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第伍拾捌話 養子縁組正式決定&六人目の転移魔法使い公表(中編)

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 私の養子縁組も正式に決まり、国王陛下にも王妃様にも気に入られた。

「国王陛下、よろしいでしょうか。アオイの魔法に関してなんですけど」

「アオイが魔力量八万で全属性なのは、冒険者ギルドから報告が来たが他に何かあるのか。」

 ああ、やっぱり規格外だからギルドも国に報告したんだ。

「はい。アオイは、転移魔法が使えることがわかりました。」

「「!!」」

 国王陛下が驚かれ、膝に乗せられているので顔は、見えませんでしたが、ビクンってなったので、王妃様も驚かれたのだろう。

「ですので、利用しようと考える者が現れる前に公表をお願いします。」

「そうだな。公爵家の養子であることで、そうそう手は出されないだろうが、転移魔法が使える子供がいるとしれば、愚かなことを考える者がでてくるだろうから、公表すれば法で守られるから厄介事は避けられるな。」
「王国と冒険者ギルドから全世界に通達して公表しよう。」

「アオイちゃん、公表されれば、安全だからしばらくは使うのはなるべく避けるのよ。」

「はい。レオンお兄様にもヒューイットさんにも言われましたので、大丈夫です。
もし転移魔法を使わなければ行けないときは、同じクランに加入しているので、ヒューイットさんに頼みます。」

「そうね。それがいいわ。」

 トラブルに巻き込まれないのが一番だからね。公表され法に守れていなければ、子供が転移魔法が使えると知れば、どんなことに利用されるかわかったものではない。
 さて、今回もお土産を持ってきている。

「貴族や富裕層の間で噂になっているらしいのですが、プリンという食べ物が一般区域で提供されているのですが、国王陛下と王妃様は知ってますか。」

「ああ、王城勤めの貴族たちから聞いて知っている。」

「これがそのプリンです。よかったら召し上がってください。多めにあるので、王子様や王女様にも召し上がっていただければと思います。」

「おお、それは済まないなあ。」

「残りは、皆さんで食べていただくとして、まずは、お二人に食べてください。」

「アオイちゃん、私たちの分は、無いのかしら。」

 流石にそんなわけないじゃないですか。国王陛下と王妃様だけ食べてて、それを羨ましそうに見ていたら、二人が食べにくいだろうからね。

「勿論、ありますよ。」

「流石、アオイちゃん。」

「美味しいわね。これなら噂になるわけね。」

「そうだな。」

「貴族が手を出してきたり来るのではないか。」

「そこは、大丈夫です。貴族区域に支店を出す予定でいます。
従業員は、我が家の使用人に頼みましたし、一般区域の店もヴァスカトール家が後ろ楯になるので、ちょっかいかけてくることはないでしょう。
いたとしたら破滅願望の者でしょうな。」

 レオン兄さんの提案でしたものですが、お父様が説明しました。

「確かにな。レオン。今度、一般区域の店に連れていってくれ。」

「国王陛下!!ダメですよ。貴族区域でもプリンは出しますから」

「他の料理は、貴族向けのものなのだろう。」

「そうですね。」

「私は、平民の食べ物も好きなのだ。」

「そうでしたね。」

「レオン、アオイ。ミッシェルはな、今、私をとめているが、若い頃は、私と一緒に一般区域に出掛けていたのだ。」
「一般区域の方が種類が豊富で、食べ応えのある物が多いからな。貴族向けの料理は、どれも似たような味付けだから飽きるのだ。」

「確かに……」

 お父様も若い頃は、やんちゃしてたのですね。それに納得しちゃっていいんですか。

「陛下。私も行きたいですわ。」

「ミッシェル、私も行きたいですわ。」

 お父様がしっかりとめないから、王妃様もお母様ものっかってきちゃったではないですか。
 お父様、お兄様、とめてくださいね。

「いいですね。いつにしましょう。」

 レオン兄さんが乗っかった。薄々は、そんな気はしていたけど……
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