上 下
6 / 79

第陸話 森のクマさんに出会っちゃいました

しおりを挟む
 恐怖より、ダメ神への怒りが勝ってしまった私であったが、ターブルロンドという都市があるシュペルブ王国を目指して、まずはこの森の出口に向かって歩き始めることにした。

「疲れたぁ。ハァハァ ここら辺で少し休憩しよう。」

 しばらく歩いていたのがこの森、所々険しいとこ多すぎる。
 四歳児には絶対に無理だ。というか大人でも絶対無理だろう。
 こんな森を通ろうと思う人は、いないだろうから人の手が加えられてないので、整備されてないから急な斜面をかけ下りたりした。
 まぁ、四歳児である斜面をかけ下りるのに足の踏ん張りがきくわけがありません。
 かけ下りたといいましたが、そうですよ。ほとんど転がり落ちましたよ。

 疲れたと言っているだけで、なぜ無事なのかって、それは傷一つ負わない究極身体アルティメットボディーだからですよ。はい。
 でも、転がり落ちてばかりで、かなり目が回りました。

 ヴィーナが言うには、ここから先は平坦な道らしいので、只今休憩中です。

「!!」

 視界から見える木々が動いて、ガサガサって、音がしたのですが何かいるのでしょうかね。
 風であってほしかったのですが、そうは問屋が卸さないようです。
 突然、茂みから大きな影が……そしてうなり声が

「グガァァァッ ウゥゥッ ガァァッ グウゥッ」

 真っ赤な毛に被われた熊っぽい感じの魔獣?が現れた。
 私の知る熊の三倍くらいの大きさです。
 今にも襲いかかってきそうなのですが、驚いて腰が抜けて動けないのです。

 えぇ何、襲われそうなのに何でそんなに冷静なのかって、それは私には、究極身体アルティメットボディーと絶対防御があるから襲われて、攻撃されても死ぬことも怪我することもないからです。
 ただ、襲われる恐怖はあるので、冷静を装おっているだけで、怖いですし、かなりビビってます。

「ガサガサ ガサガサガサァ」

「!!」
 後ろの方の茂みが揺れる音がまたしました。
 もう一頭いるのでしょうか。挟み撃ちか!! 何やら叫び声がします。

「は#く?#げろ~、な@$\+&だぁ~」
 動物や魔獣の声じゃないみたいです。何と言っているかはわかりませんが、所々、聞き取れるので、人が何やら叫んでいるようです。

「グガァァァッ ウゥゥッ ガァァッ グウゥッ グガァァァッ ウゥゥッ ガァァッ グウゥッ」
 熊っぽい魔獣?が襲いかかってきました。

「ドドドカ~ン」
 魔獣が目の前まで迫り、右腕の爪で私を攻撃しようとした瞬間、魔獣?の顔に火の玉が直撃しました。

「グガァァァッ ウゥゥッ ガァァッ グウゥッ グガァァァッ ウゥゥッ ガァァッ グウゥッグガァァァッ ウゥゥッ ガァァッ グウゥッ グガァァァッ ウゥゥッ ガァァッ グウゥッ……」
「ドォドドドタン」

 魔獣は突然の攻撃にすごく痛がっている隙をつき、男が魔獣に向かっていって、首を剣で切り伏せ魔獣?は悲鳴も上げることもできず絶命した。
 そして、男は振り返り私に近づいてきて、怒りのこもった声で私に問いかけてきた。

「何で、襲われそうになっているのに、しかも俺が早く逃げろと叫んだのに逃げなかったんだぁ。」

「驚いて、腰が抜けてしまって、逃げ出せなかったんです。あと誰かが何かを叫んでいるのは気づいたけど、何を言っているのか全然、聞き取れなかったんですよ。仕方ないじゃないですか。」
「もし、私が逃げ出してたとしも、私は子供なので、すぐに追いつかれて殺られてましたよ。きっと。」

 私は、男からのなぜ逃げなかったのかという問いに隠す事でもないので、逃げれなかった理由を正直に答えた。
 そして、スキルがあるので私は、魔獣に殺される事はないだろう。
 なので一般的に考えて、子供が魔獣に襲われそうになり、その場から逃げ出したとしても助かる可能性はかなり低いであろうから逃げれていても意味がなかったということを伝えた。
 助けてもらったからと言って、初対面の人に自分のスキルを話すのは、デメリットしかないからである。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜

犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中にいた。 馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出す。周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっており、自分だけ助かっていることにショックを受ける。 大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。 精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。 人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。

異世界転生は、0歳からがいいよね

八時
ファンタジー
転生小説好きの少年が神様のおっちょこちょいで異世界転生してしまった。 神様からのギフト(チート能力)で無双します。 初めてなので誤字があったらすいません。 自由気ままに投稿していきます。

異世界転移したけど、果物食い続けてたら無敵になってた

甘党羊
ファンタジー
唐突に異世界に飛ばされてしまった主人公。 降り立った場所は周囲に生物の居ない不思議な森の中、訳がわからない状況で自身の能力などを確認していく。 森の中で引きこもりながら自身の持っていた能力と、周囲の環境を上手く利用してどんどん成長していく。 その中で試した能力により出会った最愛のわんこと共に、周囲に他の人間が居ない自分の住みやすい地を求めてボヤきながら異世界を旅していく物語。 協力関係となった者とバカをやったり、敵には情け容赦なく立ち回ったり、飯や甘い物に並々ならぬ情熱を見せたりしながら、ゆっくり進んでいきます。

まさか転生? 

花菱
ファンタジー
気付いたら異世界?  しかも身体が? 一体どうなってるの… あれ?でも…… 滑舌かなり悪く、ご都合主義のお話。 初めてなので作者にも今後どうなっていくのか分からない……

【コミカライズ化決定!!】気づいたら、異世界トリップして周りから訳アリ幼女と勘違いされて愛されています

坂神ユキ
ファンタジー
 サーヤこと佐々木紗彩は、勤務先に向かっている電車に乗っていたはずがなぜか気づいたら森の中にいた。  田舎出身だったため食料を集めれるかと思った彼女だが、なぜか図鑑では見たことのない植物ばかりで途方に暮れてしまう。  そんな彼女を保護したのは、森の中に入ってしまった魔物を追ってきた二人の獣人だった。  だが平均身長がニメートルを普通に超える世界において、成人女性の平均もいっていないサーヤは訳ありの幼女と勘違いされてしまう。  なんとか自分が人間の成人女性であることを伝えようとするサーヤだが、言葉が通じず、さらにはこの世界には人間という存在がいない世界であることを知ってしまう。  獣人・魔族・精霊・竜人(ドラゴン)しかいない世界でたった一人の人間となったサーヤは、少子化がかなり進み子供がかなり珍しい存在となってしまった世界で周りからとても可愛がられ愛されるのであった。  いろいろな獣人たちをモフモフしたり、他の種族に関わったりなどしながら、元の世界に戻ろうとするサーヤはどうなるのだろうか?  そして、なぜ彼女は異世界に行ってしまったのだろうか? *小説家になろうでも掲載しています *カクヨムでも掲載しています *悪口・中傷の言葉を書くのはやめてください *誤字や文章の訂正などの際は、出来ればどの話なのかを書いてくださると助かります 2024年8月29日より、ピッコマで独占先行配信開始!! 【気づいたら、異世界トリップして周りから訳アリ幼女と勘違いされて愛されています】 皆さんよろしくお願いいたします!

器用貧乏の意味を異世界人は知らないようで、家を追い出されちゃいました。

武雅
ファンタジー
この世界では8歳になると教会で女神からギフトを授かる。 人口約1000人程の田舎の村、そこでそこそこ裕福な家の3男として生まれたファインは8歳の誕生に教会でギフトを授かるも、授かったギフトは【器用貧乏】 前例の無いギフトに困惑する司祭や両親は貧乏と言う言葉が入っていることから、将来貧乏になったり、周りも貧乏にすると思い込み成人とみなされる15歳になったら家を、村を出て行くようファインに伝える。 そんな時、前世では本間勝彦と名乗り、上司と飲み入った帰り、駅の階段で足を滑らし転げ落ちて死亡した記憶がよみがえる。 そして15歳まであと7年、異世界で生きていくために冒険者となると決め、修行を続けやがて冒険者になる為村を出る。 様々な人と出会い、冒険し、転生した世界を器用貧乏なのに器用貧乏にならない様生きていく。 村を出て冒険者となったその先は…。 ※しばらくの間(2021年6月末頃まで)毎日投稿いたします。 よろしくお願いいたします。

10歳で記憶喪失になったけど、チート従魔たちと異世界ライフを楽しみます(リメイク版)

犬社護
ファンタジー
10歳の咲耶(さや)は家族とのキャンプ旅行で就寝中、豪雨の影響で発生した土石流に巻き込まれてしまう。 意識が浮上して目覚めると、そこは森の中。 彼女は10歳の見知らぬ少女となっており、その子の記憶も喪失していたことで、自分が異世界に転生していることにも気づかず、何故深い森の中にいるのかもわからないまま途方に暮れてしまう。 そんな状況の中、森で知り合った冒険者ベイツと霊鳥ルウリと出会ったことで、彼女は徐々に自分の置かれている状況を把握していく。持ち前の明るくてのほほんとしたマイペースな性格もあって、咲耶は前世の知識を駆使して、徐々に異世界にも慣れていくのだが、そんな彼女に転機が訪れる。それ以降、これまで不明だった咲耶自身の力も解放され、様々な人々や精霊、魔物たちと出会い愛されていく。 これは、ちょっぴり天然な《咲耶》とチート従魔たちとのまったり異世界物語。 ○○○ 旧版を基に再編集しています。 第二章(16話付近)以降、完全オリジナルとなります。 旧版に関しては、8月1日に削除予定なのでご注意ください。 この作品は、ノベルアップ+にも投稿しています。

家族に無能と追放された冒険者、実は街に出たら【万能チート】すぎた、理由は家族がチート集団だったから

ハーーナ殿下
ファンタジー
 冒険者を夢見る少年ハリトは、幼い時から『無能』と言われながら厳しい家族に鍛えられてきた。無能な自分は、このままではダメになってしまう。一人前の冒険者なるために、思い切って家出。辺境の都市国家に向かう。  だが少年は自覚していなかった。家族は【天才魔道具士】の父、【聖女】の母、【剣聖】の姉、【大魔導士】の兄、【元勇者】の祖父、【元魔王】の祖母で、自分が彼らの万能の才能を受け継いでいたことを。  これは自分が無能だと勘違いしていた少年が、滅亡寸前の小国を冒険者として助け、今までの努力が実り、市民や冒険者仲間、騎士、大商人や貴族、王女たちに認められ、大活躍していく逆転劇である。

処理中です...