スキルを極めろ!

アルテミス

文字の大きさ
上 下
155 / 351

155 ヒャッハー

しおりを挟む

#155 ヒャッハー

皇宮から宿に移って1週間。

どうやら研究者たちが戻ってきたようだ。
まだ皇帝陛下からの中止命令、届いてないよね?皇子の判断で諦めたのかな?研究に行き詰まったのかな?

なんにせよ、これで遺跡を自由に調べれる。

<転移>

発動しない。。。
遺跡の部屋、レイアウト変えたのかな?俺のイメージと合ってないと、転移は発動しない。部屋のイメージが多少ずれてても方向や距離も含めて、大まかに合ってれば発動するはずなんだけど?
これは直接行かないとダメなやつか。

でも片道30日もかかるんだよね。
うーん、そうか、確か山脈は海まで続いてなかったはず。

「メアリー、北、いやここからなら南の山脈だが、東の端は海まで続いているのか?」

「いいえ、途切れているはずです。ただ、馬車で移動できるほど平坦ではないと聞いていますわ」

そうか、馬車では無理なのか。馬車の本体はともかく、馬は<インベントリ>に入らないしね。どうしたもんか。
遺跡に行った足でヤパンニの方向に南下すればいいと思ったんだけど。

「ですが、ヤパンニ王国に行くなら、東の端なんて通らなくてもいけますわよ?
山脈の東側に馬車の通れる街道があるはずですわ。それほど往来はありませんけど」

「そいか。道があるのか。ならそれで行こう」

「なんの話ですの?」

「ああ、帝国の東に遺跡があるらしくてな。一度行って見たいんだ。それが東の端の方でな。そのままヤパンニ王国に抜けれれば、と思ったわけだ」

「なるほど、それなら東の街道が良いですね。場所を聞いておきましょう」

「ああ、頼む」



「東の遺跡ですか。何があるんでしょうね?」

「ヤパンニ王国か。。。」

「ちょっと、クレア聞いてますか?」

「あ?ああ、すまないマリア、ちょっと聞いてなかった。なんだった?」

「いえ、もう大丈夫です」



俺たちは、帝都から東に向けて出発した。
帝都の周りは平和だが、離れるに従って、魔物も出始める。
もちろん、盗賊もだ。

「ヒャッハー、ここは通さねえぜ!」
「荷物置いてとっとと去りな!」
「ゲハハハハ、女は置いていけよ!」

10人ほどの集団が馬車の先を塞いでいる。


「何を言ってるんでしょうか?
ご主人様がなさらないなら、私がお仕置きしますが?」

マリアが結構怒っている。どこに怒るポイントがあったんだろう?

「いや、私が行こう。最近鈍ってきたからな。盗賊なら遠慮はいらない。思いっきりいける」

「それもそうですわね。私も参加しますわ」

「あ、それなら私も参加しますわ」

メアリーもリリアも参加する気満々だ。
やっぱりよくわからないが、どこに怒るポイントがあったんだろう?やっぱり『ヒャッハー』が良くないのかな?世紀末っぽいし。


「ああ、適当にな」

「ご主人様の許可が出ました。あなたたち、楽に死ねるとは思わないことです!」

やっぱりマリア怒ってるな。

「なあ、クレア、マリアは何に怒ってるんだ?」

「さあ?多分『ヒャッハー』かな?私もイラっときたからな」

「そうか、やはり『ヒャッハー』か。それなら仕方ないな」


「あべし!」「ヒデブッ!」


ふむ。やはりそっちだったか。
マリアだけでなく、メアリーとリリアも切り倒している。
今日はメアリーも剣らしい。普段、魔法主体なのに、剣で大丈夫か?確かスキル持ってなかったはずだが。

ふむ、大丈夫らしい。王族って女でも剣が必須なのかな?スキルにまで昇華してないということは、技術はそれほどでもないんだろうけど。盗賊には十分なんだろう。
リリアも二人ほど倒してるし。あ、マリアが3人目倒した。短剣って結構強いんだな。


「マリア、その辺にしろ、楽にしてやれ」

半殺しにした盗賊を短剣でグリグリしている。

「は、はい!」

グサッ

「わ、我が人生に、、、ガクッ」

最後の盗賊が死んだ。
最後まで言わせてやった方がよかったか?

「装備を剥いだら、道の横に積み重ねてくれ。焼いてしまおう」

汚物は消毒しないとね。


「ご主人様、盗賊たちの根城を聞いてあります。大してないとは思いますが、お宝を頂いておきましょう」

マリア、そんな性格だっけ?
それとも、それほど『ヒャッハー』が許せなかったのか?


「ああ、案内してくれ」

盗賊のアジトという場所に行くと、洞窟があった。ありがちではあるが、山荘なんてないだろうから、必然的にこうなるんだろうね。
盗賊は嘘を言わなかったらしい。

洞窟はそれほど広くなかったし、お宝も大してなかった。
だけど一つだけ褒めてやりたいことがあった。

半透明の魔石を持っていたのだ。
通常の魔石は石炭のように表面はザラザラしている。それが半透明で、ツルツルしているのだ。
俺の<鑑定>には『蓄魔石』と出ている。

どこから見つけてきたんだろうか?
こんな事なら、一人生かしておくんだったな。

「マリア、この魔石について、何か言ってなかったか?」

「いえ、申し訳ありません。聞いていません。今からでも拷問しますか?」

いや、もう死んでるし。

「いや、いい。先を急ごう」

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界召喚?やっと社畜から抜け出せる!

アルテミス
ファンタジー
第13回ファンタジー大賞に応募しました。応援してもらえると嬉しいです。 ->最終選考まで残ったようですが、奨励賞止まりだったようです。応援ありがとうございました! ーーーー ヤンキーが勇者として召喚された。 社畜歴十五年のベテラン社畜の俺は、世界に巻き込まれてしまう。 巻き込まれたので女神様の加護はないし、チートもらった訳でもない。幸い召喚の担当をした公爵様が俺の生活の面倒を見てくれるらしいけどね。 そんな俺が異世界で女神様と崇められている”下級神”より上位の"創造神"から加護を与えられる話。 ほのぼのライフを目指してます。 設定も決めずに書き始めたのでブレブレです。気楽〜に読んでください。 6/20-22HOT1位、ファンタジー1位頂きました。有難うございます。

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される

こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる 初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。 なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています こちらの作品も宜しければお願いします [イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]

加護とスキルでチートな異世界生活

どど
ファンタジー
高校1年生の新崎 玲緒(にいざき れお)が学校からの帰宅中にトラックに跳ねられる!? 目を覚ますと真っ白い世界にいた! そこにやってきた神様に転生か消滅するかの2択に迫られ転生する! そんな玲緒のチートな異世界生活が始まる 初めての作品なので誤字脱字、ストーリーぐだぐだが多々あると思いますが気に入って頂けると幸いです ノベルバ様にも公開しております。 ※キャラの名前や街の名前は基本的に私が思いついたやつなので特に意味はありません

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。

sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。 目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。 「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」 これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。 なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

どこかで見たような異世界物語

PIAS
ファンタジー
現代日本で暮らす特に共通点を持たない者達が、突如として異世界「ティルリンティ」へと飛ばされてしまう。 飛ばされた先はダンジョン内と思しき部屋の一室。 互いの思惑も分からぬまま協力体制を取ることになった彼らは、一先ずダンジョンからの脱出を目指す。 これは、右も左も分からない異世界に飛ばされ「異邦人」となってしまった彼らの織り成す物語。

異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!

夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。 ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。 そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。 視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。 二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。 *カクヨムでも先行更新しております。

無能スキルと言われ追放されたが実は防御無視の最強スキルだった

さくらはい
ファンタジー
 主人公の不動颯太は勇者としてクラスメイト達と共に異世界に召喚された。だが、【アスポート】という使えないスキルを獲得してしまったばかりに、一人だけ城を追放されてしまった。この【アスポート】は対象物を1mだけ瞬間移動させるという単純な効果を持つが、実はどんな物質でも一撃で破壊できる攻撃特化超火力スキルだったのだ―― 【不定期更新】 1話あたり2000~3000文字くらいで短めです。 性的な表現はありませんが、ややグロテスクな表現や過激な思想が含まれます。 良ければ感想ください。誤字脱字誤用報告も歓迎です。

処理中です...