49 / 79
第肆拾玖話 公爵家にて(後編)
しおりを挟む
レオンさんの話を聞いた、公爵家の方たちは驚いている。
「本当か。王都では、これが平民でも食べられるのか。」
「あなた。そんなことより、このプリンを作ったのが、アオイちゃんっていう方が重要よ。」
「そうなのか。」
「父上、母上の仰る通りです。重要なのは、アオイが作ったことです。」
「父上は、平民でも食べられると言われましたが、もしかしたら富裕層区域の者は、一般区域まで行き、食べたことがある者もいるかもしれませんが、貴族達は、一般区域には行きませんから貴族達は、口にしてません。」
「噂くらいは、広まっているかもしれませんが、わざわざ一般区域に行くことはないでしょうからね。テイクアウトができる店が出来れば、使用人命令するかもしれませんけどね。」
「確かにな。」
「そして、私がアオイが作ったことが重要と言っているのは、貴族が食べたことがない物を平民が店に行けば誰でも食べられるのです。
愚かな貴族が使用人を使い、店に、そしてアオイに手を出す可能性があるのです。
アオイには、魔法のこともありますからね。愚かな貴族は、調べさせてアオイを自分のものにようとする輩がいるかもしれません。富裕層区域にもそういう輩がいるでしょう。」
確かに、貴族や大商人なら調べるのは簡単だろうなと私は思った。
ダニエルさんやレガールで働く皆にも迷惑が……
「父上、そこで提案なのですが、アオイを公爵家の養子にし、一般区域の店の支店を貴族区域に出させるというのは、一般区域の店の方にも公爵家が後ろ楯になれば貴族や富裕層の抑止力になると思うのですが、どうでしょうか。」
「!!」
レオンさん、いきなり何言っているんですか。
私が公爵家の養子に……でもレガールの皆に迷惑がかけないようにするには、その方がいいのかも……
「そうだな。公爵家としては問題ない。魔法のこともあるし、他にも我らが知らぬ料理の知識などがあるだろうし、公爵家としては大歓迎だ。だが、アオイの気持ちも大切だ。
どうなのだ。アオイは、ヴァスカトール公爵家の養子になる気はあるのか。」
私の気持ちを尊重してくれる公爵様いい人だな。初めてあった私なんかのことを思ってくれるなんてさ。
自分や皆の安全を考えれば、それが一番安心できる選択だよな……
「はい。自分や皆のことを考えれば、それが一番だと思うので、私なんかで、よければよろしくお願いします。」
「わかった。歓迎しよう。ところで、誰の養子にするのだ。言い出したレオンか。」
「いいえ。父上の養子でお願いします。」
「そうね。うちは、男の子しかいないから私は、娘が欲しかったのよ。アオイちゃんかわいいし、レオンの意見に賛成よ。」
「私もレオン兄さんに賛成です。」
「私もレオン兄さんに賛成。私は、末っ子なので、妹ができるのは嬉しいです。」
皆、娘や妹が欲しいのか。男ばかりの兄弟だとそういう気持ちになるのかな。よくわからないけど
「わかった。私の養子としよう。」
こうして、私は、ヴァスカトール公爵家の養子になった。
初めて公爵家に来て、そのまま養子とか私、結構、流れに任せているな。
そして、お父様、お母様、レオンお兄様、ノリスお兄様、カールお兄様と呼んでみたら皆、嬉しそうにしていた。
あと、レオンお兄様から普段は、レオン兄さんと呼んで欲しいと言われた。
貴族ということを隠してはいないが、広める気はないからお兄様だと変だからとのことだった。
公爵家の皆は、泊まっていって欲しかったみたいだけど、当初の予定は、レオン兄さんの荷物を取りに来ただけなので、私とレオン兄さんは、王都に戻ると伝えたら寂しそうな顔をしていたので、また来ることと、よかったらそのうちに王都に遊びに来てはと提案したら笑顔に戻った。
私がまた来ると言った時にレオン兄さんは、ちょっと嫌そうな顔をしていたけど気にしないことにした。
きっと、公爵家を継げと皆から言われるのが嫌なんだろうな。
王都に戻ろうと思ったのだが、私は全属性だから、もしかしたら転移魔法使えるのではないかと思い、ステータスをチェックしたら、やっぱり転移魔法の文字があった。
なので、レオン兄さんに提案した。
「レオン兄さん、もしかしたらと思って、ステータス確認したら私、転移魔法使えるみたいなので、ゲートではなく、転移魔法で王都に戻りますか。結界があるから王都内には、転移できないので、王都の門の前に転移することなりますけど……」
「「「「「!!」」」」」
それを聞いた皆は、驚いていた。それはそうか。転移魔法は、世界に五人しか使える者がいないみたいだし、私が六人目になるのだから
「そうか。全属性だから収納も使えるし、空間魔法も使えるんだよな。」
「店の支店の話を王都の屋敷の使用人に話さないとならないが、俺だけで行くか、使用人たちをクランハウスに呼べば済むしな。
養子縁組が承認されて、公表するまでは、アオイは貴族区域になるべく近づかない方がいいからな。
使えるなら転移魔法で戻ろう。転移魔法だと入口で受付が必要だが、ゲートの場合でもゲートの使用手続きとか必要だからどちらも大してかわらないからな。」
「早速、帰るか。抱っこしてやる。」
転移魔法で一緒に転移するには、体に触れていなければならないので、ここぞとばかりにレオン兄さんは、私を抱っこした。
公爵家の皆も羨ましそうな顔をしている。
公爵家に来たときも私は、レオン兄さんに抱っこされていたけど、養子縁組の書類は書いたが、まだ提出し、承認が済んでないので正式に養子になったわけではないが、家族になるので、初対面の時とは気持ちが違うのかもしれないなと私は思った。
「はい。では行きますよ。転移。」
こうして、私とレオン兄さんは私の転移魔法で王都に戻り、入口で門番にギルドカードを見せ、王都内に入り、クランハウスになった屋敷に帰って来た。
色々話したり、養子縁組の書類を書いたりして、予定より遅くなったので、クランメンバー皆、戻ってきていた。
「本当か。王都では、これが平民でも食べられるのか。」
「あなた。そんなことより、このプリンを作ったのが、アオイちゃんっていう方が重要よ。」
「そうなのか。」
「父上、母上の仰る通りです。重要なのは、アオイが作ったことです。」
「父上は、平民でも食べられると言われましたが、もしかしたら富裕層区域の者は、一般区域まで行き、食べたことがある者もいるかもしれませんが、貴族達は、一般区域には行きませんから貴族達は、口にしてません。」
「噂くらいは、広まっているかもしれませんが、わざわざ一般区域に行くことはないでしょうからね。テイクアウトができる店が出来れば、使用人命令するかもしれませんけどね。」
「確かにな。」
「そして、私がアオイが作ったことが重要と言っているのは、貴族が食べたことがない物を平民が店に行けば誰でも食べられるのです。
愚かな貴族が使用人を使い、店に、そしてアオイに手を出す可能性があるのです。
アオイには、魔法のこともありますからね。愚かな貴族は、調べさせてアオイを自分のものにようとする輩がいるかもしれません。富裕層区域にもそういう輩がいるでしょう。」
確かに、貴族や大商人なら調べるのは簡単だろうなと私は思った。
ダニエルさんやレガールで働く皆にも迷惑が……
「父上、そこで提案なのですが、アオイを公爵家の養子にし、一般区域の店の支店を貴族区域に出させるというのは、一般区域の店の方にも公爵家が後ろ楯になれば貴族や富裕層の抑止力になると思うのですが、どうでしょうか。」
「!!」
レオンさん、いきなり何言っているんですか。
私が公爵家の養子に……でもレガールの皆に迷惑がかけないようにするには、その方がいいのかも……
「そうだな。公爵家としては問題ない。魔法のこともあるし、他にも我らが知らぬ料理の知識などがあるだろうし、公爵家としては大歓迎だ。だが、アオイの気持ちも大切だ。
どうなのだ。アオイは、ヴァスカトール公爵家の養子になる気はあるのか。」
私の気持ちを尊重してくれる公爵様いい人だな。初めてあった私なんかのことを思ってくれるなんてさ。
自分や皆の安全を考えれば、それが一番安心できる選択だよな……
「はい。自分や皆のことを考えれば、それが一番だと思うので、私なんかで、よければよろしくお願いします。」
「わかった。歓迎しよう。ところで、誰の養子にするのだ。言い出したレオンか。」
「いいえ。父上の養子でお願いします。」
「そうね。うちは、男の子しかいないから私は、娘が欲しかったのよ。アオイちゃんかわいいし、レオンの意見に賛成よ。」
「私もレオン兄さんに賛成です。」
「私もレオン兄さんに賛成。私は、末っ子なので、妹ができるのは嬉しいです。」
皆、娘や妹が欲しいのか。男ばかりの兄弟だとそういう気持ちになるのかな。よくわからないけど
「わかった。私の養子としよう。」
こうして、私は、ヴァスカトール公爵家の養子になった。
初めて公爵家に来て、そのまま養子とか私、結構、流れに任せているな。
そして、お父様、お母様、レオンお兄様、ノリスお兄様、カールお兄様と呼んでみたら皆、嬉しそうにしていた。
あと、レオンお兄様から普段は、レオン兄さんと呼んで欲しいと言われた。
貴族ということを隠してはいないが、広める気はないからお兄様だと変だからとのことだった。
公爵家の皆は、泊まっていって欲しかったみたいだけど、当初の予定は、レオン兄さんの荷物を取りに来ただけなので、私とレオン兄さんは、王都に戻ると伝えたら寂しそうな顔をしていたので、また来ることと、よかったらそのうちに王都に遊びに来てはと提案したら笑顔に戻った。
私がまた来ると言った時にレオン兄さんは、ちょっと嫌そうな顔をしていたけど気にしないことにした。
きっと、公爵家を継げと皆から言われるのが嫌なんだろうな。
王都に戻ろうと思ったのだが、私は全属性だから、もしかしたら転移魔法使えるのではないかと思い、ステータスをチェックしたら、やっぱり転移魔法の文字があった。
なので、レオン兄さんに提案した。
「レオン兄さん、もしかしたらと思って、ステータス確認したら私、転移魔法使えるみたいなので、ゲートではなく、転移魔法で王都に戻りますか。結界があるから王都内には、転移できないので、王都の門の前に転移することなりますけど……」
「「「「「!!」」」」」
それを聞いた皆は、驚いていた。それはそうか。転移魔法は、世界に五人しか使える者がいないみたいだし、私が六人目になるのだから
「そうか。全属性だから収納も使えるし、空間魔法も使えるんだよな。」
「店の支店の話を王都の屋敷の使用人に話さないとならないが、俺だけで行くか、使用人たちをクランハウスに呼べば済むしな。
養子縁組が承認されて、公表するまでは、アオイは貴族区域になるべく近づかない方がいいからな。
使えるなら転移魔法で戻ろう。転移魔法だと入口で受付が必要だが、ゲートの場合でもゲートの使用手続きとか必要だからどちらも大してかわらないからな。」
「早速、帰るか。抱っこしてやる。」
転移魔法で一緒に転移するには、体に触れていなければならないので、ここぞとばかりにレオン兄さんは、私を抱っこした。
公爵家の皆も羨ましそうな顔をしている。
公爵家に来たときも私は、レオン兄さんに抱っこされていたけど、養子縁組の書類は書いたが、まだ提出し、承認が済んでないので正式に養子になったわけではないが、家族になるので、初対面の時とは気持ちが違うのかもしれないなと私は思った。
「はい。では行きますよ。転移。」
こうして、私とレオン兄さんは私の転移魔法で王都に戻り、入口で門番にギルドカードを見せ、王都内に入り、クランハウスになった屋敷に帰って来た。
色々話したり、養子縁組の書類を書いたりして、予定より遅くなったので、クランメンバー皆、戻ってきていた。
10
お気に入りに追加
551
あなたにおすすめの小説
【完結】どうやら時戻りをしました。
まるねこ
恋愛
ウルダード伯爵家は借金地獄に陥り、借金返済のため泣く泣く嫁いだ先は王家の闇を担う家。
辛い日々に耐えきれずモアは自らの命を断つ。
時戻りをした彼女は同じ轍を踏まないと心に誓う。
※前半激重です。ご注意下さい
Copyright©︎2023-まるねこ
【完結】身売りした妖精姫は氷血公爵に溺愛される
鈴木かなえ
恋愛
第17回恋愛小説大賞にエントリーしています。
レティシア・マークスは、『妖精姫』と呼ばれる社交界随一の美少女だが、実際は亡くなった前妻の子として家族からは虐げられていて、過去に起きたある出来事により男嫌いになってしまっていた。
社交界デビューしたレティシアは、家族から逃げるために条件にあう男を必死で探していた。
そんな時に目についたのが、女嫌いで有名な『氷血公爵』ことテオドール・エデルマン公爵だった。
レティシアは、自分自身と生まれた時から一緒にいるメイドと護衛を救うため、テオドールに決死の覚悟で取引をもちかける。
R18シーンがある場合、サブタイトルに※がつけてあります。
ムーンライトで公開してあるものを、少しずつ改稿しながら投稿していきます。
噂好きのローレッタ
水谷繭
恋愛
公爵令嬢リディアの婚約者は、レフィオル王国の第一王子アデルバート殿下だ。しかし、彼はリディアに冷たく、最近は小動物のように愛らしい男爵令嬢フィオナのほうばかり気にかけている。
ついには殿下とフィオナがつき合っているのではないかという噂まで耳にしたリディアは、婚約解消を申し出ることに。しかし、アデルバートは全く納得していないようで……。
※二部以降雰囲気が変わるので、ご注意ください。少し後味悪いかもしれません(主人公はハピエンです)
※小説家になろうにも掲載しています
◆表紙画像はGirly Dropさんからお借りしました
(旧題:婚約者は愛らしい男爵令嬢さんのほうがお好きなようなので、婚約解消を申し出てみました)
壁の花令嬢の最高の結婚
晴 菜葉
恋愛
壁の花とは、舞踏会で誰にも声を掛けてもらえず壁に立っている適齢期の女性を示す。
社交デビューして五年、一向に声を掛けられないヴィンセント伯爵の実妹であるアメリアは、兄ハリー・レノワーズの悪友であるブランシェット子爵エデュアルト・パウエルの心ない言葉に傷ついていた。
ある日、アメリアに縁談話がくる。相手は三十歳上の財産家で、妻に暴力を働いてこれまでに三回離縁を繰り返していると噂の男だった。
アメリアは自棄になって家出を決行する。
行く当てもなく彷徨いていると、たまたま賭博場に行く途中のエデュアルトに出会した。
そんなとき、彼が暴漢に襲われてしまう。
助けたアメリアは、背中に消えない傷を負ってしまった。
乙女に一生の傷を背負わせてしまったエデュアルトは、心底反省しているようだ。
「俺が出来ることなら何だってする」
そこでアメリアは考える。
暴力を振るう亭主より、女にだらしない放蕩者の方がずっとマシ。
「では、私と契約結婚してください」
R18には※をしています。
西谷夫妻の新婚事情~元教え子は元担任教師に溺愛される~
雪宮凛
恋愛
結婚し、西谷明人の姓を名乗り始めて三か月。舞香は今日も、新妻としての役目を果たそうと必死になる。
元高校の担任教師×元不良女子高生の、とある新婚生活の一幕。
※ムーンライトノベルズ様にも、同じ作品を転載しています。
最低の屑になる予定だったけど隣国王子と好き放題するわ
福留しゅん
恋愛
傲慢で横暴で尊大な絶世の美女だった公爵令嬢ギゼラは聖女に婚約者の皇太子を奪われて嫉妬に駆られ、悪意の罰として火刑という最後を遂げましたとさ、ざまぁ! めでたしめでたし。
……なんて地獄の未来から舞い戻ったギゼラことあたしは、隣国に逃げることにした。役目とか知るかバーカ。好き放題させてもらうわ。なんなら意気投合した隣国王子と一緒にな!
※小説家になろう様にも投稿してます。
兄がいるので悪役令嬢にはなりません〜苦労人外交官は鉄壁シスコンガードを突破したい〜
藤也いらいち
恋愛
無能王子の婚約者のラクシフォリア伯爵家令嬢、シャーロット。王子は典型的な無能ムーブの果てにシャーロットにあるはずのない罪を並べ立て婚約破棄を迫る。
__婚約破棄、大歓迎だ。
そこへ、視線で人手も殺せそうな眼をしながらも満面の笑顔のシャーロットの兄が王子を迎え撃った!
勝負は一瞬!王子は場外へ!
シスコン兄と無自覚ブラコン妹。
そして、シャーロットに思いを寄せつつ兄に邪魔をされ続ける外交官。妹が好きすぎる侯爵令嬢や商家の才女。
周りを巻き込み、巻き込まれ、果たして、彼らは恋愛と家族愛の違いを理解することができるのか!?
短編 兄がいるので悪役令嬢にはなりません を大幅加筆と修正して連載しています
カクヨム、小説家になろうにも掲載しています。
ポンコツ女子は異世界で甘やかされる(R18ルート)
三ツ矢美咲
ファンタジー
投稿済み同タイトル小説の、ifルート・アナザーエンド・R18エピソード集。
各話タイトルの章を本編で読むと、より楽しめるかも。
第?章は前知識不要。
基本的にエロエロ。
本編がちょいちょい小難しい分、こっちはアホな話も書く予定。
一旦中断!詳細は近況を!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる