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157 世界の狭間で
しおりを挟む#157 世界の狭間で
ここはどこだ?
前も後ろも白。
角が見えないから、部屋の中ではないらしい。
白一辺倒だと時間感覚が狂うな。
どのくらい経ったのか分からないが、いつの間にか前に白ひげの爺さんが立っていた。
目を離した覚えはなかったが、時間感覚がおかしいので自信はない。
「フォッフォッフォッ」
なんか仙人みいな笑い方だ。どこかで聞いたことあるな。
「お主、なぜここにいるのかの?」
「ん?神様!」
「お主には限界を試してもらうために世界に行ってもらったはずじゃが、なぜこんな場所にいるのかの?」
「神様、みてなかったのですか?<転移>の魔法陣をいじった魔法陣で飛ばされたんです。どうも魔力が抜けてたようで、変に起動したみたいです。
それで、ここはまた神の世界ですか?」
「近いが違うの。どちらかといえば、世界の端じゃな。もう少し進んだら世界から放り出されるところじゃったぞ?」
「なんか、何万年も前の魔法使いが、異世界に帰るために作った魔法陣らしいのですが」
「ん?この世界にはお主以外に呼んだものはおらんはずじゃが。。。ちっと調べるか。。。ふむ、確かに数万年前に異世界から魂が入り込んでおるな。どこの隙間を抜けたのやら。
それより問題は魔法陣じゃな。そんなに簡単に世界を超えれるわけがないのじゃが。。。」
「これが魔法陣です」
俺は脳裏に魔法陣を思うかべる。
「ふむ。なるほど。<転移>の魔法陣をいじったか。しかも風化して違う意味合いになっておるの。これなら魔力さえあれば、確かに世界を『出れる』が他の世界に『入る』権利はないので、世界の狭間に放り出されるな。
元の正確な時の魔法陣だと、魂の属性に惹かれるのか。確かに異世界からの魂なら、元の世界に帰れる可能性はあるが、転移ではなく、転生になるの」
「それで、数万年前の人は元の世界に帰れたんでしょうか?」
「いや、魔力が足りずに、世界を越えられんかったようじゃ。術の途中で息を引き取っておるの。今はこの世界の輪廻に組み込まれ、今頃どこかで生まれ直しておるじゃろ」
「そうですか。。。それで俺はどうなるんでしょうか?」
「お主は、このまま戻ってレベル上げを続けてもらいたい。
今でもすでにlv10を超えるのが可能だと判明しているが、まだ足りん。
人間が神の階位に届くのか、、、まあ、届かんのならそれでも構わんがの。。。」
「神の階位ですか?」
「いや、忘れてくれ。じじいのたわごとじゃ」
「それで、私はいつまでレベル上げを続ければ良いのでしょうか?<不老>などつけて、まるで永遠にレベル上げをさせようという気が滲み出てますが?」
「それは誤解じゃ。<不老>でないと、レベルを上げている途中に寿命がきてしまう。それではお主を<不老>にしておいた。元の世界にじじいの格好で戻りたくはないじゃろ?」
「いえ、それはそれで問題があるというか。。。」
「なんじゃ、煮え切らんの。世間からの目が厳しいのであれば、100年くらい世俗から身を隠しておけば良いじゃろ?<不老>なんじゃから、うまく使わんか」
「まあ、そうなんですが。。。」
「なんにせよ、お主には期待しておるからの?ぜひレベルを上げておくれ」
「それなんですが、俺のレベルの上がり方、おかしくないですか?
他の人よりも上がるのが早いんですが?」
「ふむ、ちょっと待て。
、、、
、、、
、、、なるほど。
お主に与えたわしの祝福のせいかの。レベルが上がりやすくなっておる」
「それは今回のレベルの上限を調べる妨げになるのでは?」
「まあ、このくらい誤差じゃわい。わしの祝福は他におらんが、下級神の祝福なら得ておるものもおるでの。経験値100倍と違って、ちゃんとこの世界の理の中で行なっておる。なので問題ないわい」
「あと、魔力が異常なんですが。。。」
「それもわしの祝福のせいじゃな。体に収まる魔力の限界が引き上げられておる。そこにお主の魔力の循環によるレベル上げが加わり、魔力の密度が上がっておる。その為、1ポイントあたりの魔力が跳ね上がる結果になっとるの。
別にレベルに関係ないから、構わんぞ?
なんなら、その魔力で世界でも征服してみるか?わしは構わんぞ?下級神あたりには文句を言われそうじゃがな」
「いや、下級神とはいえ、神様に文句を言われちゃダメでしょう?人間の俺じゃどうしようもないですよ?」
「そうでもないがの。そなたがレベルを上げてれば、いつかは、、、いや、なんでもないぞ。とにかくレベルを上げることによる不利益はないはずじゃ。どんどんレベルを上げるが良い」
いや、下級神に文句を言われるのは俺なんですが。。。
「さあ、そろそろ戻さねば魂に影響が出るの。転移前の場所は魔力が渦巻いておるから、少し離れた場所に転移させるからの。あとは自力でなんとかしてくれ」
「はあ、わかりました。なんとかしましょう」
「では、頼むぞい」
意識がなくなった。。。
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