20 / 65
3章・冒険ギルド
020・冒険者ルールと心得の説明 その2
しおりを挟む「さて、次の冒険者ルールのご説明は......冒険者パーティの数ですね?
こほん...冒険者が組めるパーティ数には制限がございます。冒険者が
組む事の出来る最大数は、全部で4人までとなっておりますので、
それ以上でパーティを組もうとしておられる人はご注意下さいね!」
「え、4人!?パーティって、4人しか組めないんですか!?」
「それはどうしてなんでしょうか?」
「それはですね。4人以上の好き勝手なパーティ人数にしてしまいますと、
冒険ギルドのデータ管理の演算がキャパオーバーしてしまう、これが主な
理由ですね。まぁ他にも細かい理由は多々ございますけど......」
「な、なるほど、そういう事か。数がある程度決まってないと管理が
難しいってやつね......」
「でも四人までしかパーティを組めないだなんて、予想外だよ~~っ!
ぐぬぬぬぬ~ま、参ったぞ、これ。私達って五人組みなのにぃ~~っ!
っていうか、私が確実にハブされるじゃぁぁあ~~~んっ!」
「はは...ご愁傷様。でも説明係の言っていた他の細かい理由ってなんだろう?」
「多分だと思うけど、デジタルの方がいっぱいいっぱいって言っているの
だから、アナログ作業じゃないかな?」
「はい、そこの新人さん正解です♪手書きってホント疲れるんですよねぇ。
挙げ句の果てに残業残業の大嵐!デジタル万歳ですよ♪おっと、話が脱線して
しまいましたね。では次の説明に入ります。コホン......組んだパーティメンバー
ですが、事前にギルドへと申請紙を出して登録しておいて下さいね。もし申請紙を
提出していなかった場合、パーティが貰える筈だった報酬を貰えなくなって
しまう可能性が起こってしまいますので」
説明担当のお姉さんが、矢継ぎ早でアナログ時代の愚痴をこぼしていく。
「うひゃ!頑張ってクリアしたっていうのに、報酬が貰えないのはマジで
ご勘弁だぜぇ!」
「もしそうなった場合、わたしは泣くね!ギャン泣きしちゃう自信があるよ!
そして数週間は立ち直れないっ!」
「うふふ♪そうならない為にも、申請紙の提出を忘れないようして下さいね!」
もしもの事案に慌て動揺する新人冒険者に、説明係のお姉さんが笑顔で軽く
注意を促す。
「それからもうひとつ。組んだパーティから離脱する場合も同じく、ギルドに
離脱の申請紙を確実に提出して下さい。もしトラブル関係でパーティを
離れようとしていても、その申請をシッカリしておかないと、冒険ギルドは
その離脱者を庇ってあげられなくなる可能性がございますので......」
説明係のお姉さんの表情が、先程までの笑顔とは打って代わった表情に
変わり、離脱の申請紙の提出を絶対に忘れないようと釘を刺した。
「説明担当の人のあの虚ろな表情を見るに......きっと何かしら嫌な覚えが
あるんだろうな......」
「とにかく!お姉さんの言う様に、人間関係でトラブルや問題が起きたら、
即ギルドに報告!これ絶対に忘れべからず......だねっ!」
「......だな。トラブル関係でパーティを離れたのに、パーティを離れて
いないと見なされたら、確実に面倒ごとが起こるのは目に見えてくるしな!」
「うふふ。皆様、良い心掛けです♪」
そんなのは嫌だと、気を引き締めている新人冒険者達に、説明係のお姉さんが
満足そうな笑顔で微笑むと、
「こほん...それでは次の説明へと入りますね......」
軽く咳払いをし、真面目モードに戻して電子パットのページを次へと進める。
89
お気に入りに追加
395
あなたにおすすめの小説
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
異世界でただ美しく! 男女比1対5の世界で美形になる事を望んだ俺は戦力外で追い出されましたので自由に生きます!
石のやっさん
ファンタジー
主人公、理人は異世界召喚で異世界ルミナスにクラスごと召喚された。
クラスの人間が、優秀なジョブやスキルを持つなか、理人は『侍』という他に比べてかなり落ちるジョブだった為、魔族討伐メンバーから外され…追い出される事に!
だが、これは仕方が無い事だった…彼は戦う事よりも「美しくなる事」を望んでしまったからだ。
だが、ルミナスは男女比1対5の世界なので…まぁ色々起きます。
※私の書く男女比物が読みたい…そのリクエストに応えてみましたが、中編で終わる可能性は高いです。
ゲート0 -zero- 自衛隊 銀座にて、斯く戦えり
柳内たくみ
ファンタジー
20XX年、うだるような暑さの8月某日――
東京・銀座四丁目交差点中央に、突如巨大な『門(ゲート)』が現れた。
中からなだれ込んできたのは、見目醜悪な怪異の群れ、そして剣や弓を携えた謎の軍勢。
彼らは何の躊躇いもなく、奇声と雄叫びを上げながら、そこで戸惑う人々を殺戮しはじめる。
無慈悲で凄惨な殺戮劇によって、瞬く間に血の海と化した銀座。
政府も警察もマスコミも、誰もがこの状況になすすべもなく混乱するばかりだった。
「皇居だ! 皇居に逃げるんだ!」
ただ、一人を除いて――
これは、たまたま現場に居合わせたオタク自衛官が、
たまたま人々を救い出し、たまたま英雄になっちゃうまでを描いた、7日間の壮絶な物語。
俺が死んでから始まる物語
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。
だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。
余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。
そこからこの話は始まる。
セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕
僕が美少女になったせいで幼馴染が百合に目覚めた
楠富 つかさ
恋愛
ある朝、目覚めたら女の子になっていた主人公と主人公に恋をしていたが、女の子になって主人公を見て百合に目覚めたヒロインのドタバタした日常。
この作品はハーメルン様でも掲載しています。
天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜
八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。
第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。
大和型三隻は沈没した……、と思われた。
だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。
大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。
祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。
※異世界転移が何番煎じか分からないですが、書きたいのでかいています!
面白いと思ったらブックマーク、感想、評価お願いします!!※
※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
日本VS異世界国家! ー政府が、自衛隊が、奮闘する。
スライム小説家
SF
令和5年3月6日、日本国は唐突に異世界へ転移してしまった。
地球の常識がなにもかも通用しない魔法と戦争だらけの異世界で日本国は生き延びていけるのか!?
異世界国家サバイバル、ここに爆誕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる