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目が覚めたらゲームの世界!?
第9話-私は変わり者??-
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ヤンが口から垂れた水を袖で拭って深呼吸をする。息を吐く音がなんか生々しい。
「ハンカチ使う?」
内ポケットからハンカチを渡してみたが、断られた。汚すのが嫌だったらしい。
「まさかシャバの名前が出てくるとは思ってもみなかった。あいついいやつだけど、家柄もそんなに良くないし、あんまり言いたくはないけど腕もいまいちだぞ。家柄については俺がどうこう言える立場じゃないけどな」
「知ってるわ。そんなのどうでもいいのよ」
「どうでもいいって……変な奴だな。自分の将来の側近になるんだぜ」
「だって私がそうしたいんだからいいじゃない」
わがままかもしれないけど、それが私の意思。せっかくこんな世界に来たんだから、やりたいことをしていくのよ。
「でも本当ならシャバのやつ大出世だな。領主の娘の近衛になりたい奴は山のようにいるだろうに」
「でもどうなのかしらね。もし、もう既に自分の仕えたい人がいるかもしれないし、あなたみたいに、断られるかも」
「俺の事は本気で誘ってないだろ。本気だったらもう少し真面目に考えてやるさ。シャバはどうだろうな、俺も聞いたことないからな」
ゲームでは学園卒業後にシャバーニが出てくることはない。それも不人気キャラとなる理由かもしれない。
卒業後の事も明確にされていないので知る由もない。
「でも相手がいたとしても、あんたの名前を使えばなんとでもなるじゃねーか」
「私そういうの好きじゃないの、生まれだけで威張ったりするの。私は私なんだし。生まれも力の一つかもしれないけど私はそういうの嫌。それにシャバーニはそういうの嫌いでしょ」
ヤンが声をだして笑った。下を向いて、口を手で押さえても笑い声が聞こえてくる。表情が豊かなキャラだったのは知ってるけど、こんなに笑っているシーンはなかった。意外な一面を見た気がする。
「あんた変わってんな。名のある家名持ちなんて名前で威張り散らすやつばっかりだと思ってたよ」
「貴方の親友も同じような考えだと思うわ」
「あいつも変わり者なんだよ」
最初に顔を合わせた時のような敵意はもう感じられない。ただ純粋に楽しそうに話しているのが声からでも分かった。
一息つくとヤンはそのまま校舎に向かって歩き出した。いつの間にか手に持っていた食事はなくなって、水筒だけになっている。
「次の交流日にシャバに会えるように繋いでやるよ。校庭から少し外れたとこに大きな木があるのが見えるだろ。そこに連れてくよ」
そう言って指差す先には確かに、一本だけ離れて立っている木が目立っている。なんだか告白の名物スポットにでもなりそうな場所だ。
「ありがとう! 後、あなたを近衛騎士に誘ったのも本気だから! 覚えておいてね!」
「お前はシャバを指名するんだろ。だったらダメだろ」
「私は、一人だけじゃなくて、近衛騎士団を作りたいの! だからあなたもその一人なの!」
「そんなの聞いたことねーよ。せいぜいがんばんな」
右手をひらひらとあげながら笑い混じりに去って行った。
これが私とヒーローの初めての出会いだった。とりあえずイベントっぽいことは起こせたので大収穫だったと思って再度穴を潜って学院へともどった。
「ハンカチ使う?」
内ポケットからハンカチを渡してみたが、断られた。汚すのが嫌だったらしい。
「まさかシャバの名前が出てくるとは思ってもみなかった。あいついいやつだけど、家柄もそんなに良くないし、あんまり言いたくはないけど腕もいまいちだぞ。家柄については俺がどうこう言える立場じゃないけどな」
「知ってるわ。そんなのどうでもいいのよ」
「どうでもいいって……変な奴だな。自分の将来の側近になるんだぜ」
「だって私がそうしたいんだからいいじゃない」
わがままかもしれないけど、それが私の意思。せっかくこんな世界に来たんだから、やりたいことをしていくのよ。
「でも本当ならシャバのやつ大出世だな。領主の娘の近衛になりたい奴は山のようにいるだろうに」
「でもどうなのかしらね。もし、もう既に自分の仕えたい人がいるかもしれないし、あなたみたいに、断られるかも」
「俺の事は本気で誘ってないだろ。本気だったらもう少し真面目に考えてやるさ。シャバはどうだろうな、俺も聞いたことないからな」
ゲームでは学園卒業後にシャバーニが出てくることはない。それも不人気キャラとなる理由かもしれない。
卒業後の事も明確にされていないので知る由もない。
「でも相手がいたとしても、あんたの名前を使えばなんとでもなるじゃねーか」
「私そういうの好きじゃないの、生まれだけで威張ったりするの。私は私なんだし。生まれも力の一つかもしれないけど私はそういうの嫌。それにシャバーニはそういうの嫌いでしょ」
ヤンが声をだして笑った。下を向いて、口を手で押さえても笑い声が聞こえてくる。表情が豊かなキャラだったのは知ってるけど、こんなに笑っているシーンはなかった。意外な一面を見た気がする。
「あんた変わってんな。名のある家名持ちなんて名前で威張り散らすやつばっかりだと思ってたよ」
「貴方の親友も同じような考えだと思うわ」
「あいつも変わり者なんだよ」
最初に顔を合わせた時のような敵意はもう感じられない。ただ純粋に楽しそうに話しているのが声からでも分かった。
一息つくとヤンはそのまま校舎に向かって歩き出した。いつの間にか手に持っていた食事はなくなって、水筒だけになっている。
「次の交流日にシャバに会えるように繋いでやるよ。校庭から少し外れたとこに大きな木があるのが見えるだろ。そこに連れてくよ」
そう言って指差す先には確かに、一本だけ離れて立っている木が目立っている。なんだか告白の名物スポットにでもなりそうな場所だ。
「ありがとう! 後、あなたを近衛騎士に誘ったのも本気だから! 覚えておいてね!」
「お前はシャバを指名するんだろ。だったらダメだろ」
「私は、一人だけじゃなくて、近衛騎士団を作りたいの! だからあなたもその一人なの!」
「そんなの聞いたことねーよ。せいぜいがんばんな」
右手をひらひらとあげながら笑い混じりに去って行った。
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