悪役令嬢になりましたので、自分好みのイケメン近衛騎士団を作ることにしました

ガルド城の秘密

第50話-私とフランソワ-前編

　フランソワ母との会話が終わった後夕飯の時間まで自室で待って居たけれどなんだか落ち着かなくて早めに広間に入っていた。
　初めて目が覚めた時もそうだったけれど、元々人の部屋だし中々慣れない。屋敷は今でこそほとんど毎日いるし慣れてしまったけど、この家の部屋ではいきなりは慣れることはなかった。
　そんな気持ちで待っていると、大広間のテーブルに次々と料理が運ばれてくる。
　ホリナの料理もここで鍛えたと言っていたのだから、味もさぞ期待できると思う。

「あら、早かったのね、お父様もあと少しで来るわ。視察からは戻ってきてたようだし」

　さっきまで私と会っていたフランソワ母がテーブルの椅子に座る。

　最後に運ばれて来た料理はスープだった。三人分が私とフランソワ母の前に、まだ来ていないフランソワ父の座るであろう場所にも置かれた。
　運んできたメイドが部屋を出るタイミングで入れ替わりでフランソワ父が勢いよく入ってきた。

「待たせてしまったかな」
「いいえ。今ちょうど揃った所よ」
「それなら良かった」

　そんな他愛ない夫婦のやりとりから2人がどれだけ仲睦まじいかが察することができる。

「本日は全て領内で取れたものを調理したものになります」

　横でお皿を配膳しているメイドが教えてくれた。

「うちは皆んなが食べてくれと持って来てくれるものだから、おいしい料理が毎日食べられてありがたいことだな。お返しが大変だがな」

　盛り付けられた料理は調理した人の腕もあるだろうけど、生野菜でもきれいな色をしていたりと見ているだけでも美味しそうなことがわかる。

「頂きます」

　そしてフランソワ家族の夕飯が始まった。