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8話 また明日

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「球技大会ってクラスでの練習とかしないのね」
「まあ、公式大会ってわけでもないし、練習場所の問題もあるしね。それより高野さん、そこ”is”じゃなくて”are"だよ。2人称って言い方分かりにくいけどふたりで話している時に相手の事って思って」
球技大会についての雑談をしながら2回目の放課後勉強会をしている愛翔と高野。
「なんでそんな分かりにくい言い方にしてるのかなぁ」
ボヤく高野に愛翔は
「偉い人の付ける名前ってそんなものだよ」
と笑いかける。はっとしたように顔を背ける高野だけれど、その頬は上気し桜色に染まっていた。
「こういうところズルいよ、住吉君」
呟く声は愛翔には届かない。
 下校時刻となり図書室で勉強会に切りをつけ愛翔と高野は前回と同じく昇降口に向かう。
「高野さんてやっぱり頭いいよね」
愛翔の言葉に不思議そうな表情を向ける高野。
「そんなことないよ。頭よかったら住吉君にこんな手間かけないもの」
「いやいや、オレの説明ですぐに理解してくれるじゃない。地頭が良いっていうのかな。授業さえちゃんと聞いて予習復習したらあっという間に成績上位だよ」
思いもよらない愛翔からの高評価に高野は目を見張り次第に頬を染める。
「あーいーと。今から帰り?」
そんなところに愛翔に抱きついてきたのは腰までの黒髪をなびかせた綺麗系美少女。
「おう、楓。勉強会終わったところだ。美術部も終わりか?」
リップ音をさせながら愛翔の頬に軽く口付け
「うん、今日はこれで終わり。さっきちょっと見たらバスケ部もそろそろみたい」
「そっか、ちょっと見に行くかな。じゃ、高野さん、おつかれ。また明日ね」
「え、う、うん。またよろしくね」
ひとり残された高野。トボトボとひとり帰りながらつぶやく。
「はあ、住吉君、本当にあの2人のこと大事なんだなぁ。あんな風に大事にされるってどんな気持ちなんだろう」
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