スキルを極めろ!

アルテミス

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345 対策会議

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#345 対策会議

「ジン殿、矢が足りん」

 いやそうだろうけど、俺に言ってどうするのさ。

 教皇様に呼ばれて何事かと思えば愚痴だった。

「魔法で矢を作ったりできないだろうか?」

「木を削ったりは出来ますかけど、手で作った方が早いですよ?魔法で作ると真っ直ぐに飛ぶ保証もないですし」

「やはりそうか。ジン殿なら何か手があるかと思ったのだが。。。」

 ある訳ないじゃん。そんなのは鍛冶屋の仕事でしょうに。

「他の国にも矢の補充を依頼してはいるが、この調子だと次の襲撃で矢がなくなってしまう。魔物も大量に倒してはいるが、どうやってか魔族は魔物を補充しているようだしな」

 ああ、言ってなかったっけ。

「魔族は召喚石とかを使って、魔族大陸から呼び寄せているらしいですよ?」

「何!それでは無限に魔物がいるようなものじゃないか。どうすれば良いのか、、、うーむ」

 俺に軍の後方支援の知識なんてないんだから専門家で話してもらえませんかね。

「それにジン殿、魔族は倒せなかったようだが?」

「ええ、結構強かったですね。剣術は俺と同等。力は向こうが上。魔力は俺の方が上のようですけど圧倒できるほどではなかったですね」

「倒すのは可能か?」

「時間さえかければ可能だと思いますけど、その間は魔物に攻められ放題ですよ?」

「むう。やはり向こうの拠点を探し出してこちらから仕掛けるしかないか。
 一応冒険者を雇って調べさせてはいるのだが、海沿いは山になってることもあり、なかなか進んでおらん。ジン殿も探索に加わってもらえんか?
 ジン殿の魔力感知で魔族を探せば可能ではないだろうか?」

 魔物が集まってたり、魔族が拠点にいたりすれば可能かもしれないけど、広範囲に渡って魔力感知すると精度が落ちるんだよね。
 それにこないだは魔族は首都の中に潜んでたし、魔物は召喚石とかで一斉に呼び出してるみたいだから今拠点にいるとは思えないんだよね。

「それだと拠点の発見は難しいか。
 何か良い案はないか?」

「まずは街中の警備の強化ですね。ローブで顔を隠してるのを片っ端から顔を確認するとか。酒場に兵士を貼り付けて怪しいやつを探すとか」

「どれだけの人数がローブを着てると思う?酒場がどれだけあると?すべてを監視することは不可能だ」

 なら俺からはもう意見はないかな。あ、街中で魔力感知を行うのはどうだろう?ダメだな。人の魔力が混じってしまって広範囲の魔力感知は無理だ。こないだの酒場みたいに近くにいれば可能だが。

「仕方ない。鍛冶屋に無理させることになるが矢の作成を急がせるか。幸い召喚石とやらは無限にあるわけでは無いようだし、多少の時間はあるだろう」

「あ、城壁に魔法を付与するのはどうですか?
 水魔法使いに城壁を滑りやすくさせるとか?城壁さえ登ってこなければ対応はしやすいと思うんですけど」

「魔術師が足りない。城壁がどれだけ広いと思ってる。ジン殿ほどの魔力があれば可能かもしれんが、一般の魔術師では一部が限界だ。
 ん、ならジン殿が魔法を使ってくれれば良いのでは無いか?」

「魔族の相手をしなくても良いなら可能ですけどね。それに魔力を使ってしまうと魔族との戦いで不利になります」

「そうか。消耗戦とは厄介なものだな。人員の消耗はある程度覚悟していたが、まさか矢がなくなるとはな」

 その辺は頑張って知恵を出してくださいね。

「俺の用はそれだけですか?」

「いやもう一つある。
 ジン殿の話では魔族は四人いたとあったが、四人同時に攻められた場合どうなる?」

「不意打ちで全力で魔法を使えば倒せる可能性はありますが、責められるのを待っている状態では不意打ちは無理でしょう。
 なので正面からの戦いになりますが、俺が生き残るだけなら可能ですが、倒し切るのは難しいでしょう。そして俺が抑えて置けるのはせいぜい二人。他の二人が攻城戦に回ったら城壁も無事では済まないでしょう」

「はあ。消耗戦に徹しているから助かってるということか。まさか高位魔族が複数いるとはな。
 最初に出てきた雷魔法を使う魔族だけだと思ってたからジン殿がいたら大丈夫だと思っていたのだが。
 他のSランク冒険者とも連絡がつかんし、どうするか。。。」

 俺に聞かれてもね。俺の仕事は魔族の討伐。
 四人同時も怖いけど、その上の四天王が出てくるのが一番困るんだよね。幹部であれだけの力を持ってるんだから四天王はもっと強いんだろうし。

「ジン殿、最悪城壁が破られた場合、聖遺物を持って逃げてくれんか?この国がなくなっても聖遺物が魔族の手に渡らなければまだ人族はまだ耐えれるだけの戦力を持っている。
 まだこの国に集まるのには時間がかかるが、少なくとも魔物には対応できるはずだ」

「教皇様、忘れてませんか?他の国にも魔族が散ってる可能性が高いんですよ?予定通りに援軍が来るかもわかりませんよ?」

 俺もこんな不安材料を言いたくは無い。でもちゃんと認識しててくれないと困る。

「そうだったな。せめて勇者が召喚されれば魔族への備えになるだろうが。。。」

 一度は邪魔されたしね。
 勇者の力がどれだけかは知らないけど、各国に四人の魔族が配置されてると仮定すると最低でも四人を同時に相手取れる程度の力はあって欲しい。
 まあそれって俺と同じくらいの力があるってことだから難しいとは思うけど。

 何か特殊な対魔族的な力があると良いんだけどね。



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