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19.泣く子には勝てない
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「えっ、郷田くんって一人暮らししているの!?」
話の流れで一人暮らしをしているとカミングアウトしたら、白鳥が想像以上に驚きを見せた。
話の流れってのはあれだ。俺があまりにも曲を知らないものだから、その理由を尋ねられたのだ。
家にテレビがない。家族もいないから情報もない。だから歌に疎いのだ。……うん、嘘は言っていない。
実際に郷田晃生も歌というものに興味がなかったのだろう。記憶を探ってみても、うろ覚え程度だ。不良だけど、あんまり友達いないもんね。カラオケに行く機会がなければそんなものかもしれない。
「家族がいないって、その……お星様になった的な?」
氷室は気を遣ってか、表現をマイルドにして尋ねてきた。たとえがお星様って、初めて聞いたな。
「死別したわけじゃないぞ。親とちょっとごたついただけだ。生活費は送ってくれているしな」
確かに生活費を送ってもらってはいるが、郷田晃生に感謝の気持ちは一欠片もなかった。
……これに関しては親を好きになれない郷田晃生の気持ちがわかってしまう。記憶の中は悪い印象ばかり。俺から見ても、あまり良い親ではなかったと思わずにはいられない。
だからって自分が悪いことしていいって理由にはならないけどな。NTR、ダメ絶対。
「一人暮らしって羨ましいな。しかも仕送りしてくれているんだろ? 郷田ってお坊ちゃんだったんだ」
野坂は羨ましそうに眼を輝かせていた。男子高校生なら一人暮らしって憧れるものなのだろう。
「ちょっと純平くん。郷田くんにも事情が──」
「だろ? バイトしなくても生活に困らないぜ。一人なら裸で生活しても気にならないからな。どうだ、自由だろう」
「おおー!」
白鳥が野坂を叱る前に、俺は明るい調子で笑ってみせる。
せっかく打ち上げでぱぁーっと盛り上がりに来たのだ。俺のせいで暗い雰囲気にはしたくなかった。
「ねえねえ晃生ー」
「ん?」
氷室に袖をくいくいと引っ張られる。
「次はこれ、一緒に歌お?」
氷室は話をぶった切って、カラオケの流れに戻してきた。
「おうよ。氷室と一緒に歌うのは楽しかったからな。こっちからお願いしたかったところだぜ」
「でしょ。アタシと一緒なら盛り上がるんだから」
氷室は得意げに胸を張る。制服越しでもわかるほどの膨らみが強調された。
「あっ、ずるい。郷田くん、次は私と一緒に歌いましょうよ。丁寧にリードしてあげるわ」
白鳥もマイクを持ってアピールしてくる。「リードしてあげるわ」と言いながら俺の胸板に指を這わせてきて、何をリードしようってんだろうね?
「だったら俺も一緒に歌ってやる。勘違いするなよな。歌えない奴が一人で歌っても盛り下がるだけなんだ。だから仕方なくなんだからな」
野坂がぷいっとそっぽを向きながらそんなことを言う。ツンデレじゃないくせにツンデレ発言はやめなさいよ。か、勘違いしたらどうしてくれんだ。あとそっぽ向いてないで白鳥を止めろ。
最初はどうなるかと心配だったが、打ち上げは予定通りぱぁーっと盛り上がったのであった。
◇ ◇ ◇
カラオケの帰り道。白鳥と野坂とは家の方向が違うからと早々に別れて、俺は氷室と歩いていた。
「ねえ晃生、これから晃生んち行ってもいい?」
「だから、男の一人暮らしだっつってんだろ」
もうすぐ日が暮れてしまうだろう。明るいうちに帰れと氷室に言い聞かせる。
「だってー。遊び足りないんだもん。ねえちょっとだけだからー。どんな部屋なのか興味あんの。ちょっとだけ、ちょっとだけ見たら帰るから。お願い、先っちょだけだから」
俺を拝みながらお願いしてくる氷室。どんだけ俺の部屋に興味あるんだよ。
でも思春期女子なら当然なのか? 俺だって女の一人暮らししている部屋がどんなのか興味はある……。別に変な意味じゃなくて、純真な好奇心だ!
「……ダメだ」
真面目な声のトーンでキッパリと断る。
ちょっとくらいなら、そう思わないこともない。氷室ならまあいいかな、と思わないこともない。
だけど、今は大丈夫とはいえ、郷田晃生の残滓がいつ暴走するかわからないのだ。誰もいない部屋に美少女を連れ込む状況。それがトリガーになる可能性だってある。
氷室が大切な友達だからこそ、傷つく可能性があることに頷けなかった。
「……アタシは、ダメなの?」
氷室の声は震えていた。前みたいに「冗談だよ♪」という雰囲気ではない。
彼女は泣きそうに表情を歪めていた。涙が溜まり、今にも零れてしまいそうだ。
「え」
まさか泣かれるとは思っていなかった。急に心が慌て始める。
いやだって、この間は断っても別に何もなかったよな? なんでいきなりそこまで悲しむのかわからなかった。
「白鳥は良かったのに……アタシはダメなんだ……」
「え?」
「白鳥とホテル行ったんでしょ! なのになんでアタシはダメなの!」
突然の大声に驚かされる。俺たち以外に人のいない道に、氷室の声が木霊する。
いや、というか氷室は今なんて言った?
「晃生は白鳥とホテル行くような関係なんでしょ。別にそれはいいよ。でもアタシをのけ者にしないでよ……」
氷室はついにポロポロと涙を流して泣いてしまった。
遠くから車や電車の音が聞こえる。でもすすり泣く氷室の声が、一番大きく聞こえた。
なんで氷室が俺と白鳥がラブホに行ったことを知っているんだ? そもそもこれってどういう状況? 急展開に頭の処理が追い付かない。
そんな中、俺が最優先に考えたことは、氷室を慰めなきゃという使命感だった。
「落ち着けよ氷室」
「あ」
氷室を抱きしめる。子供をあやすみたいに、背中をぽんぽんと優しく叩いた。
うん、かなりのセクハラ。イケメンにしか許されない行為を、咄嗟のこととはいえやらかしてしまった……。
「……っ」
だけど氷室が俺の胸に顔を押しつけてきたのを感じ、彼女が泣き止むまでこのままでいなければと思った。
話の流れで一人暮らしをしているとカミングアウトしたら、白鳥が想像以上に驚きを見せた。
話の流れってのはあれだ。俺があまりにも曲を知らないものだから、その理由を尋ねられたのだ。
家にテレビがない。家族もいないから情報もない。だから歌に疎いのだ。……うん、嘘は言っていない。
実際に郷田晃生も歌というものに興味がなかったのだろう。記憶を探ってみても、うろ覚え程度だ。不良だけど、あんまり友達いないもんね。カラオケに行く機会がなければそんなものかもしれない。
「家族がいないって、その……お星様になった的な?」
氷室は気を遣ってか、表現をマイルドにして尋ねてきた。たとえがお星様って、初めて聞いたな。
「死別したわけじゃないぞ。親とちょっとごたついただけだ。生活費は送ってくれているしな」
確かに生活費を送ってもらってはいるが、郷田晃生に感謝の気持ちは一欠片もなかった。
……これに関しては親を好きになれない郷田晃生の気持ちがわかってしまう。記憶の中は悪い印象ばかり。俺から見ても、あまり良い親ではなかったと思わずにはいられない。
だからって自分が悪いことしていいって理由にはならないけどな。NTR、ダメ絶対。
「一人暮らしって羨ましいな。しかも仕送りしてくれているんだろ? 郷田ってお坊ちゃんだったんだ」
野坂は羨ましそうに眼を輝かせていた。男子高校生なら一人暮らしって憧れるものなのだろう。
「ちょっと純平くん。郷田くんにも事情が──」
「だろ? バイトしなくても生活に困らないぜ。一人なら裸で生活しても気にならないからな。どうだ、自由だろう」
「おおー!」
白鳥が野坂を叱る前に、俺は明るい調子で笑ってみせる。
せっかく打ち上げでぱぁーっと盛り上がりに来たのだ。俺のせいで暗い雰囲気にはしたくなかった。
「ねえねえ晃生ー」
「ん?」
氷室に袖をくいくいと引っ張られる。
「次はこれ、一緒に歌お?」
氷室は話をぶった切って、カラオケの流れに戻してきた。
「おうよ。氷室と一緒に歌うのは楽しかったからな。こっちからお願いしたかったところだぜ」
「でしょ。アタシと一緒なら盛り上がるんだから」
氷室は得意げに胸を張る。制服越しでもわかるほどの膨らみが強調された。
「あっ、ずるい。郷田くん、次は私と一緒に歌いましょうよ。丁寧にリードしてあげるわ」
白鳥もマイクを持ってアピールしてくる。「リードしてあげるわ」と言いながら俺の胸板に指を這わせてきて、何をリードしようってんだろうね?
「だったら俺も一緒に歌ってやる。勘違いするなよな。歌えない奴が一人で歌っても盛り下がるだけなんだ。だから仕方なくなんだからな」
野坂がぷいっとそっぽを向きながらそんなことを言う。ツンデレじゃないくせにツンデレ発言はやめなさいよ。か、勘違いしたらどうしてくれんだ。あとそっぽ向いてないで白鳥を止めろ。
最初はどうなるかと心配だったが、打ち上げは予定通りぱぁーっと盛り上がったのであった。
◇ ◇ ◇
カラオケの帰り道。白鳥と野坂とは家の方向が違うからと早々に別れて、俺は氷室と歩いていた。
「ねえ晃生、これから晃生んち行ってもいい?」
「だから、男の一人暮らしだっつってんだろ」
もうすぐ日が暮れてしまうだろう。明るいうちに帰れと氷室に言い聞かせる。
「だってー。遊び足りないんだもん。ねえちょっとだけだからー。どんな部屋なのか興味あんの。ちょっとだけ、ちょっとだけ見たら帰るから。お願い、先っちょだけだから」
俺を拝みながらお願いしてくる氷室。どんだけ俺の部屋に興味あるんだよ。
でも思春期女子なら当然なのか? 俺だって女の一人暮らししている部屋がどんなのか興味はある……。別に変な意味じゃなくて、純真な好奇心だ!
「……ダメだ」
真面目な声のトーンでキッパリと断る。
ちょっとくらいなら、そう思わないこともない。氷室ならまあいいかな、と思わないこともない。
だけど、今は大丈夫とはいえ、郷田晃生の残滓がいつ暴走するかわからないのだ。誰もいない部屋に美少女を連れ込む状況。それがトリガーになる可能性だってある。
氷室が大切な友達だからこそ、傷つく可能性があることに頷けなかった。
「……アタシは、ダメなの?」
氷室の声は震えていた。前みたいに「冗談だよ♪」という雰囲気ではない。
彼女は泣きそうに表情を歪めていた。涙が溜まり、今にも零れてしまいそうだ。
「え」
まさか泣かれるとは思っていなかった。急に心が慌て始める。
いやだって、この間は断っても別に何もなかったよな? なんでいきなりそこまで悲しむのかわからなかった。
「白鳥は良かったのに……アタシはダメなんだ……」
「え?」
「白鳥とホテル行ったんでしょ! なのになんでアタシはダメなの!」
突然の大声に驚かされる。俺たち以外に人のいない道に、氷室の声が木霊する。
いや、というか氷室は今なんて言った?
「晃生は白鳥とホテル行くような関係なんでしょ。別にそれはいいよ。でもアタシをのけ者にしないでよ……」
氷室はついにポロポロと涙を流して泣いてしまった。
遠くから車や電車の音が聞こえる。でもすすり泣く氷室の声が、一番大きく聞こえた。
なんで氷室が俺と白鳥がラブホに行ったことを知っているんだ? そもそもこれってどういう状況? 急展開に頭の処理が追い付かない。
そんな中、俺が最優先に考えたことは、氷室を慰めなきゃという使命感だった。
「落ち着けよ氷室」
「あ」
氷室を抱きしめる。子供をあやすみたいに、背中をぽんぽんと優しく叩いた。
うん、かなりのセクハラ。イケメンにしか許されない行為を、咄嗟のこととはいえやらかしてしまった……。
「……っ」
だけど氷室が俺の胸に顔を押しつけてきたのを感じ、彼女が泣き止むまでこのままでいなければと思った。
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