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2020年 夏

夏 水無月5日 TL漫画『狂王子の歪な囚愛』

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 朝からコメダ珈琲で、アイスコーヒーを飲んで幸せ。
 たまにとてもここのコーヒーを飲みたくなる。

 正直、コーヒーは好きではないから、ネスカフェのボトルコーヒーの微糖以外であんまりおいしいと思ったことがないのだが、ここで初めて珈琲を飲んで衝撃を受けた。

 お、おいしい……!

 それ以来、たびたび珈琲目当てで足を運ぶ。
 量が多い食事も目当てだが、今回はおまけのパンで済ませた。

 買い出しを終わらせてから帰宅すると、のんびり過ごしていた。

 私の休日は不定期だが、平日にお休みのほうがうれしい。他の部屋が出払っているから、静かに過ごせるのだ。


 キンドルアンリミテッドの一覧を見ていたら、『狂王子の歪な囚愛』というティーンズラブコミックを見つけた。

 ムーンを閲覧していると広告漫画が出るが、だいぶ前にこの作品を見かけた。

 国を荒らす魔物を討伐し終えて、勇者として凱旋した主人公は、姫との婚姻を望むが、薬で女体化させられて、四人の王子の共有妻にされることに。

 勇者というキーワードで興味を惹かれたが。
 「うわあ、げすな人達にもて遊ばれてバッドエンドなやつかな? ヤンデレ苦手だから無理だわ」と思って読まなかったのだ。

 キンリミであるなら見てみようと最後まで読んで、「すげーー、何これ、すげえええ」となった。終わった後、しばらく無言だった。
 すごい話だった。
 ただのエロスだけの漫画じゃなかった。

 名作じゃない? すごい……。
 こんな言葉しか出てこない、語彙力のなさをうらみますよ。

 肉体的には男女愛だけど、精神的にはBLなのこれ? 


 読み進めるうちに、彼らの状況が分かってきて、ストーリーに深みを増していく。
 
 残虐に思えた第一王子は、ただ残酷ではなく、父王の仕打ちのせいで、真面目ゆえに壊れてしまった人で、ひたすらかわいそうだった。

 こんな王宮で正気をたもつほうが無理でしょって思ったくらいですよ。

 暗すぎる闇の中に、主人公という光が差し込んでる。
 狂気と、愛と救いと、勇者であることがバランスよく立っていて。光と闇が並んで、バランスとってるといえばいいの?

 なんかもう、すごかったー!

 こんなすごいTL漫画、初めて読んだよ…。


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