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5章・初登校
057・トリプルフリーオークション
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「こ、こんなレアな魔道具、一体どこで手に入れられたのよ、理緒!?
この記憶カード、一枚しか持っていないの?も、もしまだ持っていたらさ、
一枚だけでも良いのでお姉ちゃんに譲ってくれないかな!も、勿論、
お金は理緒の言い値でお払いしちゃうからさぁ~っ!」
サクヤから貰った記録媒体カードをキラキラさせた両の瞳で、桜が
このカードの出所を理緒に訊ねてくる。
「え、えっと。そ、そのゴメンなさい、桜お姉ちゃん。その記憶カード、
一枚しか貰っていないんだよ......」
「そ、そうなんだ。それはとても残念だ......ガクリ」
理緒の言葉に、桜が落ち込む様にガクッと項垂れてしまう。
「じゃ、じゃあさ、このカードを一体どこで誰から手に入れた貰った
物かを教えてくれないかな?アタシの方でこのカードを貰った人と
交渉するからさ!ねっ!」
桜がまだ諦められないといった表情で、切望する表情で理緒に顔を
近づけると、手渡された記憶カードの出どころを切望してくる。
「えっと...そ、それは.......その......こ、このカードは.........」
......う~ん、
桜お姉ちゃんには悪いけど、本当の事は言わない方がいい...よね?
だって光野君、何か面倒ごとを嫌っている節が多々見えたしさ。
もし桜お姉ちゃんに話してしまった場合、
私との接触を嫌がって離れてしまい、もう二度と会ってくれなくなる
可能性が大きい。
そ、それは絶対に嫌だな。
なんとしてでも避けたい事実だ!
だ、だとすれば、
「え、えっとね、桜お姉ちゃん。貰ったっていうのは...こ、言葉の綾でね。
そ、そのカードは『トリプルフリーオークション』で手に入れた物なんだよ。
だ、だから私も分かんない...かな?わ、私ももう一枚欲しかったんだけど、
でもそれを出品した相手の所在は分からないからさ......」
「あ、ああ、トリプルフリーオークションかぁ。だとしたらこのカードの
持ち主の情報を得る事は叶わないか......」
―――トリプルフリーオークション。
それは名前や所在を明記したくない人物達の声で出来たオークション。
詳しい明記をしたくないと理由は様々あり、
―――得たお金を目を付けられたくない。
―――目立つのは嫌。
―――上級様の圧力に屈したくないし、狙われたくもない。
......等々。
こういったフリー系統のオークションは、大概がザル式ルールの場合が
多いのだが、
しかしこのトリプルフリーオークションの軸は商人ギルド、冒険ギルド、
魔石ギルド、この三つのギルドが軸となり、ガッチリと協力体制で場を
仕切っているので、騙しや偽物等といった物がオークションに出品される
事が殆どないオークションなのだ。
無論、情報漏れや身元がバレる事も限りなくゼロに近い。
何故なら、仮にそういったものが発覚した場合には、その出元を
至急に速やかに調べ挙げ、それを行った連中に厳重なる重き
裁きが下されるからだ。
「......トリプルフリーオークションが関わっているとなると、出品者を
探し出すのは困難というか無理か。ふう、しょうがない。ここは素直に
諦めると致しますか......」
桜は残念という嘆息を一息吐くと、記憶カードのゲットを諦めた。
そして気を取り直した表情で、桜が理緒の顔を見ると、
「それよりも...理緒。あんたが無事だったから気になっていなかったけど、
改めて冷静に考えてみたら、理緒があいつらを捕縛する事は難しいって
いうか......無理だよね?特に小鉄に至ってはB級冒険者だしさ?」
さっきから気になっていた事を、桜が理緒に訊ねると、
「うぐ!?そ、それは......」
理緒が図星を受けた動揺で身体をピクッと反応させて狼狽える。
この記憶カード、一枚しか持っていないの?も、もしまだ持っていたらさ、
一枚だけでも良いのでお姉ちゃんに譲ってくれないかな!も、勿論、
お金は理緒の言い値でお払いしちゃうからさぁ~っ!」
サクヤから貰った記録媒体カードをキラキラさせた両の瞳で、桜が
このカードの出所を理緒に訊ねてくる。
「え、えっと。そ、そのゴメンなさい、桜お姉ちゃん。その記憶カード、
一枚しか貰っていないんだよ......」
「そ、そうなんだ。それはとても残念だ......ガクリ」
理緒の言葉に、桜が落ち込む様にガクッと項垂れてしまう。
「じゃ、じゃあさ、このカードを一体どこで誰から手に入れた貰った
物かを教えてくれないかな?アタシの方でこのカードを貰った人と
交渉するからさ!ねっ!」
桜がまだ諦められないといった表情で、切望する表情で理緒に顔を
近づけると、手渡された記憶カードの出どころを切望してくる。
「えっと...そ、それは.......その......こ、このカードは.........」
......う~ん、
桜お姉ちゃんには悪いけど、本当の事は言わない方がいい...よね?
だって光野君、何か面倒ごとを嫌っている節が多々見えたしさ。
もし桜お姉ちゃんに話してしまった場合、
私との接触を嫌がって離れてしまい、もう二度と会ってくれなくなる
可能性が大きい。
そ、それは絶対に嫌だな。
なんとしてでも避けたい事実だ!
だ、だとすれば、
「え、えっとね、桜お姉ちゃん。貰ったっていうのは...こ、言葉の綾でね。
そ、そのカードは『トリプルフリーオークション』で手に入れた物なんだよ。
だ、だから私も分かんない...かな?わ、私ももう一枚欲しかったんだけど、
でもそれを出品した相手の所在は分からないからさ......」
「あ、ああ、トリプルフリーオークションかぁ。だとしたらこのカードの
持ち主の情報を得る事は叶わないか......」
―――トリプルフリーオークション。
それは名前や所在を明記したくない人物達の声で出来たオークション。
詳しい明記をしたくないと理由は様々あり、
―――得たお金を目を付けられたくない。
―――目立つのは嫌。
―――上級様の圧力に屈したくないし、狙われたくもない。
......等々。
こういったフリー系統のオークションは、大概がザル式ルールの場合が
多いのだが、
しかしこのトリプルフリーオークションの軸は商人ギルド、冒険ギルド、
魔石ギルド、この三つのギルドが軸となり、ガッチリと協力体制で場を
仕切っているので、騙しや偽物等といった物がオークションに出品される
事が殆どないオークションなのだ。
無論、情報漏れや身元がバレる事も限りなくゼロに近い。
何故なら、仮にそういったものが発覚した場合には、その出元を
至急に速やかに調べ挙げ、それを行った連中に厳重なる重き
裁きが下されるからだ。
「......トリプルフリーオークションが関わっているとなると、出品者を
探し出すのは困難というか無理か。ふう、しょうがない。ここは素直に
諦めると致しますか......」
桜は残念という嘆息を一息吐くと、記憶カードのゲットを諦めた。
そして気を取り直した表情で、桜が理緒の顔を見ると、
「それよりも...理緒。あんたが無事だったから気になっていなかったけど、
改めて冷静に考えてみたら、理緒があいつらを捕縛する事は難しいって
いうか......無理だよね?特に小鉄に至ってはB級冒険者だしさ?」
さっきから気になっていた事を、桜が理緒に訊ねると、
「うぐ!?そ、それは......」
理緒が図星を受けた動揺で身体をピクッと反応させて狼狽える。
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