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252 魔法が使えるって素晴らしい
しおりを挟む#252 魔法が使えるって素晴らしい
魔法が使えるというのが分かったのは大きな収穫だ。
やはり魔法に頼ってたのを認識したが、光もない場所でいくら剣の技量があってもどうしようもない。
さて、どちらに向かうか。右手法でゾンビを発見し、左手法でここまで来た。途中に曲がり角などはなかった。左側しかわからないが。
問題は俺はどっちから来たかだ。意識を失うようにして眠ったので、どっちから来たのかが分からなくなっている。
まあいいか。どのみち地図なんてないんだし。ここはやっぱりこれだな。
剣を真下に落とす。
うん、剣先は右をさしたな。なら右だ。
刺さったらどうしようかと思ってたのは内緒だ。
暗い中をわずかな明かりで進む。昨日?とは違い、少しでも見えるので安心感が違う。今ならゾンビでもなんでもござれだ。
ぷーん、ズルッズルッ。
匂いがひどいな。これはあれか。ゾンビか。
いやまあ、左手法で戻ったのを右手法で進めば同じ魔物がいるのは当然だな。剣が反対をさしてくれるのを望んでたんだけど。
「よし、暗いが明かりもある。剣もある。相手はゾンビ1体。タコ殴りにしてやる!」
自分に喝を入れると、ゾンビに切り掛かった。
ズバッ、ブチュッ。
ズバッ、ベチャッ。
戦うんじゃなかった。いや、無理してでも<神聖魔法>で倒した方が良かったかもしれない。剣を叩きつけるたびに腐肉が飛び散るのだ。
骨という骨を叩き潰すつもりで全身を殴りまくった。
おかげでゾンビは動かなくなったが、俺の服はゾンビの汁でぬめぬめだ。匂いがすごい。
魔力込めれば<インベントリ>も使えるかな?
<インベントリ>
無理か。そうだな。<インベントリ>は魔力関係ないんだった。
<アイテムボックス>は?
お、使えるな。何入れてたっけ?最近は<インベントリ>にばかり入れてたから覚えてないや。
薬草、薪、ハンカチ、フライパン、干し肉、水筒、汚れたパンツ、汚れた服、ナイフ、布袋。
薪に火をつけたら明かりがわりになるかな?換気とかどうなってるんだろう?
着替えは、、、汚れたパンツって、洗っとけよ過去の俺。<インベントリ>には新しい服もあったはずなんだけど。
まあ、ナイフは使えるか。一応服も着替えておこう。汚れた服でもゾンビの匂いがついた服、よりはマシなはずだ。
ゾンビを倒した後も右手法で進むと、突き当たった。
グズグズに崩れた扉だったようなものがある。今は役に立ってないが、元々は部屋だったのだろう。
灯りを先行させて中を確認すると、部屋の中には骨が散乱していた。机だったようなものや、椅子だったようなものもある。どれもグズグズに崩れているが。
骨が集まってスケルトン、なんてないよね?
スケルトンの出来る瞬間なんて誰も見たことが無いから、、、あれ?死霊魔術って存在しなかったはずだよな?なら何の魔法でアンデッド作るんだ?
<ステータス>
ふむ。<暗黒魔法>か<古代語魔法>が怪しいな。
どんな魔法があるか分からなかったから使ったことが無いが、この際、使ってみるか。
まずは<暗黒魔法>で、『スケルトンよいでよー』とか適当にほざいて魔力を込める。
すると、俺の手の周りにある骨だけが集まって分離し、30センチ程の骨の人形が出来た。
まあ、なんだ。骨の量からしてこのサイズは仕方ないな。うん。
むしろ、人型を取っている方を驚いた方がいいかもしれない。どこの部位の骨が材料だったのかは知らないけど、骨数本が分離して人型になるんだから。
ちゃんと人間と同じ動きが出来るから不思議だね。
右上げて、左上げないで、右下げて。。。
お、ちゃんと動くな。
いや、遊んでる場合じゃなかった。お人形さんごっこは時間のある時にやるべし。
とりあえず、死霊系の魔法は<暗黒魔法>だというのは分かったな。魔力ももったいないし、<古代語魔法>の検証は今度にしよう。
<暗黒魔法>を解除して、、、ん?魔力供与してないのに崩れないな。
右上げて、左上げないで、右下げて。。。
ちゃんと命令聞くな。
作るのにしか魔力は必要ないのか?それともこの空間が特殊なのか?魔力が非常に使いづらい空間だ、そういう事があってもおかしくない。
だけど、別に言うこと聞くだけで、自分で判断してくれる訳じゃないんだよな。何も言わないと動かないし。
「おどりつづけろー」
と適当に命令してみると、不思議な踊りを踊った。別に魔力が吸い取られる訳じゃないけど、カクカクと人形劇のような動きをする。俺の踊りに対するイメージの貧困さが影響してるのだろうか。
10分ほど眺めていただろうか。踊っていたスケルトンが突然崩壊した。骨も粉々になっている。
これは魔法の効果時間が切れたという事でいいのだろうか?
さっきは、風の刃数発分位しか魔力をつぎ込んでないので、この短さも納得だ。
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