異世界日帰りごはん 料理で王国の胃袋を掴みます!

ちっき

文字の大きさ
611 / 1,133
連載

もうすぐクリスマス!

しおりを挟む
「寒いです!」
 美桜は登校しながら叫ぶ。

「まぁ冬だから。」
「あっち暖かいからねぇ。」
「同じ夏でもジブラロール過ごしやすいよね。」
「魔法で調節してるんだっけ。」
「でも王都に行っても言う程暑苦しい感じしないもんね。」
 寒空の中、学校に向かう面々。

「で、期末も終わったんだけど~。」
「次はクリスマスですなぁ。」
「プレゼント交換する?」
「する!」
「レナION行くかね?」
「ミオ~何買うの~?」
 青空は美桜の腕に抱き着きながら問いかける。

「言ったら面白くなくない?」
「なくなくない?」
「どっちよ。」
「プレゼントかぁ~。」
 千春は空を見上げながら呟く。

「千春何か買うものあるの?」
「いや、逆、なーんも思いつかない。」
「だよねぇ~、あっちで楽しめる物が良いかなぁ。」
「ユラにもあげたいし、おかぁさんとかお母様、お父様にもあげたいし?」
「あららら~?ダーリンにはあげないのぉ?」
 揶揄いながら大愛が千春をつっつく。

「・・・あげるよぉ・・・何あげたら喜ぶかなぁ。」
「かぁぁぁ!チハルがあげる物なら何でも喜ぶでしょうがぁ!」
「私もいろんな人にあげたいなぁ。」
 騒ぐ大愛や青空を横目に日葵も呟く。

「ヒマリは誰にあげんの?」
「お父さんとかお母さんでしょー、お父様達にもあげたいし、ハチェット様とかルペタにもあげたいしー、コロソとジエルにも何かしたいなぁ。」
「コロソとジエルはもうヒマリの付き人だもんねぇ。」
「うん、ずーっと一緒にいるからね。」
 同じ歳の侍女、コロソとジエルを思い出しながら呟く。

「ねぇ、買わずにあっちで作らない?」
「へ?何を?」
 麗奈が提案すると美桜が聞き返す。

「ほら、こっちの物って持って行くと面倒な事も有るじゃん?」
「まぁ、今更感あるけどね。」
「あっちで面白い魔道具作ったりさー、色々有るじゃん?」
「空飛ぶ箒とか?」
「それも有りっちゃーありかな。」
「ん~、面白いかもね。」
「よし!今日帰ったらみんなで考えよう!」
「おっけー、ちょっと楽しみになったわ。」
「それな~。」
 JK達は何故か皆でスキップしながら学校へ向かった。


----------------


「おかぁさんただいまー。」
「お帰り千春、あれ?みんなは?」
「ん、ネタ探しにION行ったりトイジャラス行ってる。」
「ネタ?・・・あークリスマスのプレゼントなのね。」
「ねぇおかぁさん、シレっと思考読むのやめない?」
「見えちゃうんだもん。」
「だもんって可愛く言ってもダメでーす。」
 門の部屋で本を読んでいる春恵にもの言いを付けながら千春は応接室に移動する。

「おかえりなさいチハル。」
「サフィーただいまー・・・あー、トゥトゥいらっしゃい。」
「おじゃましてますわ~♪」
「で?フルールちゃんは?」
「食堂に行きましたわぁ。」
「毎日来てんねぇ。」
 呆れた様に呟く千春。

「今日は料理人を3人連れて来ていましたから、料理を教える為に来たみたいですよ。」
「まぁあっちでも作れたら来なくて良いもんね。」
「そうですね、まだ戴冠式は終わってませんが女王陛下になるわけですから。」
 サフィーナもクスクスと笑いながら答える。

「お帰りなさいませ!チハルさん!」
「おねえちゃんおかえりなさい!」
「ただいまモリー、ユラ。」
「皆さんは?」
「ちょっとネタ探しにお店周りしてるよ。」
「ネタ?」
「そ、もう少ししたら楽しいイベントがあるんだよ。」
「へぇ~そうなんですね。」
「なにがあるの?」
「ん、クリスマスってイベントだよ、みんなでケーキ食べてプレゼント交換して楽しむ日なの。」
 千春は分かりやすくユラに説明する。

「ユラもぷれぜんとする!」
「皆さんにプレゼントとなると沢山必要ですねぇ。」
「モリー、1つで良いんだよ。」
「へ?皆さんにあげるんですよね?」
「んにゃ、1人1つ準備して誰にどのプレゼントが行くか分からないってヤツするから。」
「えー、皆さんにあげたいですぅ。」
「ユラもー!ユラもおねえちゃんたちにあげたい!」
「まぁ私も個別であげるつもりだけどね。」
 千春は話をしながらカバンをアイテムボックスに入れ着替えに移動する。

「んー、何にしようかなぁ。」
 寝室に移動するとサフィーナがついて来る、そして千春の呟きに問いかける。

「誰にあげるんですか?」
「イツメンにはさっき言った様に1つで良いんだけど・・・お父さんとかお母さん、お父様達、ユラとか・・・サフィーとかにもねぇ~。」
「あら嬉しい、チハルに貰えるなら何でも嬉しいわ。」
 ニコニコしながら千春の着替えを手伝うサフィーナ。

「で!何にしようか考えてるんだよね。」
「皆さんは何にするか言われてました?」
「んにゃ、それを考えに今日出かけてるんだけどさ、こっちで作れる物をって言ってたんだよ。」
「こっちで?」
「うん、あっちの物を魔道具で作れないかなって。」
「・・・それはまた凄い事を考えますね。」
「ほんと・・・誰だこんな事言ったの。」
 千春は苦笑いで呟く、着替えが終わり応接間に戻る。

「チハルおねえちゃん見て!」
 ユラは狐のヌイグルミを床に置くとヌイグルミが歩き始める。

「ピノって歩けるんだ・・・イロハが操ってるの?」
「違うわよ?」
「へ?!んじゃなんで動いてんの!?」
「デンハちゃんのまほーなのー!」
 ユラはペットが寛ぐスペースに新しいクッションの上で寛ぐ猫の精霊デンハを見る。

「精霊魔法ですよ・・・ニャ。」
「精霊魔法で操れるの?」
「単純なゴーレムの核と同じ魔法なんです・・ニャ。」
「へぇ、精霊魔法でゴーレム作れるんだ。」
「ウッドゴーレムで村を護衛させるときに使う魔法ですね・・・ニャ。」
「・・・デンハそれ魔石に組み込めるの?」
「はい、組み込めますけど、大きな物は僕には無理ですよ?・・・ニャ。」
「いや、コレで良い!コレが良い!ユラ、一緒に人形つくらない?」
「作る!」
「デンハ、ちょっと数多いけど魔石で魔道具作ってもらえる?お礼するから。」
「頑張ります!・・・ニャ!」
「お礼は何が良い?」
 千春は作る物が決まりウキウキで問いかける。

「デンハ・・・酒と言え酒と(ボソッ)」
「お酒でお願いします!・・・ニャ!」
「ループー・・・。」
「良いじゃねぇか、デンハも結構呑むようになったからな。」
「はい!日本酒は美味しいですね!ニャ!」
「よし、魔石は・・・沢山・・・肉の中にある。」
 千春は解体していない魔物を思い浮かべながら呟く。

「チハル、私が保管してる魔石も有りますよ。」
「ナイス!サフィー!」
 サフィーナはバラバラと魔石を取り出すとデンハに渡す。

「色々使えそうだし、まだ日はあるから沢山作っといて!」
「はーい分かりましたー・・・ニャ!」
「サフィー人形つくれる?」
「・・・まぁ・・・少しなら?」
「微妙な反応だねぇ、サリナ作れる?」
「いえ、作った事は有りません。」
「モリーは?」
「作れると思います?」
「思わないよ、マクリは~無理かな?」
「無理ですニャー。」
「チハルおねぇちゃん、コラリーおねえちゃんが得意だよ!」
「モリー!コラリーちゃん呼んで来て!」
「了解です!」
 モリアンは扉を勢いよく開け消える。

「材料はどうしようかな、ユラ、ルプヌイ作った時どうしたの?」
「ドロテおねえちゃんがしょうぎょうぎるどでかって来てくれたよ?」
「サフィー、モリーにドロテちゃんも呼んで来てって連絡お願い。」
「はい。」
 サフィーナは直ぐに魔導通信道具でモリアンに声を掛ける。

「よし!私は動くヌイグルミ作るぞー!」
「おー!」
 千春が腕を上げるとユラも腕を上げる、2人は目が合いニッコリと楽し気に微笑んだ。





しおりを挟む
感想 3,724

あなたにおすすめの小説

何もしない公爵夫人ですが、なぜか屋敷がうまく回っています

鷹 綾
恋愛
辺境公爵カーネル・クリスの妻となったフィレ・バーナード。 けれど彼女は、屋敷を仕切ることも、改革を行うことも、声高に意見を述べることもしなかった。 指示を出さない。 判断を奪わない。 必要以上に関わらない。 「何もしない夫人」として、ただ静かにそこにいるだけ。 それなのに―― いつの間にか屋敷は落ち着き、 使用人たちは迷わなくなり、 人は出入りし、戻り、また進んでいくようになる。 誰かに依存しない。 誰かを支配しない。 それでも確かに“安心できる場所”は、彼女の周りに残っていた。 必要とされなくてもいい。 役に立たなくてもいい。 それでも、ここにいていい。 これは、 「何もしない」ことで壊れなかった関係と、 「奪わない」ことで続いていった日常を描く、 静かでやさしい結婚生活の物語。

辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました

腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。 しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。

魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました

iru
恋愛
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。 両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。 両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。 しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。 魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。 自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。 一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。 初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。 恋人になりたいが、年上で雇い主。 もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。 そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。 そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。 レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか? 両片思いのすれ違いのお話です。

聖女の力は「美味しいご飯」です!~追放されたお人好し令嬢、辺境でイケメン騎士団長ともふもふ達の胃袋掴み(物理)スローライフ始めます~

夏見ナイ
恋愛
侯爵令嬢リリアーナは、王太子に「地味で役立たず」と婚約破棄され、食糧難と魔物に脅かされる最果ての辺境へ追放される。しかし彼女には秘密があった。それは前世日本の記憶と、食べた者を癒し強化する【奇跡の料理】を作る力! 絶望的な状況でもお人好しなリリアーナは、得意の料理で人々を助け始める。温かいスープは病人を癒し、栄養満点のシチューは騎士を強くする。その噂は「氷の辺境伯」兼騎士団長アレクシスの耳にも届き…。 最初は警戒していた彼も、彼女の料理とひたむきな人柄に胃袋も心も掴まれ、不器用ながらも溺愛するように!? さらに、美味しい匂いに誘われたもふもふ聖獣たちも仲間入り! 追放令嬢が料理で辺境を豊かにし、冷徹騎士団長にもふもふ達にも愛され幸せを掴む、異世界クッキング&溺愛スローライフ! 王都への爽快ざまぁも?

私をいじめていた女と一緒に異世界召喚されたけど、無能扱いされた私は実は“本物の聖女”でした。 

さら
恋愛
 私――ミリアは、クラスで地味で取り柄もない“都合のいい子”だった。  そんな私が、いじめの張本人だった美少女・沙羅と一緒に異世界へ召喚された。  王城で“聖女”として迎えられたのは彼女だけ。  私は「魔力が測定不能の無能」と言われ、冷たく追い出された。  ――でも、それは間違いだった。  辺境の村で出会った青年リオネルに助けられ、私は初めて自分の力を信じようと決意する。  やがて傷ついた人々を癒やすうちに、私の“無”と呼ばれた力が、誰にも真似できない“神の光”だと判明して――。  王都での再召喚、偽りの聖女との再会、かつての嘲笑が驚嘆に変わる瞬間。  無能と呼ばれた少女が、“本物の聖女”として世界を救う――優しさと再生のざまぁストーリー。  裏切りから始まる癒しの恋。  厳しくも温かい騎士リオネルとの出会いが、ミリアの運命を優しく変えていく。

美男美女の同僚のおまけとして異世界召喚された私、ゴミ無能扱いされ王城から叩き出されるも、才能を見出してくれた隣国の王子様とスローライフ 

さら
恋愛
 会社では地味で目立たない、ただの事務員だった私。  ある日突然、美男美女の同僚二人のおまけとして、異世界に召喚されてしまった。  けれど、測定された“能力値”は最低。  「無能」「お荷物」「役立たず」と王たちに笑われ、王城を追い出されて――私は一人、行くあてもなく途方に暮れていた。  そんな私を拾ってくれたのは、隣国の第二王子・レオン。  優しく、誠実で、誰よりも人の心を見てくれる人だった。  彼に導かれ、私は“癒しの力”を持つことを知る。  人の心を穏やかにし、傷を癒す――それは“無能”と呼ばれた私だけが持っていた奇跡だった。  やがて、王子と共に過ごす穏やかな日々の中で芽生える、恋の予感。  不器用だけど優しい彼の言葉に、心が少しずつ満たされていく。

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。