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嵐の来訪者
第207話-罪滅ぼし-
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「オーラン、モラゾいるか」
屋敷に帰って早々匿って居た二人を探した。
屋敷の掃除が最近の主な仕事の二人、その腕は最近どんどん上がってきている。そのおかげか特に自室は綺麗な状態が保たれている。
「どうしたんすか?」
軽い口調のモラゾは騎士学校の二年で前にフランソワに痛い目を合わせるために使ったけど特に成果もなく、失敗に終わってほとぼりが冷めるまでオーランと共に屋敷に匿っている。
掃除の腕は上がっても口調だけは治らない。こいつは近衛騎士には向いてないだろう。なれても一兵程度だろう。
オーランは言葉もなくこちらを見ている。こいつは逆に言葉がなさすぎる。
こいつらは足して割るくらいがいい。
「仕事だ」
「汚れ仕事ですか?」
オーランは仕事を与えると話し出す。こいつとしても俺の事はあまり好きじゃないんだろう。
「調べて欲しいやつがいる」
「それだけですか?」
「あぁ。それでそれが最後の仕事だ」
「最後?」
二人が顔を見合わせてこっちを見る。
「俺捨てられるんですか?」
相変わらずモラゾはうるさい。
「嫌なら掃除要員だ」
「それでお願いします!」
こいつは何のために騎士学校に来てたのか不安になる。
「もう匿いきれなくなりましたか?」
「そうじゃない」
オーランはオーランで真面目な回答だ。
「調べて何か力になれそうだったら……後はお前らの好きにしろ。特にオーラン」
「俺ですか?」
何故自分なのかと言う不思議そうな顔をしている。無理もないまだ、誰を調べろとは言ってないからだ。
「命令じゃない。だが出来るなら……何かお前らが助けになるなら助けてやって欲しい。頼む」
これは俺が唯一出来る彼女への罪滅ぼしかも知れない。夕方見た顔と反応が頭から離れない。自分のけしかけた事を結果として捌いた彼女が泣きそうな顔をする程の何かがあったと考えた。
「それで誰のことを調べたらいいんですか?」
「フランソワ=ソボールだ」
屋敷に帰って早々匿って居た二人を探した。
屋敷の掃除が最近の主な仕事の二人、その腕は最近どんどん上がってきている。そのおかげか特に自室は綺麗な状態が保たれている。
「どうしたんすか?」
軽い口調のモラゾは騎士学校の二年で前にフランソワに痛い目を合わせるために使ったけど特に成果もなく、失敗に終わってほとぼりが冷めるまでオーランと共に屋敷に匿っている。
掃除の腕は上がっても口調だけは治らない。こいつは近衛騎士には向いてないだろう。なれても一兵程度だろう。
オーランは言葉もなくこちらを見ている。こいつは逆に言葉がなさすぎる。
こいつらは足して割るくらいがいい。
「仕事だ」
「汚れ仕事ですか?」
オーランは仕事を与えると話し出す。こいつとしても俺の事はあまり好きじゃないんだろう。
「調べて欲しいやつがいる」
「それだけですか?」
「あぁ。それでそれが最後の仕事だ」
「最後?」
二人が顔を見合わせてこっちを見る。
「俺捨てられるんですか?」
相変わらずモラゾはうるさい。
「嫌なら掃除要員だ」
「それでお願いします!」
こいつは何のために騎士学校に来てたのか不安になる。
「もう匿いきれなくなりましたか?」
「そうじゃない」
オーランはオーランで真面目な回答だ。
「調べて何か力になれそうだったら……後はお前らの好きにしろ。特にオーラン」
「俺ですか?」
何故自分なのかと言う不思議そうな顔をしている。無理もないまだ、誰を調べろとは言ってないからだ。
「命令じゃない。だが出来るなら……何かお前らが助けになるなら助けてやって欲しい。頼む」
これは俺が唯一出来る彼女への罪滅ぼしかも知れない。夕方見た顔と反応が頭から離れない。自分のけしかけた事を結果として捌いた彼女が泣きそうな顔をする程の何かがあったと考えた。
「それで誰のことを調べたらいいんですか?」
「フランソワ=ソボールだ」
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