20 / 63
3章・冒険ギルド
020・冒険者ルールと心得の説明 その2
しおりを挟む「さて、次の冒険者ルールのご説明は......冒険者パーティの数ですね?
こほん...冒険者が組めるパーティ数には制限がございます。冒険者が
組む事の出来る最大数は、全部で4人までとなっておりますので、
それ以上でパーティを組もうとしておられる人はご注意下さいね!」
「え、4人!?パーティって、4人しか組めないんですか!?」
「それはどうしてなんでしょうか?」
「それはですね。4人以上の好き勝手なパーティ人数にしてしまいますと、
冒険ギルドのデータ管理の演算がキャパオーバーしてしまう、これが主な
理由ですね。まぁ他にも細かい理由は多々ございますけど......」
「な、なるほど、そういう事か。数がある程度決まってないと管理が
難しいってやつね......」
「でも四人までしかパーティを組めないだなんて、予想外だよ~~っ!
ぐぬぬぬぬ~ま、参ったぞ、これ。私達って五人組みなのにぃ~~っ!
っていうか、私が確実にハブされるじゃぁぁあ~~~んっ!」
「はは...ご愁傷様。でも説明係の言っていた他の細かい理由ってなんだろう?」
「多分だと思うけど、デジタルの方がいっぱいいっぱいって言っているの
だから、アナログ作業じゃないかな?」
「はい、そこの新人さん正解です♪手書きってホント疲れるんですよねぇ。
挙げ句の果てに残業残業の大嵐!デジタル万歳ですよ♪おっと、話が脱線して
しまいましたね。では次の説明に入ります。コホン......組んだパーティメンバー
ですが、事前にギルドへと申請紙を出して登録しておいて下さいね。もし申請紙を
提出していなかった場合、パーティが貰える筈だった報酬を貰えなくなって
しまう可能性が起こってしまいますので」
説明担当のお姉さんが、矢継ぎ早でアナログ時代の愚痴をこぼしていく。
「うひゃ!頑張ってクリアしたっていうのに、報酬が貰えないのはマジで
ご勘弁だぜぇ!」
「もしそうなった場合、わたしは泣くね!ギャン泣きしちゃう自信があるよ!
そして数週間は立ち直れないっ!」
「うふふ♪そうならない為にも、申請紙の提出を忘れないようして下さいね!」
もしもの事案に慌て動揺する新人冒険者に、説明係のお姉さんが笑顔で軽く
注意を促す。
「それからもうひとつ。組んだパーティから離脱する場合も同じく、ギルドに
離脱の申請紙を確実に提出して下さい。もしトラブル関係でパーティを
離れようとしていても、その申請をシッカリしておかないと、冒険ギルドは
その離脱者を庇ってあげられなくなる可能性がございますので......」
説明係のお姉さんの表情が、先程までの笑顔とは打って代わった表情に
変わり、離脱の申請紙の提出を絶対に忘れないようと釘を刺した。
「説明担当の人のあの虚ろな表情を見るに......きっと何かしら嫌な覚えが
あるんだろうな......」
「とにかく!お姉さんの言う様に、人間関係でトラブルや問題が起きたら、
即ギルドに報告!これ絶対に忘れべからず......だねっ!」
「......だな。トラブル関係でパーティを離れたのに、パーティを離れて
いないと見なされたら、確実に面倒ごとが起こるのは目に見えてくるしな!」
「うふふ。皆様、良い心掛けです♪」
そんなのは嫌だと、気を引き締めている新人冒険者達に、説明係のお姉さんが
満足そうな笑顔で微笑むと、
「こほん...それでは次の説明へと入りますね......」
軽く咳払いをし、真面目モードに戻して電子パットのページを次へと進める。
89
お気に入りに追加
394
あなたにおすすめの小説
幼馴染達にフラれた俺は、それに耐えられず他の学園へと転校する
あおアンドあお
ファンタジー
俺には二人の幼馴染がいた。
俺の幼馴染達は所謂エリートと呼ばれる人種だが、俺はそんな才能なんて
まるでない、凡愚で普通の人種だった。
そんな幼馴染達に並び立つべく、努力もしたし、特訓もした。
だがどう頑張っても、どうあがいてもエリート達には才能の無いこの俺が
勝てる訳も道理もなく、いつの日か二人を追い駆けるのを諦めた。
自尊心が砕ける前に幼馴染達から離れる事も考えたけど、しかし結局、ぬるま湯の
関係から抜け出せず、別れずくっつかずの関係を続けていたが、そんな俺の下に
衝撃な展開が舞い込んできた。
そう...幼馴染の二人に彼氏ができたらしい。
※小説家になろう様にも掲載しています。
俺は先輩に恋人を寝取られ、心が壊れる寸前。でも……。二人が自分たちの間違いを後で思っても間に合わない。俺は美少女で素敵な同級生と幸せになる。
のんびりとゆっくり
恋愛
俺は島森海定(しまもりうみさだ)。高校一年生。
俺は先輩に恋人を寝取られた。
ラブラブな二人。
小学校六年生から続いた恋が終わり、俺は心が壊れていく。
そして、雪が激しさを増す中、公園のベンチに座り、このまま雪に埋もれてもいいという気持ちになっていると……。
前世の記憶が俺の中に流れ込んできた。
前世でも俺は先輩に恋人を寝取られ、心が壊れる寸前になっていた。
その後、少しずつ立ち直っていき、高校二年生を迎える。
春の始業式の日、俺は素敵な女性に出会った。
俺は彼女のことが好きになる。
しかし、彼女とはつり合わないのでは、という意識が強く、想いを伝えることはできない。
つらくて苦しくて悲しい気持ちが俺の心の中であふれていく。
今世ではこのようなことは繰り返したくない。
今世に意識が戻ってくると、俺は強くそう思った。
既に前世と同じように、恋人を先輩に寝取られてしまっている。
しかし、その後は、前世とは違う人生にしていきたい。
俺はこれからの人生を幸せな人生にするべく、自分磨きを一生懸命行い始めた。
一方で、俺を寝取った先輩と、その相手で俺の恋人だった女性の仲は、少しずつ壊れていく。そして、今世での高校二年生の春の始業式の日、俺は今世でも素敵な女性に出会った。
その女性が好きになった俺は、想いを伝えて恋人どうしになり。結婚して幸せになりたい。
俺の新しい人生が始まろうとしている。
この作品は、「カクヨム」様でも投稿を行っております。
「カクヨム」様では。「俺は先輩に恋人を寝取られて心が壊れる寸前になる。でもその後、素敵な女性と同じクラスになった。間違っていたと、寝取った先輩とその相手が思っても間に合わない。俺は美少女で素敵な同級生と幸せになっていく。」という題名で投稿を行っております。
【破天荒注意】陰キャの俺、異世界の女神の力を借り俺を裏切った幼なじみと寝取った陽キャ男子に復讐する
花町ぴろん
ファンタジー
陰キャの俺にはアヤネという大切な幼なじみがいた。
俺たち二人は高校入学と同時に恋人同士となった。
だがしかし、そんな幸福な時間は長くは続かなかった。
アヤネはあっさりと俺を捨て、イケメンの陽キャ男子に寝取られてしまったのだ。
絶望に打ちひしがれる俺。夢も希望も無い毎日。
そんな俺に一筋の光明が差し込む。
夢の中で出会った女神エリステア。俺は女神の加護を受け辛く険しい修行に耐え抜き、他人を自由自在に操る力を手に入れる。
今こそ復讐のときだ!俺は俺を裏切った幼なじみと俺の心を踏みにじった陽キャイケメン野郎を絶対に許さない!!
★寝取られ→ざまぁのカタルシスをお楽しみください。
※この小説は「小説家になろう」「カクヨム」にも掲載しています。
勇者のハーレムパーティを追放された男が『実は別にヒロインが居るから気にしないで生活する』ような物語(仮)
石のやっさん
ファンタジー
主人公のリヒトは勇者パーティを追放されるが
別に気にも留めていなかった。
元から時期が来たら自分から出て行く予定だったし、彼には時期的にやりたい事があったからだ。
リヒトのやりたかった事、それは、元勇者のレイラが奴隷オークションに出されると聞き、それに参加する事だった。
この作品の主人公は転生者ですが、精神的に大人なだけでチートは知識も含んでありません。
勿論ヒロインもチートはありません。
そんな二人がどうやって生きていくか…それがテーマです。
他のライトノベルや漫画じゃ主人公になれない筈の二人が主人公、そんな物語です。
最近、感想欄から『人間臭さ』について書いて下さった方がいました。
確かに自分の原点はそこの様な気がしますので書き始めました。
タイトルが実はしっくりこないので、途中で代えるかも知れません。
追放された最強剣士〜役立たずと追放された雑用係は最強の美少女達と一緒に再スタートします。奴隷としてならパーティに戻してやる?お断りです〜
妄想屋さん
ファンタジー
「出ていけ!お前はもうここにいる資格はない!」
有名パーティで奴隷のようにこき使われていた主人公(アーリス)は、ある日あらぬ誤解を受けてパーティを追放されてしまう。
寒空の中、途方に暮れていたアーリスだったかが、剣士育成学校に所属していた時の同級生であり、現在、騎士団で最強ランクの実力を持つ(エルミス)と再開する。
エルミスは自信を無くしてしまったアーリスをなんとか立ち直らせようと決闘を申し込み、わざと負けようとしていたのだが――
「早くなってるし、威力も上がってるけど、その動きはもう、初めて君と剣を混じえた時に学習済みだ!」
アーリスはエルミスの予想を遥かに超える天才だった。
✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿
4月3日
1章、2章のタイトルを変更致しました。
[完結:1話 1分読書]幼馴染を勇者に寝取られた不遇職の躍進
無責任
ファンタジー
<毎日更新 1分読書> 愛する幼馴染を失った不遇職の少年の物語
ユキムラは神託により不遇職となってしまう。
愛するエリスは、聖女となり、勇者のもとに行く事に・・・。
引き裂かれた関係をもがき苦しむ少年、少女の物語である。
アルファポリス版は、各ページに人物紹介などはありません。
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
この物語の世界は、15歳が成年となる世界観の為、現実の日本社会とは異なる部分もあります。
冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい
一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。
しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。
家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。
そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。
そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。
……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる