12 / 351
012
しおりを挟む#012
1週間が経った。
オークを中心に狩っていた。
収支はとんとん。
二人とも力をつけてきており、クレアは身体lv28、マリアも身体lv18まで上がっている。
もともと二人とも訓練はしており、しばらく奴隷商店に缶詰されていたためにlvが上がってなかったが、素質はあったのだ。おまけに殆どの戦闘を二人に任せ、俺はいざという時に助けれる様に後ろで見ていただけだ。
俺の身体lvも30まで上がった。<剣術>もlv5だ。明らかに俺のレベルの上がり方が異常だ。ステータスも二人の10倍近い。
他の冒険者のステータスも<鑑定>して見たが、身体lvは及ばないが、ステータスはAランク冒険者より高い。
ほとんど戦闘をしていないのにlvが上がるのは、なぜだろうか?
魔法の方はlv10から上がっていない。いないが、循環している魔力は日に日に早くなっている。
魔力の強さや量も、大きくなっている。
そういえば、休日とした日に、一人で町の外に出て、魔法の練習をしてみたことがある。
北の森で木を相手に<風魔法>を放ったが、<魔力操作>で、出来るだけ込める魔力を減らしても、背後10本ほどまとめて切断した。
全力でやったら、見渡す限りの禿山とかになりかねない。
他の人の魔法は見たことがないので、はっきりとは分からないが、これが当たり前とは思えない。
<魔力操作>が上がったら、普通の威力の魔法が放てるかな。。。
<魔力操作>もlv10なんだけど。。。
因みに回復魔法も試してみた。ナイフで指先をちょっと切って、魔力を指先に集め、細胞を活性化させるイメージだ。
結果としてうまくいった。実際にどこまで回復できるのかは分からないが、<神聖魔法>もlv10だ悪くはならないだろう。
試しに、水を出すだけの初級魔法を魔力を絞って使ってみると、大樽をいくつもひっくり返したような量が出た。
飲み水が出せて便利だと思っていたので、強くなることで、不便になるとは思わなかった。
そんなある日、領主様から呼び出しがあった。
「わざわざ来てもらってすまない。
冒険者として依頼を受けてもらえないかと思って、呼び出させてもらった」
「私はDランクですが、私に指名依頼ですか?」
「あぁ、知らない高レベル冒険者よりも、知っている冒険者の方が信頼できる。
それに、君なら実力も問題ないだろう」
「評価してもらえるのは嬉しいですが、そんな理由でよろしいので?」
「あぁ、今回の依頼に関してはその方が望ましい」
「詳細を聞かせていただいても?」
「今度、娘のリリアが王都の学校に入学することになっている。
その護衛だ。もちろん騎士も他の冒険者も連れて行くが、馬車の中で一人は寂しいと言っておる。
学校に入るのにメイドを連れて行くわけにもいかんしな。
そこで、護衛というよりも、同行者としてお願いしたい。
無論、いざという時は護衛として働いてもらう。
正体を明かさずに護衛をして貰うのには理由がある。
先日、リリアが誘拐されかけた。犯人は捕まえたが、牢にいる間に歯に仕込んだ毒を飲んで死んでしまった。
毒を飲んで死ぬのは、非合法の組織の証明みたいなものだ。なので、再度誘拐を企んでいる可能性が高い。そこで君たちの出番だ。
雇った冒険者が取り込まれていないとは限らないのでな。
それにそなたは、最近、女奴隷を買ったと聞いておる。
リリアの世話をさせてくれるとありがたい。
なにせ、小さい頃からメイドに身の回りの世話をさせるのが当たり前になってしまって、家事の一つもできん。
花嫁修行をさせようと考えておったが、女騎士を連れて外出してばかりでな。
まぁ、花嫁修行自体は、学校で仕込まれるのでそれほど問題はないが」
「護衛期間と報酬はどうなりますでしょうか?」
「期間は王都との往復と王都滞在中だ。大体片道10日程度見ておいてくれると助かる。
報酬は基本金貨10枚。いざという時に戦闘に参加すればさらに10枚だ。
戦闘に参加するかどうかは、リリアが判断する」
「ふむ、特に問題はないですね。
その依頼受けましょう。正体を隠すなら、ギルドを通さない直接依頼の方が良いですね」
「そうしてくれると助かる。
出発は2日後。日の出前に我が家の門前に集合だ」
「了解しました」
俺は帰った後、2人に依頼を受けたことを話す。
「依頼自体は明後日だが、今日のうちに準備を始めたい。
食料やテントなどは用意してもらえるということだが、何かあっても困らない様に、自分たちの分は用意しておきたい。
お前たちは替えの服や、テント、食料などを買い込んできてもらいたい。
荷物自体はマジックバッグに入れておいてくれ」
銀貨20枚が入った袋とマジックバッグを渡す。
「では行ってまいります」
夕方になると、2人が帰ってきた。
それも、結構な量を抱えて。
「そんなに買い込んでどうした?」
「申し訳ありません、マジックバッグに入りきりませんでしたので、持ってまいりました」
「いや、買ったのは問題ないが、そんなに買うものがあったか?」
「はい。
ご主人様に不便をおかけしない様に、必要だと思われるものを予算内で購入してまいりました。
今回は馬車と聞いていますので、問題ないと思ったのですが」
「おいおい、依頼主の馬車だぞ、勝手に積める訳ないだろう」
「申し訳ありません、すぐに返してきます」
しゅん、となって返却してくるというマリア。
「といあえず、何買ったか見せてみろ」
宿屋の部屋で、マジックバッグの中身も含めて説明させる。
「こちらがご主人様の替えの服になります。
こちらはご主人様の身だしなみを整えるための鏡です。
こちらはご主人様の、、、
こちらもご主人様の、、、
、、、」
俺用のものばかりだった。
「お前たちの着替えはどうした?
買ってこいと言っただろう?」
「申し訳ありません、ご主人様のもろもろを揃えるのに予算を使ってしまったので。。。」
「ふぅ、、、仕方ない。
荷物はすぐに必要そうなものはマジックバッグに、それ以外は俺の<アイテムボックス>に入れる。
それと、明日、お前たちの服を買いに行くぞ」
0
お気に入りに追加
757
あなたにおすすめの小説
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
異世界召喚?やっと社畜から抜け出せる!
アルテミス
ファンタジー
第13回ファンタジー大賞に応募しました。応援してもらえると嬉しいです。
->最終選考まで残ったようですが、奨励賞止まりだったようです。応援ありがとうございました!
ーーーー
ヤンキーが勇者として召喚された。
社畜歴十五年のベテラン社畜の俺は、世界に巻き込まれてしまう。
巻き込まれたので女神様の加護はないし、チートもらった訳でもない。幸い召喚の担当をした公爵様が俺の生活の面倒を見てくれるらしいけどね。
そんな俺が異世界で女神様と崇められている”下級神”より上位の"創造神"から加護を与えられる話。
ほのぼのライフを目指してます。
設定も決めずに書き始めたのでブレブレです。気楽〜に読んでください。
6/20-22HOT1位、ファンタジー1位頂きました。有難うございます。
クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される
こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる
初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。
なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています
こちらの作品も宜しければお願いします
[イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]
加護とスキルでチートな異世界生活
どど
ファンタジー
高校1年生の新崎 玲緒(にいざき れお)が学校からの帰宅中にトラックに跳ねられる!?
目を覚ますと真っ白い世界にいた!
そこにやってきた神様に転生か消滅するかの2択に迫られ転生する!
そんな玲緒のチートな異世界生活が始まる
初めての作品なので誤字脱字、ストーリーぐだぐだが多々あると思いますが気に入って頂けると幸いです
ノベルバ様にも公開しております。
※キャラの名前や街の名前は基本的に私が思いついたやつなので特に意味はありません
異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。
どこかで見たような異世界物語
PIAS
ファンタジー
現代日本で暮らす特に共通点を持たない者達が、突如として異世界「ティルリンティ」へと飛ばされてしまう。
飛ばされた先はダンジョン内と思しき部屋の一室。
互いの思惑も分からぬまま協力体制を取ることになった彼らは、一先ずダンジョンからの脱出を目指す。
これは、右も左も分からない異世界に飛ばされ「異邦人」となってしまった彼らの織り成す物語。
無能スキルと言われ追放されたが実は防御無視の最強スキルだった
さくらはい
ファンタジー
主人公の不動颯太は勇者としてクラスメイト達と共に異世界に召喚された。だが、【アスポート】という使えないスキルを獲得してしまったばかりに、一人だけ城を追放されてしまった。この【アスポート】は対象物を1mだけ瞬間移動させるという単純な効果を持つが、実はどんな物質でも一撃で破壊できる攻撃特化超火力スキルだったのだ――
【不定期更新】
1話あたり2000~3000文字くらいで短めです。
性的な表現はありませんが、ややグロテスクな表現や過激な思想が含まれます。
良ければ感想ください。誤字脱字誤用報告も歓迎です。
◆完結◆修学旅行……からの異世界転移!不易流行少年少女長編ファンタジー『3年2組 ボクらのクエスト』《全7章》
カワカツ
ファンタジー
修学旅行中のバスが異世界に転落!?
単身目覚めた少年は「友との再会・元世界へ帰る道」をさがす旅に歩み出すが……
構想8年・執筆3年超の長編ファンタジー!
※1話5分程度。
※各章トップに表紙イラストを挿入しています(自作低クオリティ笑)。
〜以下、あらすじ〜
市立南町中学校3年生は卒業前の『思い出作り』を楽しみにしつつ修学旅行出発の日を迎えた。
しかし、賀川篤樹(かがわあつき)が乗る3年2組の観光バスが交通事故に遭い数十mの崖から転落してしまう。
車外に投げ出された篤樹は事故現場の崖下ではなく見たことも無い森に囲まれた草原で意識を取り戻した。
助けを求めて叫ぶ篤樹の前に現れたのは『腐れトロル』と呼ばれる怪物。明らかな殺意をもって追いかけて来る腐れトロルから逃れるために森の中へと駆け込んだ篤樹……しかしついに追い詰められ絶対絶命のピンチを迎えた時、エシャーと名乗る少女に助けられる。
特徴的な尖った耳を持つエシャーは『ルエルフ』と呼ばれるエルフ亜種族の少女であり、彼女達の村は外界と隔絶された別空間に存在する事を教えられる。
『ルー』と呼ばれる古代魔法と『カギジュ』と呼ばれる人造魔法、そして『サーガ』と呼ばれる魔物が存在する異世界に迷い込んだことを知った篤樹は、エシャーと共にルエルフ村を出ることに。
外界で出会った『王室文化法暦省』のエリート職員エルグレド、エルフ族の女性レイラという心強い協力者に助けられ、篤樹は元の世界に戻るための道を探す旅を始める。
中学3年生の自分が持っている知識や常識・情報では理解出来ない異世界の旅の中、ここに『飛ばされて来た』のは自分一人だけではない事を知った篤樹は、他の同級生達との再会に期待を寄せるが……
不易流行の本格長編王道ファンタジー作品!
筆者推奨の作品イメージ歌<乃木坂46『夜明けまで強がらなくていい』2019>を聴きながら映像化イメージを膨らませつつお読み下さい!
※本作品は「小説家になろう」「エブリスタ」「カクヨム」にも投稿しています。各サイト読者様の励ましを糧についに完結です。
※少年少女文庫・児童文学を念頭に置いた年齢制限不要な表現・描写の異世界転移ファンタジー作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる