒髪をなびかせる綺麗系美少女。
「おう、楓も来るか」
「え、父さん今なんて言ったの?」
「おじさんそれって」
「おじさん、本当なの?」
愛翔の自宅。幼馴染3人揃ってくつろいでいるところに愛翔の父浩之の投げかけた言葉に驚き思わず聞き返す3人。
「もう一度言うよ。この9月からアメリカに赴任することになったんだ。そこで家族でアメリカに引っ越すことにした」
最初に正気に戻ったのは愛翔
「どのくらいの期間アメリカに行くことになるの?」
「一応任期は3年だけど、延びるかもしれない」
「僕だけ日本に残るのは……ダメだよね」
「そうだな、さすがにまだ中学1年の愛翔を1人残すわけにはいかないから、向こうの学校に編入することになるな」
そこまで黙っていた桜が口を開く。
「あの、おじさん。例えばうちに住んで今まで通りに学校に通うとかはダメなんですか?」
「桜ちゃんが、愛翔と離れたくないって思ってくれるのは、おじさんとしてもとても嬉しいよ。でもね、10日やそこらならともかく、さすがに3年以上ずっとお願いするわけにはいかないよ」
「でも、愛翔と会えなくなるのはあたし嫌です」
「私も愛翔と離れ離れは寂しいです。なんとかなりませんか」
桜に続き楓も愛翔と離れるのをどうにかならないのかと縋る。
「こればかりはなぁ。ごめんね」
そういう浩之の横から愛翔が口を挟む。
「父さん、3年だね。ふたりとも3年後に元気で会おう。僕達は離れても仲の良い幼馴染だよ」
「う、うぅぅ」
桜も楓も愛翔に抱きつき泣き出してしまう。そんなふたりを撫でて宥めながら
「僕だって寂しいよ。生まれてからずっと一緒だったんだ。だからね3年後きっと帰ってくるから、待ってて」
「うぅ、きっとだよ。約束だからね」
「わかった、待ってる。絶対帰ってきてね」
そんな3人を見ていた浩之が準備について話始める。
「実際の引っ越しは8月末だけど、愛翔は夏休みの間に英語の勉強をしてもらう」
「英語の?」
「そりゃそうだろう。アメリカに行ったら学校でも生活でも英語だぞ」
「そりゃそうだね。でも英語かぁ」
「会社がそのためのスクールを紹介してくれている。そして8月末に渡米次第編入試験があるからな」
「はーい。向こうで不自由しないように頑張るよ」
「じゃぁ、他の時間は愛翔はあいてるのよね」
桜が何かを考えたように言い出す。
「空いている時間は、あたし達と過ごしてね」
「通知表を配るぞ。呼ばれた順番に取りに来るように」
順番に受け取り見て見ぬふりをするもの、安堵の溜息を吐くもの、満足げに頷くもの悲喜こもごもな風景が見られる中
「あーいと。今日部活終わったら愛翔の家に遊びに行って良い?」
早速愛翔に絡みに行く桜。
「ん?今日は特に予定もないし、明日から夏休みだし構わんぞ」
「当然あたしも良いよね。」
当然のように横にいるのは腰までの黒髪をなびかせる綺麗系美少女。
「おう、楓も来るか」
「え、父さん今なんて言ったの?」
「おじさんそれって」
「おじさん、本当なの?」
愛翔の自宅。幼馴染3人揃ってくつろいでいるところに愛翔の父浩之の投げかけた言葉に驚き思わず聞き返す3人。
「もう一度言うよ。この9月からアメリカに赴任することになったんだ。そこで家族でアメリカに引っ越すことにした」
最初に正気に戻ったのは愛翔
「どのくらいの期間アメリカに行くことになるの?」
「一応任期は3年だけど、延びるかもしれない」
「僕だけ日本に残るのは……ダメだよね」
「そうだな、さすがにまだ中学1年の愛翔を1人残すわけにはいかないから、向こうの学校に編入することになるな」
そこまで黙っていた桜が口を開く。
「あの、おじさん。例えばうちに住んで今まで通りに学校に通うとかはダメなんですか?」
「桜ちゃんが、愛翔と離れたくないって思ってくれるのは、おじさんとしてもとても嬉しいよ。でもね、10日やそこらならともかく、さすがに3年以上ずっとお願いするわけにはいかないよ」
「でも、愛翔と会えなくなるのはあたし嫌です」
「私も愛翔と離れ離れは寂しいです。なんとかなりませんか」
桜に続き楓も愛翔と離れるのをどうにかならないのかと縋る。
「こればかりはなぁ。ごめんね」
そういう浩之の横から愛翔が口を挟む。
「父さん、3年だね。ふたりとも3年後に元気で会おう。僕達は離れても仲の良い幼馴染だよ」
「う、うぅぅ」
桜も楓も愛翔に抱きつき泣き出してしまう。そんなふたりを撫でて宥めながら
「僕だって寂しいよ。生まれてからずっと一緒だったんだ。だからね3年後きっと帰ってくるから、待ってて」
「うぅ、きっとだよ。約束だからね」
「わかった、待ってる。絶対帰ってきてね」
そんな3人を見ていた浩之が準備について話始める。
「実際の引っ越しは8月末だけど、愛翔は夏休みの間に英語の勉強をしてもらう」
「英語の?」
「そりゃそうだろう。アメリカに行ったら学校でも生活でも英語だぞ」
「そりゃそうだね。でも英語かぁ」
「会社がそのためのスクールを紹介してくれている。そして8月末に渡米次第編入試験があるからな」
「はーい。向こうで不自由しないように頑張るよ」
「じゃぁ、他の時間は愛翔はあいてるのよね」
桜が何かを考えたように言い出す。
「空いている時間は、あたし達と過ごしてね」
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