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教団と大精霊
第351話-教団支部へ-
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お嬢達と分かれて向かった先はいかにもと言った空気の漂う木の生い茂った場所だ。
明るい空のはずがここだけはもう夕方のようにも思えるほどの空気が漂っている。
所々から漏れるように指している日差しがかろうじてここが外であることを教えてくれている。
「本当にこんなとこにあるのかよ」
「らしいぜ」
「らしいって……。確証はないって事だろ」
「ただまぁここじゃ集会があるとかって言われてんだとよ」
「火のない所には煙は立たないってか」
真偽はともかくここに教団の奴らがいるなら確かにそんな噂が横行しても無理はない。
言われてみれば多少なりとも獣道のような草のかき分けられた場所が続いている。
「村で買い物して、ここを通ってるのかもな」
バレルのおっさんも気づいたらしい。
乗ってきた馬車を陰に隠して茂みの中に足を踏み入れた。
「俺が先頭歩くか?」
おっさんにもしもの事があったらお嬢がうるさい。俺の方が先頭を歩くなら適役だと思ったから名乗り出たが、おっさんは首を振って自分から先頭を歩き出した。
「こう言う場所に黒溜まりが出来やすいんだよね~」
「ここにも黒い奴がいるってか?」
「かもね」
大精霊様の言葉尻は軽いが本当なら注意を抜けない。場所が場所だけにあまり見通しが悪くない。
踏み入れてどれくらい時間が経っただろうか。体感10分ほど歩いた先に怪しい建物が少し見えた。
「あれか?」
思わず言葉に出ちまったが、答えを知る人間なんて当然ここにはいない。
「迷い込んだか? いや、そうには見えんな」
聞いたことのない声が聞こえて、武器に手をかけた。
木の影から出てきたのは髪を束ねた長身の男、腰に下げた武器と出立ちから間違いなく剣士。
男は懐から道具を引き抜いて空に打ち上げた。男の手の道具から発射されたものは空で音を上げて破裂した。
「侵入者として対処させてもらう」
腰の剣に手をかけて体勢を低く構えた。
それよりもさっき空に上げたものは何かとざわつく。この状態で音を鳴らす意味それは……。
「おっさんと大精霊様はあの建物に行け。こいつは俺が引き受けた。さっきの合図は狼煙だ、時間稼ぎがこいつの役目だ」
侵入者に対して逃亡の時間を稼ぐ、その可能性が高い。劣勢であの音を鳴らしたなら増援の可能性もあるが今は違う。
「了解。だったらさ、こうしようよ」
一番後ろで観戦を決め込んでいた大精霊様が足を一歩踏み出した。
その一歩に呼応するように剣を構える男の元に地面から岩の突起物が襲いかかった。
明るい空のはずがここだけはもう夕方のようにも思えるほどの空気が漂っている。
所々から漏れるように指している日差しがかろうじてここが外であることを教えてくれている。
「本当にこんなとこにあるのかよ」
「らしいぜ」
「らしいって……。確証はないって事だろ」
「ただまぁここじゃ集会があるとかって言われてんだとよ」
「火のない所には煙は立たないってか」
真偽はともかくここに教団の奴らがいるなら確かにそんな噂が横行しても無理はない。
言われてみれば多少なりとも獣道のような草のかき分けられた場所が続いている。
「村で買い物して、ここを通ってるのかもな」
バレルのおっさんも気づいたらしい。
乗ってきた馬車を陰に隠して茂みの中に足を踏み入れた。
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おっさんにもしもの事があったらお嬢がうるさい。俺の方が先頭を歩くなら適役だと思ったから名乗り出たが、おっさんは首を振って自分から先頭を歩き出した。
「こう言う場所に黒溜まりが出来やすいんだよね~」
「ここにも黒い奴がいるってか?」
「かもね」
大精霊様の言葉尻は軽いが本当なら注意を抜けない。場所が場所だけにあまり見通しが悪くない。
踏み入れてどれくらい時間が経っただろうか。体感10分ほど歩いた先に怪しい建物が少し見えた。
「あれか?」
思わず言葉に出ちまったが、答えを知る人間なんて当然ここにはいない。
「迷い込んだか? いや、そうには見えんな」
聞いたことのない声が聞こえて、武器に手をかけた。
木の影から出てきたのは髪を束ねた長身の男、腰に下げた武器と出立ちから間違いなく剣士。
男は懐から道具を引き抜いて空に打ち上げた。男の手の道具から発射されたものは空で音を上げて破裂した。
「侵入者として対処させてもらう」
腰の剣に手をかけて体勢を低く構えた。
それよりもさっき空に上げたものは何かとざわつく。この状態で音を鳴らす意味それは……。
「おっさんと大精霊様はあの建物に行け。こいつは俺が引き受けた。さっきの合図は狼煙だ、時間稼ぎがこいつの役目だ」
侵入者に対して逃亡の時間を稼ぐ、その可能性が高い。劣勢であの音を鳴らしたなら増援の可能性もあるが今は違う。
「了解。だったらさ、こうしようよ」
一番後ろで観戦を決め込んでいた大精霊様が足を一歩踏み出した。
その一歩に呼応するように剣を構える男の元に地面から岩の突起物が襲いかかった。
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