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3章・冒険ギルド

026・こちらとあちらのステータスの違い

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ザワザワ......ガヤガヤ......

「み、見たか、今の......」

「あ、ああ。凄い勢いで爆発したな......」

「も、もしかしてあれってさ、ラノベとかで良く見るあのテンプレじゃ?」

「ん~ああ、あれね?でも普通に考えたら、測定器の不備なんじゃね?」

「だ、だよねぇ。ギルド員達も測定器の回収にしか慌てた様子を見せて
ないみたいだしさ?」

「いいや、あれもこの場を誤魔化すカモフラかもしれんぞ?裏の方では
案外大慌てしているかもよ?」

「はは、その可能性もなきにしもあらずか?」

先程の測定器の爆発を見ていた新人冒険者達が、各々の憶測を語っていく。


そんな飛び交う新人冒険者の声や、好奇心&訝しむでこちらを見てくる
視線の攻撃に、


―――――キャアァァァァァアアアッ!!!


みんなから注目を浴びてるぅぅぅぅぅううっ!?!?


いやぁぁあ!目立ちたくないのにぃぃぃぃいぃ~~~~っ!!!


俺は耐えきれないとばかりに頭を抱えて、思いっきり悶絶をしてしまう。


――――ハッ!?


そ、そうだっ!?


「あ、あの...一応聞きますけど、その壊れたその測定器...べ、弁償とか
い、言いませんよね?」

俺は脳裏に「これって弁償が発生するの?」ではと過ると、顔がみるみる
青くなってゾッとし、測定係のギルド員に恐る恐るとその件を聞いてみる。

すると、

「はは、学生さんですものね。そんな心配もしますか♪」

そりゃ、心配しますよ!

だってその測定器、どう見てもめちゃくちゃ高そうじゃないですかっ!

「でも安心して大丈夫ですよ、学生さん。今回はこちら側の不手際です
ので、弁償は発生しませんので!」

俺の確認に対し、測定係のギルド員がニコッとした表情でそう答える。

「も、もう一度聞きますが、ほ、本当に弁償しなくていいんですよね?」

「はい、しません。だから安心して下さい♪」

俺は用心の為と再度、測定係のギルド員に弁償の件を聞き直すと、少し苦笑
気味の表情で大丈夫だと答えてくる。

「......ホッ!」

それを聞いて、俺はやっと安堵する。

「それでは新しい測定器を今から持って参りますので、しばしの間そこで
お待ちしていて下さいね!」

測定係のギルド員が俺にそう言うと、席からスッと立ち、壊れた測定器の
入った箱を手に持つと、新しい測定器を取りに移動して行く。

「そっか、弁償しなくていいのか......」

ヒヤァァァァァア~~ッ!

いや~ホッント、良かったあぁあぁぁぁああっ!!

あんな高そうな機械、もしも弁償なんて事にでもなっていたら、
母さんのカミナリが落ちる所だったよっ!

俺はこの危機的回避に、さっきよりも更なる心からの安堵に浸る。

まぁ仮に、弁償って流れになったとしても問題はないんだけどね。

俺は異世界でゲットしてアイテムボックスに仕舞ってある、様々な
レア素材やレアアイテムたちを思い出す。

でもこれらを出すとなったら、確実に色々と面倒ごとが起きるだろうから、
ホント弁償が避けられて良かったよ。

「......それより、まさかあのステータスよりも、更にもっとステータスの
値を下げなきゃいけないとは......」

あっちの世界では、今の隠蔽数値が新人冒険者の平均値数だったんだけどな。

こっちの冒険者レベルは、あっちの冒険者達よりも低いって事か?

いや...さっきグラウンドで見たA級冒険者達はその通りの実力だった。

あ、でもあのC級を名乗っていたナンパ野郎は、あちらのC級以下の
実力だったな?

「......まぁいい。この問題は後に置いておくとして、今は取り敢えず、
係の人が新しい測定器がくる前に、急いで数値の再調整をしておかな
きゃなっ!」

でも一体どのくらいの数値にすればいいんだろう?

「今度はもう間違えられないしな......」 

変更しようにも、こちらの冒険者の平均ステータス数値がいまいち
分からず、さてどうしようかと頭を痛める様に悩ませていると、

「では測定を始めるよ?」

「お、お願いします!」

隣で能力値を測定している新人冒険者の声が聞こえてきてきた。

「お、そうだ!この連中のやり取りを聞けば、平均の数値が分かるかも!」

俺はそう思いつくと、早速どんな些細な音を拾えるスキル...『地獄耳』を
発動させ、隣のやり取り内容を詳しく聞き取っていく。

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