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アルテミス

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185 魔法

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#185 魔法

俺は教会の図書室で読書に励んでいた。

この間はざっと見ただけだったが、他の本をじっくりと読みたかったからだ。
セルジュ様に頼んだら、すぐに許可が出た。

探しているのは魔法の本だ。
属性魔法の上級までは把握したので、他の魔法に関して書いたものを読みたかったのだ。
以前<神聖魔法>に関する本を見つけたが、概論しか書いてなかったのだ。それも神から賜った力、とかいう文章だった。ティッシュがわりにもならない。

よく探していくと、奥にあるものの方が古いらしい。なので、奥から順番に見ていく。

『古代語魔法に関する考察書』『精霊魔法の実在証明』『神聖魔法の初歩』

3冊見つかった。
まず<古代語魔法>に関して読んでみる。

<古代語魔法>は古代帝国で使われていた魔法で、現在の魔法よりずっと強力だった。しかし古代帝国が衰退するにつれ、戦乱が広がり、大規模攻撃魔法も何度も使われた。その結果、たくさんの魔法使いが死亡し、高位の魔法を伝えるものがいなくなった。
当時は師弟制度をとっており、各魔法は秘匿されていた。その中には沢山の人を転移させる魔法や、空を飛ぶ魔法、大規模攻撃魔法など、多岐にわたる。土を耕す魔法なんてのもあったらしい。

弟子たちが後に本を書いたが、あやふやな記述が多く、そのままやっても実行できなかったという。現在の魔法はこのあやふやな記述に基づき、独自に研究を重ねて作り出したそうだ。

当時使われていた高度な魔法を現在の魔法と区別するために、<古代語魔法>と呼んだ。


とあるが、それでは<古代語魔法>のスキルっておかしくない?同じ系列なら、同じスキルの高レベル版と考えるのが筋だよね?
まあ、現在<古代語魔法>のスキル持ちはいないらしいので問題になってないが。そのあやふやな記述を載せてもらえませんかね?自分で解読するんで。



次に<精霊魔法>だ。

まず、精霊の存在証明から始まった。精霊とは6属性それぞれにおり、下級、中級、上級、王と4段階に分かれる。
通常<精霊魔法>に使われるのは下級で、精霊の好む魔力を対価に魔法を駆使してもらう。これを<精霊魔法>という。
精霊の方が魔力の使い方がうまいので、人間が使う魔法よりも威力が大きくなる。ただ、イメージを伝えるのが難しいので精霊とのコミュニケーションが大事だ。

精霊魔法の起源は古代帝国まで遡り、ハイエルフが使ったとされる。現在ハイエルフは確認されてないが、エルフの中でも貴族に相当するのでは、という説もある。まあ、エルフ自体を見かけないんだが。

精霊は見ることができないと、話しかけれないので、コミュニケーションが取れず、結果として<精霊魔法>は使えない。空中に他の人が見えないものが見えたら、話しかけてみるといい。反応を返すのなら、精霊の可能性がある。

精霊は通常の魔法に関してもその力を発揮しているという説もある。
<精霊魔法>が精霊に協力してもらう魔法なら、属性魔法は精霊の特性を利用して現象を発現させているのだ。精霊はその属性ごとに実現できることが違う。その性質を逆に考え、出来ることを魔法陣によって限定し、強制的に事象を発現させる。それが属性魔法だ。

以上のことが現在通説となっている<精霊魔法>の基本だが、これらは全て実証されていない。<精霊魔法>を使えるものがいないからだ。証明できた暁には大賢者としてその名を記すだろう。


よくわからないと最初から言え。



次は<神聖魔法>の初歩だ。

まず、神の存在を信じよ。偉大な神は天地を創造し、我々もお造りになられた。偉大なる創造神は世界を管理するために、女神イシュタルを始め、複数の神を生み出した。
我々はまず創造神の加護を信じなけらばならない。全ての神の力は創造神にたどり着くのだから。

神は我々の成長を見守っていると言われている。その為、介入せず、自分たちで成長するのを期待している。<神託>は女神イシュタルの慈悲だ。成長する最中にひどく邪魔になるものを事前にお知らせくださり、成長を助けていただける。

神の加護とは神々が我々を見ている証拠だ。神々は我々に加護を与えることによって、その生き様を確認し、順調に成長しているかを見ている。だから加護のあるものが悪いことをすれば、神は我々が順調に育っていないと考え、いつか滅ぼされるかもしれない。
なので加護を持つものよ。その人生を神に捧げ、民を導く光となれ。


神さま偉いぞって話だね。
まあ、神様が見てるってのは賛成だけどさ。俺も<創造神の加護 MAX>持ってるし。なんか、成長しやすくなる効果があるみたいだしね。そういえば、他の神も加護を与えてるって言ってたな。他にも加護持ちがいるのかもしれない。



結局何もわからなかった。
分かったようで分からない。変な気分だ。

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