上 下
47 / 79

第肆拾漆話 部屋割りと引っ越し

しおりを挟む
 現在、皆が気に入り、クランハウスとなったこの屋敷で、一緒に暮らすことになった、レオンさん、ミーナさん、カイトさん、セナさん、アナさん、シアさん、クレアさん、ジークさんの八人の部屋割りを決めている。

 一番奥の部屋が私の部屋になっている。
 部屋の広さは、どの部屋も同じなので、ほとんどスムーズに部屋割りは、決まった。私の部屋の隣がレオンさん、レオンさんは、私の部屋がどこか聞くと即座に部屋を決めた。私の部屋の向かい部屋がミーナさん、反対側の奥の部屋がカイトさん、カイトさんの向かいの部屋がジークさん、ミーナさんの隣の部屋がシアさん、シアさんの部屋の隣がクレアさんと六人はすぐに決まったのだが……
 セナさんとアナさんは、十三歳と七歳の兄妹であるのだが、妹のアナさんは、部屋もたくさんあるし、宿屋でも故郷の家でも兄と同じ部屋だったので、一人部屋がいいみたいなのだが、兄のセナさんは、一人の時間を楽しむ時以外は皆、リビングに集まってたりするだろうし、部屋は寝るときなどぐらいだろうから部屋は広いし、今まで通り一緒の部屋でいいと言い争いをしていて、なかなか決まらないのだ。

 私としては、八人に各一部屋ずつ割り当てても部屋はまだ複数の空きがあるし、自分の部屋が欲しいというアナさんの気持ちがわかるからアナさんとセナさんは別の部屋でいいと思っている。
 他の人たちは、ノータッチで、納得するまで言い合ったらいいというスタンスのようで、それぞれ話をしている。
 なので、私が仲裁に入ることにした。
 まあ、完全にアナさんの味方だけど(笑)

「セナさん、アナさんも今までセナさんとずっと同じ部屋だったから自分一人の部屋が欲しいんだよ。きっと。部屋もまだ空きあるから別々でいいんじゃないかな。」

「でも一人だと心配じゃないか。」

「いやいや、同じ屋敷内で暮らすんだしさ。心配いらないと思うよ。」

「そうだよ。お兄ちゃん。」

「一人が心配なら、隣同士の部屋にすればいいんじゃないかな。アナさんは、別に隣同士でも問題ないよね。」

「うん一人の部屋ならお兄ちゃんの隣の部屋でもいいよ。」

「アナさんは、こう言っているよ。セナさん」

「わかった。それでいい。何かあったらちゃんと言えよ。わかったな。」

「うん。わかった。ありがとうアオイちゃん。私のことさんづけじゃなくていいよ。」
  
「別に気にしなくて大丈夫だよ。じゃあ、アナちゃんって、呼ぶことにするね。それでいいかな?」

「うん。」

「セナさん、兄妹アナちゃん、兄妹は仲良くね。セナさんも心配なのは、わかるけど心配し過ぎだと思うよ。」

「そうだな。アオイは、アナより年下なのに、何か大人に言われている感じがするな。」

 そりゃそうだ。私は、生前は三十歳まで生き、転生後、家族の記憶以外の前世の記憶を持ったまま四歳まで生きてきたのだ。合わせたら三十四歳なのだらね。

「そうかな。ただ兄妹なら仲良くした方がいいと思って言っただけだよ。」

 そして、カイトさんの部屋の隣がセナさんで、その隣の部屋がアナさんと決まり、これで、全員の部屋割りが決まった。
 ノータッチだったヒューイットさんが話しかけてきた。

「おお、やっと決まったか。」

「決まったよ。」

「ここで暮らす奴らが、ベッドとか家具は既に部屋にあるからいいとしても皆、服とか部屋に欲しいものあったりするみたいで、収納持ちの俺とケイン、ミオ、トムが荷物持ちをさせられることになったから買い物と宿屋のチェックアウトをしに行ってくる。」
「レオンも王都の屋敷には荷物をあまり置いてないから、実家から必要なものや自分の物をこの屋敷に運び込むつもりみたいだし、カイとライとハクはギルドにクランの設立手続きに行ってきてくれるらしい。ジークも収納持ちだから買い物に行くようだし、残りのメンバーも買い物やカイたちと一緒にギルドに行き依頼とか見てくるみたいだぞ。」
「アオイ、それにセナとアナはどうする。」

「ヒューイットさん、私も収納使えますが、四人もいれば十分過ぎるでしょうからどうしようかな」

「では、俺と公爵家に行こう。」

 レオンさんがそう言ってきた。
 でも貴族でない私が、公爵家に行って大丈夫なのだろうかと私は、ヒューイットさんを見る。

「それはいいかもな。アオイ、レオンと行ってこい。」

「わかりました。レオンさんと行ってきます。」

 本当にいいのかと思ったが、行くことにした。

「お兄ちゃん、私も宿屋じゃ荷物たくさん置けなかったから欲しいものあるし、買い物行きたい。」

「わかった。ヒューイットさん、俺たちも買い物に行きます。」

「わかった。レオン、何時頃に戻って来れそうだ。それに合わせて俺たちもも戻ってくるからよ。」

「ヒューイットさん、大丈夫です。これ合鍵です。買い物組は、ヒューイットさんとミオさんに合鍵渡しときますので、別れて買い物するのでしょうからヒューイットさんかミオさんに時間合わせればいいですね。ギルド組は、カイさんに渡しときますね。」

 こうして、買い物組、ギルド組、公爵家に行くレオンさんと私に分かれてそれぞれ出掛けることになった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界生活物語

花屋の息子
ファンタジー
 目が覚めると、そこはとんでもなく時代遅れな異世界だった。転生のお約束である魔力修行どころか何も出来ない赤ちゃん時代には、流石に凹んだりもしたが俺はめげない。なんて言っても、魔法と言う素敵なファンタジーの産物がある世界なのだから・・・知っている魔法に比べると低出力なきもするが。 そんな魔法だけでどうにかなるのか???  地球での生活をしていたはずの俺は異世界転生を果たしていた。転生したオジ兄ちゃんの異世界における心機一転頑張ります的ストーリー

いらないスキル買い取ります!スキル「買取」で異世界最強!

町島航太
ファンタジー
 ひょんな事から異世界に召喚された木村哲郎は、救世主として期待されたが、手に入れたスキルはまさかの「買取」。  ハズレと看做され、城を追い出された哲郎だったが、スキル「買取」は他人のスキルを買い取れるという優れ物であった。

こちらの世界でも図太く生きていきます

柚子ライム
ファンタジー
銀座を歩いていたら異世界に!? 若返って異世界デビュー。 がんばって生きていこうと思います。 のんびり更新になる予定。 気長にお付き合いいただけると幸いです。 ★加筆修正中★ なろう様にも掲載しています。

神の手違い転生。悪と理不尽と運命を無双します!

yoshikazu
ファンタジー
橘 涼太。高校1年生。突然の交通事故で命を落としてしまう。 しかしそれは神のミスによるものだった。 神は橘 涼太の魂を神界に呼び謝罪する。その時、神は橘 涼太を気に入ってしまう。 そして橘 涼太に提案をする。 『魔法と剣の世界に転生してみないか?』と。 橘 涼太は快く承諾して記憶を消されて転生先へと旅立ちミハエルとなる。 しかし神は転生先のステータスの平均設定を勘違いして気付いた時には100倍の設定になっていた。 さらにミハエルは〈光の加護〉を受けておりステータスが合わせて1000倍になりスキルも数と質がパワーアップしていたのだ。 これは神の手違いでミハエルがとてつもないステータスとスキルを提げて世の中の悪と理不尽と運命に立ち向かう物語である。

転生王女は現代知識で無双する

紫苑
ファンタジー
普通に働き、生活していた28歳。 突然異世界に転生してしまった。 定番になった異世界転生のお話。 仲良し家族に愛されながら転生を隠しもせず前世で培ったアニメチート魔法や知識で色んな事に首を突っ込んでいく王女レイチェル。 見た目は子供、頭脳は大人。 現代日本ってあらゆる事が自由で、教育水準は高いし平和だったんだと実感しながら頑張って生きていくそんなお話です。 魔法、亜人、奴隷、農業、畜産業など色んな話が出てきます。 伏線回収は後の方になるので最初はわからない事が多いと思いますが、ぜひ最後まで読んでくださると嬉しいです。 読んでくれる皆さまに心から感謝です。

祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活

空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。 最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。 ――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に…… どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。 顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。 魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。 こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す―― ※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。

異世界無知な私が転生~目指すはスローライフ~

丹葉 菟ニ
ファンタジー
倉山美穂 39歳10ヶ月 働けるうちにあったか猫をタップリ着込んで、働いて稼いで老後は ゆっくりスローライフだと夢見るおばさん。 いつもと変わらない日常、隣のブリっ子後輩を適当にあしらいながらも仕事しろと注意してたら突然地震! 悲鳴と逃げ惑う人達の中で咄嗟に 机の下で丸くなる。 対処としては間違って無かった筈なのにぜか飛ばされる感覚に襲われたら静かになってた。 ・・・顔は綺麗だけど。なんかやだ、面倒臭い奴 出てきた。 もう少しマシな奴いませんかね? あっ、出てきた。 男前ですね・・・落ち着いてください。 あっ、やっぱり神様なのね。 転生に当たって便利能力くれるならそれでお願いします。 ノベラを知らないおばさんが 異世界に行くお話です。 不定期更新 誤字脱字 理解不能 読みにくい 等あるかと思いますが、お付き合いして下さる方大歓迎です。

異世界転移したけど、果物食い続けてたら無敵になってた

甘党羊
ファンタジー
唐突に異世界に飛ばされてしまった主人公。 降り立った場所は周囲に生物の居ない不思議な森の中、訳がわからない状況で自身の能力などを確認していく。 森の中で引きこもりながら自身の持っていた能力と、周囲の環境を上手く利用してどんどん成長していく。 その中で試した能力により出会った最愛のわんこと共に、周囲に他の人間が居ない自分の住みやすい地を求めてボヤきながら異世界を旅していく物語。 協力関係となった者とバカをやったり、敵には情け容赦なく立ち回ったり、飯や甘い物に並々ならぬ情熱を見せたりしながら、ゆっくり進んでいきます。

処理中です...