上 下
72 / 79

第漆拾弐話 野営でお家出しちゃいます(後編)

しおりを挟む
 無限収納から家を出したときは、驚いていましたが今は、皆がリビングのソファーに座り、寛いでいます。

「夕食は、ハンバーグにしようと思ってますがいいですか?」

「「OK」」

「「「「「いいぞ(わ)」」」」」

「わかりました。じゃあ、ハンバーグには、ライスとパンどちらがいいですか?」 

「「「「ライス」」」

「「「パン」」」

 お母様、ミオさん、アナ以外は、ライスですね。
 私もパンよりライス派です。

「わかりました。ではハンバーグ作ってきますね。人数もいるし、たくさん食べる人もいるので、時間がかかると思うので、お風呂に入りたい人は、食事前に入ってもいいですよ。」

 私は、ハンバーグの仕込み作業をしながら皆にそう言った。

「「「「「!!」」」」

「……風呂もあるのか。」

「家なんですから、もちろんお風呂があるに決まっているじゃないですか。」

 ヒューイットさんは、何を当たり前のことを言っているのでしょうか。

「いいや、アオイ。お前こそ何言っているんだ。家に風呂があるのは当たり前ではないぞ。あるのは、王族、貴族、富裕層くらいだぞ。
宿だって、王族や貴族も泊まることがあるから一流ホテルにはあるが、高めの宿でなければ風呂はないから、安宿などは、金を払って桶にお湯を入れてもらって、タオルで体の汚れを拭くぐらしいかできないぞ。」

 ああ、そうだ。地球では、各家に風呂があるのが当たり前だから当たり前のように言っちゃったけど、この世界では、お金持ちでないと家にお風呂はないんした……

「そうだよ。アオイ。私の家にもお風呂ないよ。クランに入れてもらえたから家に帰る前にクランハウスになっているアオイの家のお風呂に入らせてもらっているけど、今までは、お湯を沸かしてタオルで拭くだけだったんだから。家族は今もそうだし……」

「わたしもそうですよ。紫電の翼は、パーティーハウスがあったわけではないので、リーダーとサブリーダー以外は、それぞれ実家や宿暮らしでしたから。」

「そうだった、そうだった。うっかりしていたよ。」

「そうだよな。アオイは、ずっと家に風呂がある生活環境なんだし、他の家に泊まったりもなかったんだろうし、一般区域のやつは、風呂がないのが普通だから風呂の話なんかしないから、知らなかったんだな。」

 ヒューイットさんの仰る通りです。

「はい。その通りです。アイラ、よかったら、アイラの家族もうちのお風呂にアイラと一緒に入ってもらってもいいよ。」

「本当に。じゃあ、この依頼が終わって家に帰ったら聞いてみる。」

 アイラは、嬉しそうだ。自分だけお風呂に入っているのを気にしていたのかもしれないな。

「女性陣はどうする?流石にクランメンバーでだとしても男に後は入るの嫌だろう?」

「何言っているんですか。お父様。男湯と女湯と二つあるに決まっているじゃないですか。」

「おお……そうか。この家もクランハウスと同じなのか。」

 家族ならともかく、知り合いではあるけど、他人ですからね。
 嫌な人もいるかも知れないので、無限収納にあった家を空間拡張して部屋数を増やしたりした際に、お風呂は、大人数で入れる大浴場を二つ作りましたよ。

 誰も食事前にお風呂に入る人はおらず、ハンバーグができるまで、皆は、ソファに座って雑談していた。
 ハンバーグが完成したので、皆は、食事をするためのテーブルに移動して、美味しいといいながら食べてくれた。
 ハンバーグは、レオン兄さん、ヒューイットさん、アイラは、特大サイズのハンバーグを二段重ねにして上に半熟目玉焼きのせ、お父様は、特大サイズ一つに目玉焼きのせ、その他は、普通サイズのハンバーグに一つに目玉焼きのせである。

 食事後に男女にわかれて、お風呂に入り、レオン兄さん、ヒューイットさん、ミオさんは一人部屋、お父様とお母様は二人部屋、私、アナ、アイラは、三人部屋でそれぞれ眠りに着いた。
 だだ、部屋決めの時に、レオン兄さんが、私と同じ部屋で寝たいと言い出したが、二人部屋は一つしかないと嘘をつき、回避した。
 部屋の鍵は、私が持っているので、それぞれに渡した部屋以外は、鍵がかかっていて入ることができないので、レオン兄さんは確認しようがないので、渋々、一人部屋に入っていった。
 クランハウスにも使っていない二人部屋があるから今度、一緒に寝てあげようかな……気が向いたら……
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界生活物語

花屋の息子
ファンタジー
 目が覚めると、そこはとんでもなく時代遅れな異世界だった。転生のお約束である魔力修行どころか何も出来ない赤ちゃん時代には、流石に凹んだりもしたが俺はめげない。なんて言っても、魔法と言う素敵なファンタジーの産物がある世界なのだから・・・知っている魔法に比べると低出力なきもするが。 そんな魔法だけでどうにかなるのか???  地球での生活をしていたはずの俺は異世界転生を果たしていた。転生したオジ兄ちゃんの異世界における心機一転頑張ります的ストーリー

女神スキル転生〜知らない間に無双します〜

悠任 蓮
ファンタジー
少女を助けて死んでしまった康太は、少女を助けて貰ったお礼に異世界転生のチャンスを手に入れる。 その時に貰ったスキルは女神が使っていた、《スキルウィンドウ》というスキルだった。 そして、スキルを駆使して異世界をさくさく攻略していく・・・ HOTランキング1位!4/24 ありがとうございます! 基本は0時に毎日投稿しますが、不定期になったりしますがよろしくお願いします!

転生幼女が魔法無双で素材を集めて物作り&ほのぼの天気予報ライフ 「あたし『お天気キャスター』になるの! 願ったのは『大魔術師』じゃないの!」

なつきコイン
ファンタジー
転生者の幼女レイニィは、女神から現代知識を異世界に広めることの引き換えに、なりたかった『お天気キャスター』になるため、加護と仮職(プレジョブ)を授かった。 授かった加護は、前世の記憶(異世界)、魔力無限、自己再生 そして、仮職(プレジョブ)は『大魔術師(仮)』 仮職が『お天気キャスター』でなかったことにショックを受けるが、まだ仮職だ。『お天気キャスター』の職を得るため、努力を重ねることにした。 魔術の勉強や試練の達成、同時に気象観測もしようとしたが、この世界、肝心の観測器具が温度計すらなかった。なければどうする。作るしかないでしょう。 常識外れの魔法を駆使し、蟻の化け物やスライムを狩り、素材を集めて観測器具を作っていく。 ほのぼの家族と周りのみんなに助けられ、レイニィは『お天気キャスター』目指して、今日も頑張る。時々は頑張り過ぎちゃうけど、それはご愛敬だ。 カクヨム、小説家になろう、ノベルアップ+、Novelism、ノベルバ、アルファポリス、に公開中 タイトルを 「転生したって、あたし『お天気キャスター』になるの! そう女神様にお願いしたのに、なぜ『大魔術師(仮)』?!」 から変更しました。

こちらの世界でも図太く生きていきます

柚子ライム
ファンタジー
銀座を歩いていたら異世界に!? 若返って異世界デビュー。 がんばって生きていこうと思います。 のんびり更新になる予定。 気長にお付き合いいただけると幸いです。 ★加筆修正中★ なろう様にも掲載しています。

転生王女は現代知識で無双する

紫苑
ファンタジー
普通に働き、生活していた28歳。 突然異世界に転生してしまった。 定番になった異世界転生のお話。 仲良し家族に愛されながら転生を隠しもせず前世で培ったアニメチート魔法や知識で色んな事に首を突っ込んでいく王女レイチェル。 見た目は子供、頭脳は大人。 現代日本ってあらゆる事が自由で、教育水準は高いし平和だったんだと実感しながら頑張って生きていくそんなお話です。 魔法、亜人、奴隷、農業、畜産業など色んな話が出てきます。 伏線回収は後の方になるので最初はわからない事が多いと思いますが、ぜひ最後まで読んでくださると嬉しいです。 読んでくれる皆さまに心から感謝です。

祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活

空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。 最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。 ――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に…… どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。 顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。 魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。 こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す―― ※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。

妹と歩く、異世界探訪記

東郷 珠
ファンタジー
ひょんなことから異世界を訪れた兄妹。 そんな兄妹を、数々の難題が襲う。 旅の中で増えていく仲間達。 戦い続ける兄妹は、世界を、仲間を守る事が出来るのか。 天才だけど何処か抜けてる、兄が大好きな妹ペスカ。 「お兄ちゃんを傷つけるやつは、私が絶対許さない!」 妹が大好きで、超過保護な兄冬也。 「兄ちゃんに任せろ。お前は絶対に俺が守るからな!」 どんなトラブルも、兄妹の力で乗り越えていく! 兄妹の愛溢れる冒険記がはじまる。

神に同情された転生者物語

チャチャ
ファンタジー
ブラック企業に勤めていた安田悠翔(やすだ はると)は、電車を待っていると後から背中を押されて電車に轢かれて死んでしまう。 すると、神様と名乗った青年にこれまでの人生を同情された異世界に転生してのんびりと過ごしてと言われる。 悠翔は、チート能力をもらって異世界を旅する。

処理中です...