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本編
第86話 依頼は受けないのですか?
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王妃殿下と一緒にギルドにやって来たのだが……
「ふぅあ……お酒呑むの久しぶりだから……ギルドの酒場のお酒でも格別に美味しく感じるわ」
「元気になったとはいえ、病み上がりなんですから呑みすぎないでくださいよ。
ギルドに行くと言われたので、てっきり依頼を受けるのかと思いましたよ」
「今日は、こっちよ。依頼は明日から」
グラスを少し上げて、王妃殿下は幸せそうに言った。
「折角、冒険者の格好にきがえてましたのに」
「依頼をしに来たわけではないのにドレスだと場違いでしょう」
確かにそうの通りですね。ギルドの酒場にドレス姿……まったく合わない。
明日、依頼受けるのか……王妃殿下に何かあったら大変だから、アナリスさん、ルシフェル、マロンさんにも一緒に来てもらおう。
パーティー組んでいるわけだし、問題はないだろう。マロンさんが緊張することになる以外。
「あんた、始めてみる顔だけどいい呑みっぷりだね」
Bランク冒険者のダニエルさんが呑んでいる王妃殿下に近づいて話しかけた。
普通なら相手は王妃殿下なのだから不敬なんだけど、王妃殿下も特に気にしていないようなので、許されているということだ。
「ちょっと、病気しててね。お酒呑めなかったし、久しぶりにギルドに来たかったのよね。
王都のギルドだと騒ぎになってしまうから」
「王都からきたのかい」
ギルド職員の誰かが知らせに行ったのだろうか?二階からギルマスが降りて、手招きしてきた。
私に来いってことですね。
「アイリス嬢。なぜここいるはずのない御方がいるんじゃ?」
「家出してきたそうです。王城には、カゲトラさんに知らせに行ってもらったので大丈夫かと……
依頼を受けるのかと思ってきたのですが、違ったみたいです」
私は、ギルマスに簡単に経緯を説明した。
それを聞いたギルマスは、顔を引きつらせたあと、軽く私を睨んできたが、私の所為ではない。
「とりあえず、挨拶してくるかの。
しかし、ダニエルのやつは、知らないとはいえ、王妃殿下にあの態度とは、自殺願望でもあるのか?」
「まあ、王妃殿下も気にしてないですし、大丈夫なんじゃないですか。
口説いたりしたらどうなるかわかりませんけどね」
「問題が起きる前に行った方がいいじゃろな」
そう言って、ギルマスは王妃殿下のテーブルに向かおうとしたので、私も着いていった。
「お久しぶりです。お元気になられたようで、なりよりです」
「あら、ハーレさんじゃない。あなたがここのギルマスだったのね。
一緒に依頼受けていた頃が懐かしいわ」
「ギルマス。こちらの別嬪さんとお知り合いなんですか?」
ダニエルさんの発言にギルマスは、黙ってダニエルさんの頭に拳骨を落とした。
「痛った……何するんですかギルマス」
「申し訳ございません。王妃殿下」
「……おおお王妃殿下ぁ~!!」
「いいのですよ。ハーレさん。気にしておりませんし、今は王妃ではなく、Aランク冒険者のクリスティーナですからね」
「そうか……では、そちらを呑み終えたら、一緒にワシの部屋に来てもらえんかな」
「わかりましたわ」
さぁ~て、私は何か依頼がないかクエストボードを見に行こうかな。
「アイリス嬢。お主も一緒にな」
二人で話すと思い、クエストボードを見に行こうとしたらギルマスに止められた。
「ふぅあ……お酒呑むの久しぶりだから……ギルドの酒場のお酒でも格別に美味しく感じるわ」
「元気になったとはいえ、病み上がりなんですから呑みすぎないでくださいよ。
ギルドに行くと言われたので、てっきり依頼を受けるのかと思いましたよ」
「今日は、こっちよ。依頼は明日から」
グラスを少し上げて、王妃殿下は幸せそうに言った。
「折角、冒険者の格好にきがえてましたのに」
「依頼をしに来たわけではないのにドレスだと場違いでしょう」
確かにそうの通りですね。ギルドの酒場にドレス姿……まったく合わない。
明日、依頼受けるのか……王妃殿下に何かあったら大変だから、アナリスさん、ルシフェル、マロンさんにも一緒に来てもらおう。
パーティー組んでいるわけだし、問題はないだろう。マロンさんが緊張することになる以外。
「あんた、始めてみる顔だけどいい呑みっぷりだね」
Bランク冒険者のダニエルさんが呑んでいる王妃殿下に近づいて話しかけた。
普通なら相手は王妃殿下なのだから不敬なんだけど、王妃殿下も特に気にしていないようなので、許されているということだ。
「ちょっと、病気しててね。お酒呑めなかったし、久しぶりにギルドに来たかったのよね。
王都のギルドだと騒ぎになってしまうから」
「王都からきたのかい」
ギルド職員の誰かが知らせに行ったのだろうか?二階からギルマスが降りて、手招きしてきた。
私に来いってことですね。
「アイリス嬢。なぜここいるはずのない御方がいるんじゃ?」
「家出してきたそうです。王城には、カゲトラさんに知らせに行ってもらったので大丈夫かと……
依頼を受けるのかと思ってきたのですが、違ったみたいです」
私は、ギルマスに簡単に経緯を説明した。
それを聞いたギルマスは、顔を引きつらせたあと、軽く私を睨んできたが、私の所為ではない。
「とりあえず、挨拶してくるかの。
しかし、ダニエルのやつは、知らないとはいえ、王妃殿下にあの態度とは、自殺願望でもあるのか?」
「まあ、王妃殿下も気にしてないですし、大丈夫なんじゃないですか。
口説いたりしたらどうなるかわかりませんけどね」
「問題が起きる前に行った方がいいじゃろな」
そう言って、ギルマスは王妃殿下のテーブルに向かおうとしたので、私も着いていった。
「お久しぶりです。お元気になられたようで、なりよりです」
「あら、ハーレさんじゃない。あなたがここのギルマスだったのね。
一緒に依頼受けていた頃が懐かしいわ」
「ギルマス。こちらの別嬪さんとお知り合いなんですか?」
ダニエルさんの発言にギルマスは、黙ってダニエルさんの頭に拳骨を落とした。
「痛った……何するんですかギルマス」
「申し訳ございません。王妃殿下」
「……おおお王妃殿下ぁ~!!」
「いいのですよ。ハーレさん。気にしておりませんし、今は王妃ではなく、Aランク冒険者のクリスティーナですからね」
「そうか……では、そちらを呑み終えたら、一緒にワシの部屋に来てもらえんかな」
「わかりましたわ」
さぁ~て、私は何か依頼がないかクエストボードを見に行こうかな。
「アイリス嬢。お主も一緒にな」
二人で話すと思い、クエストボードを見に行こうとしたらギルマスに止められた。
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