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騎士と派閥と学園生活と
第140話-総長登場-
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「あなた本気で言ってますの?」
「え、えぇ……」
すると後ろからアンが静かにやって来て私に耳打ちをした。
「リオル総長はこの学院の生徒総長ですよ」
「えっ、そうなの? 生徒会長みたいな人?」
「名前は違いますが、同じ役職です」
そりゃ私知らないわ。ゲームに出て来てなかったしそんな人。
つまり、この人はその総長さんの後ろ盾があると言いたいわけだ。総長さんには会ったこともないし、見たこともないけど、こいつらの後ろ盾になるようなやつだとしたら、随分と嫌なやつらしい。
「リオル総長を知らないなんて、信じられませんわね。入学式に前であいさつをされてたでしょう」
「すいません。それに関しては私の不徳な点です」
「そんな事言われても私知らないし。入学式は今の私受けてないし」と内心言っても伝わらないツッコミを入れた。
「えーと、話を戻しますとですね。『先輩方はその総長さんと知り合いか何かで、私達の所に文句を言われているのは総長さんの意志でもある』と言う事でよろしいですか?」
「そ、そうよ!」
「それであれば私達はどうしたらいいんでしょうか。別の所でお昼にしろと。ここは先輩方に譲れと言う事ですか?」
「そんなこと言ってないわ。そもそもそんな場所要らないわよ」
ひどい言われようだ。
「まぁ、懲りたら身の丈にあった近衛騎士を見つけなさい。背伸びしても意味ないし、相手に失礼だわ」
結局そうもっていくのか。何が何でも近衛騎士との関係を断ち切りたいらしい。しかも、アルがフリーになれば、自分にチャンスがあると思っているらしい。
さて、どう言い負かしてやろうかと楽しみにしていると、この場で初めて聞く声が飛び込んできた。
「おっかしいなぁ。俺はそんな事思ったこともないし、言ったこともないけどなぁ」
この場には女子しかいないはずだった、だけど、その声はまさしく男子の声。
声のした方向を見ると1人の男子生徒がこっちに歩いて来ていた。
「それと名前が聞こえた気がしたから来てみたけど……呼ばれた?」
すらっとした制服の着こなし、背筋の曲がっていない立ち方で身長もかなり高く見える。短髪の茶色が似合う顔立ち。
俗に言うイケメンだった。この世界の顔面偏差値は全体的に男女高いとは常々思っていたけど、この人はその中でも上位に入ると思う。
そしてこの口ぶり、多分この人が。
「リ、リオル総長!?」
先輩達は驚きの声で総長さんを迎えた。つまり、これは偶然らしい。
「いえ、すみません。私がリオル総長を知らなかったので、名前を教えて頂いてたんです」
「そうだったんだ。それと呼ぶなら余所余所しくない方が嬉しいね。どうもみんな堅くて困るね」
そう言われてフランクに名前を呼ぶような人はここにはいないだろう。ここどころか、学院中にはいなさそうだ。
「そういえば俺がこの子達に何か意見を言った、言ってないとかって聞こえたんだけど」
言葉は柔らかいけど、口調には怒りが垣間見えた。
「どう言うことかな?」
「あっ……いえ……それは」
「それは?」
口調とは裏腹に言葉に重みがある。目も先輩達から離さない。怒りが滲み出ていなければ、イケメンの目線は嬉しいだろうけど、この状況ではただただ、恐怖の対象でしかない。
この場で先輩達をこの人と一緒に糾弾するのは簡単だ。ただ、それではまた別の手で嫌がらせにくる可能性がある。それはそれで面倒くさい。
だから私は……。
「え、えぇ……」
すると後ろからアンが静かにやって来て私に耳打ちをした。
「リオル総長はこの学院の生徒総長ですよ」
「えっ、そうなの? 生徒会長みたいな人?」
「名前は違いますが、同じ役職です」
そりゃ私知らないわ。ゲームに出て来てなかったしそんな人。
つまり、この人はその総長さんの後ろ盾があると言いたいわけだ。総長さんには会ったこともないし、見たこともないけど、こいつらの後ろ盾になるようなやつだとしたら、随分と嫌なやつらしい。
「リオル総長を知らないなんて、信じられませんわね。入学式に前であいさつをされてたでしょう」
「すいません。それに関しては私の不徳な点です」
「そんな事言われても私知らないし。入学式は今の私受けてないし」と内心言っても伝わらないツッコミを入れた。
「えーと、話を戻しますとですね。『先輩方はその総長さんと知り合いか何かで、私達の所に文句を言われているのは総長さんの意志でもある』と言う事でよろしいですか?」
「そ、そうよ!」
「それであれば私達はどうしたらいいんでしょうか。別の所でお昼にしろと。ここは先輩方に譲れと言う事ですか?」
「そんなこと言ってないわ。そもそもそんな場所要らないわよ」
ひどい言われようだ。
「まぁ、懲りたら身の丈にあった近衛騎士を見つけなさい。背伸びしても意味ないし、相手に失礼だわ」
結局そうもっていくのか。何が何でも近衛騎士との関係を断ち切りたいらしい。しかも、アルがフリーになれば、自分にチャンスがあると思っているらしい。
さて、どう言い負かしてやろうかと楽しみにしていると、この場で初めて聞く声が飛び込んできた。
「おっかしいなぁ。俺はそんな事思ったこともないし、言ったこともないけどなぁ」
この場には女子しかいないはずだった、だけど、その声はまさしく男子の声。
声のした方向を見ると1人の男子生徒がこっちに歩いて来ていた。
「それと名前が聞こえた気がしたから来てみたけど……呼ばれた?」
すらっとした制服の着こなし、背筋の曲がっていない立ち方で身長もかなり高く見える。短髪の茶色が似合う顔立ち。
俗に言うイケメンだった。この世界の顔面偏差値は全体的に男女高いとは常々思っていたけど、この人はその中でも上位に入ると思う。
そしてこの口ぶり、多分この人が。
「リ、リオル総長!?」
先輩達は驚きの声で総長さんを迎えた。つまり、これは偶然らしい。
「いえ、すみません。私がリオル総長を知らなかったので、名前を教えて頂いてたんです」
「そうだったんだ。それと呼ぶなら余所余所しくない方が嬉しいね。どうもみんな堅くて困るね」
そう言われてフランクに名前を呼ぶような人はここにはいないだろう。ここどころか、学院中にはいなさそうだ。
「そういえば俺がこの子達に何か意見を言った、言ってないとかって聞こえたんだけど」
言葉は柔らかいけど、口調には怒りが垣間見えた。
「どう言うことかな?」
「あっ……いえ……それは」
「それは?」
口調とは裏腹に言葉に重みがある。目も先輩達から離さない。怒りが滲み出ていなければ、イケメンの目線は嬉しいだろうけど、この状況ではただただ、恐怖の対象でしかない。
この場で先輩達をこの人と一緒に糾弾するのは簡単だ。ただ、それではまた別の手で嫌がらせにくる可能性がある。それはそれで面倒くさい。
だから私は……。
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