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恋喰らいのサガ
恋喰らいの生き方2
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「なんか最近付き合い悪いなぁ」
そういってむくれる友人からは女の子さが感じられてとても可愛い、愛嬌という言葉はこの子のような人にこそあるべき言葉だと思う。彼女が本気で怒っているわけではないのはわかるが非常に申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
「とうとう奏ちゃんにも彼氏ができたんだね。私は応援するよ。私のことなんか忘れて幸せになってね」
自分の髪の毛先をくるくると指に巻きながら勝手に一人で納得している彼女は今日も元気いっぱいだ。だけどその納得した答えは全くの的外れな内容なのが彼女らしい。
「残念だけど違うよ。今日から3日間お母さんが旅行でいないからお父さんの晩御飯を作らないといけないの」
「なるほど花嫁修業の成果を親に披露する時なんだね。それは邪魔できないなぁ」
とりあえず否定だけはしておく、花嫁修業なんてしたことはない。お母さんの手伝いをしていたら自然と身に着いた料理の腕前でしかない。だが彼女曰くはそれ自体花嫁修業みたいなもの扱いらしい。家庭科の延長線でしかないと思うのだが、そうでもないらしい。
「それは冗談として、ここんとこも忙しそうだったし、どうしたのかのなって思ってさ」
「ちょっと習い事を始めてね。だから最近遊べなかったの本当にごめんね」
彼女の純粋な疑問に対して真実を隠して返答した。本当の事など言っても信じてもらえないのは安易に想像できるし、そうでなくても傍から見れば怪しくも見える場所に通っていたというと、彼女に不安を与えてしまうかもしれないからだ。嘘の返答と本当に誘いを断ってばかりの最近には本当に申し訳なく思う。確かに六田さんのとこに通いだしてから誘いを断る頻度は増えてしまっていた。反省すべき点だ。
「塾でも行きだしたの?」
「うん、少し勉強をね」
「そっかぁ。確かに私たち受験生だもんね。私なんかあんまり勉強してないなぁ、奏ちゃん見習って勉強しようかなぁ。私より勉強できる奏ちゃんでも勉強してるんだしなぁ」
既に彼女のレベルなら志望している大学へは容易に入学できるであろう学力があるのを知っている。だからこその余裕が彼女には垣間見える。
「ってことは奏ちゃんも最終的には進学にしたんだね。どこ受けるの?」
「まだどこに行くか悩んでるの。他県の方に行ってみたいなって気もするし、地元も好きだから」
塾の云々は嘘だが、どこに進学するのかは具体的に考えていなかった、自分には進路の希望がない。やりたいことも特になく、日々をぼんやり過ごしているそんな気がした。だからこそ遠くに行くことも少し考えていた。環境が変われば改まる考えもあるかもしれないと思ったから。
「そっか。分かったよ。なら今日はやめとく。でも今度息抜きに買い物行こうね」
「うん。絶対に行こう。ところで、今から夕飯の買い物に行くんだけど行く?」
「それはなんか違う気がするからやめとく」
自分なりの冗談だったのだが、普段見ることのできない真顔で返されて少しへこんだ。
今日のメニューはオムライスだ。明日は焼き魚と味噌汁、明後日はまだ考えてない。明後日はお父さんにさりげなく何が食べたいか聞いてみて決めるつもりだ。洋食、和食と来ると中華と言われるのだろうか、それとも気を使って「なんでもいい」と言われるのか、それはそれで選択肢が多すぎて困る。お母さんは毎日別メニューを作ってくれていてすごいと改めて感じる。
スーパーから出ると陽は暮れていて、外は薄暗く、昼間とは違った冷たい風が頬を撫でる。そろそろカーディガンを羽織る時期になってきた。携帯の時計を見ると5時30分をすぎた所だ。買い物をしていた時はあまり気にならなかったが、流石に自分も空腹感を覚えてきた。お父さんにもうすぐ帰宅を告げるメールを送って帰路についた。
そういってむくれる友人からは女の子さが感じられてとても可愛い、愛嬌という言葉はこの子のような人にこそあるべき言葉だと思う。彼女が本気で怒っているわけではないのはわかるが非常に申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
「とうとう奏ちゃんにも彼氏ができたんだね。私は応援するよ。私のことなんか忘れて幸せになってね」
自分の髪の毛先をくるくると指に巻きながら勝手に一人で納得している彼女は今日も元気いっぱいだ。だけどその納得した答えは全くの的外れな内容なのが彼女らしい。
「残念だけど違うよ。今日から3日間お母さんが旅行でいないからお父さんの晩御飯を作らないといけないの」
「なるほど花嫁修業の成果を親に披露する時なんだね。それは邪魔できないなぁ」
とりあえず否定だけはしておく、花嫁修業なんてしたことはない。お母さんの手伝いをしていたら自然と身に着いた料理の腕前でしかない。だが彼女曰くはそれ自体花嫁修業みたいなもの扱いらしい。家庭科の延長線でしかないと思うのだが、そうでもないらしい。
「それは冗談として、ここんとこも忙しそうだったし、どうしたのかのなって思ってさ」
「ちょっと習い事を始めてね。だから最近遊べなかったの本当にごめんね」
彼女の純粋な疑問に対して真実を隠して返答した。本当の事など言っても信じてもらえないのは安易に想像できるし、そうでなくても傍から見れば怪しくも見える場所に通っていたというと、彼女に不安を与えてしまうかもしれないからだ。嘘の返答と本当に誘いを断ってばかりの最近には本当に申し訳なく思う。確かに六田さんのとこに通いだしてから誘いを断る頻度は増えてしまっていた。反省すべき点だ。
「塾でも行きだしたの?」
「うん、少し勉強をね」
「そっかぁ。確かに私たち受験生だもんね。私なんかあんまり勉強してないなぁ、奏ちゃん見習って勉強しようかなぁ。私より勉強できる奏ちゃんでも勉強してるんだしなぁ」
既に彼女のレベルなら志望している大学へは容易に入学できるであろう学力があるのを知っている。だからこその余裕が彼女には垣間見える。
「ってことは奏ちゃんも最終的には進学にしたんだね。どこ受けるの?」
「まだどこに行くか悩んでるの。他県の方に行ってみたいなって気もするし、地元も好きだから」
塾の云々は嘘だが、どこに進学するのかは具体的に考えていなかった、自分には進路の希望がない。やりたいことも特になく、日々をぼんやり過ごしているそんな気がした。だからこそ遠くに行くことも少し考えていた。環境が変われば改まる考えもあるかもしれないと思ったから。
「そっか。分かったよ。なら今日はやめとく。でも今度息抜きに買い物行こうね」
「うん。絶対に行こう。ところで、今から夕飯の買い物に行くんだけど行く?」
「それはなんか違う気がするからやめとく」
自分なりの冗談だったのだが、普段見ることのできない真顔で返されて少しへこんだ。
今日のメニューはオムライスだ。明日は焼き魚と味噌汁、明後日はまだ考えてない。明後日はお父さんにさりげなく何が食べたいか聞いてみて決めるつもりだ。洋食、和食と来ると中華と言われるのだろうか、それとも気を使って「なんでもいい」と言われるのか、それはそれで選択肢が多すぎて困る。お母さんは毎日別メニューを作ってくれていてすごいと改めて感じる。
スーパーから出ると陽は暮れていて、外は薄暗く、昼間とは違った冷たい風が頬を撫でる。そろそろカーディガンを羽織る時期になってきた。携帯の時計を見ると5時30分をすぎた所だ。買い物をしていた時はあまり気にならなかったが、流石に自分も空腹感を覚えてきた。お父さんにもうすぐ帰宅を告げるメールを送って帰路についた。
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