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第肆拾壱話 久しぶりに……

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 ギルマスの話を聞いていると、誰が入ってきた。

「シルティー、アオイ、久しぶりだな。」

「シルティーって、呼ぶなと言っておろうが」

「ヒューイットさん、お久しぶりです。」

「ヒューイット、丁度いいところに来たのじゃ、はよう座って、話を聞くのじゃ。」

 ヒューイットさんに会うの久しぶりだな。そして、ヒューイットさんとギルマスのこのやり取りを見るのも(笑)

 ギルマスから座るように言われたヒューイットさんは私の隣に座った。

「でぇ、話ってなんだ。」

「まず、簡単な説明をするが、アオイの適性魔法が全属性で、魔力量が八万じゃった。」

「マジか。そりゃスゲえな。俺が魔法適性の鑑定を受けた時は、四属性で魔力量二万だったぞ。」

「それでも、十分過ぎるほど多いのじゃ。普通は初めてなら属性は一つか二つ、魔力量は五千くらいじゃ。魔力量は修練などで増やせるし、属性も増やせる属性や魔法もあるが、増やせん属性や魔法もあるし、Bランク以上に上がれる実力者でなければ、普通はいくら修練しても属性を増やすことは、出来んからな。」

 魔法適性の検査の時に説明されたけど、火、水、風、土、光、闇、聖、無と属性があるみたいだけど、普通は初めてだと属性は一つか二つなんだ。
 アイラは三つだったし、多い部類に入るんだな。魔力量は聞いてないからわからないけど。
 ヒューイットさんも多かったみたいだし、まあ私はそれ以上だけど……
 私には関係ないけど、後から習得できる属性や魔法もあるんだね。
 アイラも水属性あとから習得できたら、治癒魔法使えるようになったりしないのかな?聖属性はあとから習得できない感じがするんだよね。聖っていうくらいだから選ばれし者しか使えないって感じ、あとは無属性のヒューイットさんが使える転移魔法かな、世界に五人しかいないって言ってたし、これも追加習得できないやつだね。
 私には関係ないし、あとでヴィーナとかに聞いてもいいけど、今その話が出ているわけだし、丁度いいし、知識として知っておくのはいいことだから、聞いてみよう。

「あの……追加習得できる属性や魔法と追加習得できない属性や魔法ってなにがあるんてますか?」

「追加習得できるのは火、水、風、土、無の五属性じゃな、あとから習得できないのは光、闇、聖じゃ、はじめから持っているという条件で習得できるのは雷、氷じゃな。」

「追加習得できる属性の魔法は魔力量などにより習得できないこともあるが大体は習得可能じゃ、追加習得できないのは持ってない属性の魔法は当たり前じゃが、水属性の治癒魔法と無属性の空間魔法、例えば収納や転移などの魔法は習得出来んな。」

 水属性は追加習得できるけど、水属性の治癒魔法は追加習得できないのか。

「教えてくれてありがとうございます。」

「では、話の続きをするかの。というわけでじゃ色々なトラブルなどに巻き込まれる可能性が高いからどんな状況でもアオイを助け出せる力や地位のある者とパーティを組ませたいと話していた時にヒューイットが丁度来たのじゃ。」

「なるほどな。それで俺とアオイを組ませたいというわけか。」

「そうじゃ。ヒューイットが以前リーダーをしていたパーティにはあやつもいるしな。再結成しないにしても力にはなってくれるじゃろうの。」

「その事なんだがな。パーティの奴らとクランを設立することになってな。今はクランハウスをどうするか話し合っているところだ。」

 ヒューイットさんは、以前リーダーしていたパーティのメンバーたちとクランを設立するらしい。
 そうすると私はそこに入れないだろうし、どうしたものかな……

「そこにアオイを入れても問題ない感じなのか?」

「大丈夫だろう。Eランクの奴もいるって話だしな。」

 私も入れるのか。しかもEランクの冒険者もいるなら一緒に依頼受けたりできるかも。
 クランハウスを探しているのかな。それなら前は言えなかったけど、話してみようかな。

「ヒューイットさん、クランハウスを探しているの?」

「ああ、そうだ。中々いいとこ見つからなくってな。」

「じゃあ、私が住んでいる家(屋敷)をクランハウスにするのはどうですかね?」
「私、一人じゃ広すぎるし、部屋もたくさんあるし、そのクランに私も加入することになるのなら丁度いいかと……他のクランに加入される方たちにも見てもらって、話を聞いてみないといけないとは思いますけど……」

「ああ、あのデカい屋敷か。アオイがいいんならありがたいが、他の奴らにも聞いてみるか。顔合わせもしなくちゃだしな。」

「なんとなく、まとまった感じじゃな。クランは、ヒューイットがリーダーなのか?」

「ああ、そのつもりでいる。まだ決まっちゃいないがな。」

「じゃあ、そんな感じでよかろう。話がまとまってよかったのじゃ。ご苦労じゃったな。話しも済んだし、もう帰ってよいぞ。」

「おお」

「失礼します。ギルマス気をつかってもらいありがとうございます。」

「よいのじゃ、よいのじゃ。ではな。これからも頑張るのじゃぞ。」

「はい」

 ヒューイットさんがリーダーのクランに加入か。楽しみだな。どんな人たちがいるんだろう。
 まだ確定ではないが、私がヒューイットさんが設立するクランに加入するという事で、話しもまとまり、私とヒューイットさんは、ギルマスの部屋を退室して、一階へ向かった。
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