上 下
587 / 732

フリエンツ王国のプライベート島!

しおりを挟む
「あの島です!」
 千春達はドラゴンに乗りフリエンツ王国プライベート島へ向かっていた。

「デカいな!」
「歩きでも数時間で一回り出来ますので小さいですよ?」
「誰か住んでるの?」
「島は無人島ですが周りには人魚達が管理しております。」
 ロイロに乗った千春とナラーシャが話す。

『何処に降りるんじゃー?』
「あの砂浜にお願いしますロイロ様。」
 ナラーシャが指差す方へロイロが向かう、後ろからは真っ白なドラゴンのミカと真っ黒なドラゴンのゼル、そして大きなクジラ、ティスケリーが皆を乗せ付いて来ている。

「ココは安全なの?」
「はい、護衛も追いついていますので。」
 真下の海を見ると大きなイルカやシャチに乗ったセイレーン騎士が付いて来ていた。

「魔物は居るの?」
「はい、居ますが騎士団が追い払いますので大丈夫です。」
 ロイロはゆっくりと砂浜に着地すると皆も降りて来る。

「とうちゃーく!」
「綺麗!」
「凄いな、これぜ~~~~んぶ貸し切り!?」
「マジか、海綺麗だねー。」
 JK達はティスケリーから降りると海を眺める。

「チハルおねえちゃん!およいでいいの?」
「ちょっとまってねー。」
 ユラ達は既に水着姿ではしゃいでいる。

「えーっと、うきわうきわ。」
 アイテムボックスから浮き輪を取り出す千春、それをルプ達に渡すと空気を吹き入れる。

「わっかー!」
「これは?」
「溺れない様にね。」
「ユラおよげるよ?」
「ずっと泳ぐのも疲れるでしょ?」
 千春も大きく息を吸い浮き輪に空気を入れる。

「手伝うよ。」
 頼子も1つ手に取り空気を入れる。

「なんじゃ、ユラ達には魔法で浮かせればいいじゃろ。」
「えぇ~情緒ないなぁ。」
「チハル様、周りに人魚と海獣が見回っております、何か有れば直ぐにお助けできますが。」
「うん、それはそれこれはこれなの。」
 空気を入れた浮き輪を子供達にかぶせる。

「はい!いっといで!」
 千春が言うとユラ、イーレン、ルペタ、イーナ、男の子2人ケンブリットとシュウラスも走って海に突撃する。

「わーい!」
「俺が1ばーん!」
「ケン君まって!僕も!」
 キャッキャと騒ぐ子供達を生暖かい目で見る千春、そして視線に入るJK軍団もダッシュしていた。

「うりゃぁ!私が一番だぁ!」
「ヨリおねえちゃんずるいー!!!」
「あまーい!私が一番だー!」
 身体強化でダッシュした青空が海に飛び込む。

「うひゃー!気持ちいいー!!!!」
 次々と海に飛び込むJKと子供達。

「チハルは行かないの?」
「ん、行くけどアレに交じるのはどうかなと。」
「いってらっしゃいな。」
「そだね、いきますかねぇ。」
 重い腰を上げ立ち上がる千春はのんびり見ているアルデアに声を掛ける。

「アルデアも行く?」
 千春の水着を着たアルデアは嫌そうな顔をする。

「海に入るの?」
「うん。」
「本当に?」
「入った事は?」
「無いわ。」
「楽しいよ?」
「・・・楽しそうではあるわね。」
 バチャバチャと水をかけ合い遊んでいる皆をみながら呟くアルデア。

「さ、行こ!」
 アルデアの手を引き千春も海に向かう、そして皆で海を楽しんだ。


--------------------


「この子に乗るの?」
「マジか。」
「デカいなぁ。」
 シャチの上に乗る青空、大愛、日葵が呟く。

「私はこっちー。」
「ウチもー!」
「私も~♪」
 頼子達ももう一頭のシャチに乗る。

「それでは海中探検に向かいますね。」
 セイレーン騎士団が回りを囲み魔法を掛ける。

「魔法を掛けております、会話も出来ますので楽しまれてください。」
 ナラーシャはそう言うと大きな自分のシャチに乗り海に潜る。

「うぉぉぉ!すごぉぉ!」
「息出来るね、すげー。」
「こういう魔法もあるんだね、何魔法なんだろう。」
「水魔法かな?」
「空気だから風じゃない?」
 水の中でも息が出来るのが不思議でたまらない頼子達、そしてグングン深い所に潜っていく。

「水圧大丈夫なの?怖いんだけど。」
「大丈夫です、水圧軽減の魔法もかけてますから。」
「そりゃ安心だ。」
 スイスイと泳ぐシャチは海中を泳ぐ、ユラ達も2頭に分かれ乗り楽しそうだ。

「凄いねー。」
 千春は一緒に乗っているアルデアに声を掛ける。

「こんな綺麗な世界が有るのね、知らなかったわ。」
 アルデアは全てが新鮮で初めてばかりの事で楽しそうに見回す。

「この先には遥か昔に沈んだ神殿が有ります。」
「おぉー!海底神殿!」
「神様が居るの?」
「アイトネ様?」
『呼んだー?』
「うわぁ!海の中ですよ!?」
 青空の言葉に反応し出て来るアイトネは海底神殿を見る。

「あー、あの神殿は海の上位精霊が居た所よ。」
「へぇ・・・海の上位精霊なんて居るんだ。」
「これはレナの出番か?」
「やめて!もうこれ以上はやめて!」
 麗奈は嫌そうに叫ぶ。

「海の上位精霊って誰なんですか?」
『あら、ソラ達も知ってる人よ?』
「へ?」
「え?誰!?」
「オピクスさんは水の精霊だし・・・誰だろ。」
 頼子達が考えていると千春が答える。

「マリーナ女王じゃない?確かウンディーネは上位精霊ってハルトが言ってたよ。」
『あたり~♪』
「マジか!マリーナ様って精霊だったんだ!」
『えぇ、あの子は他の精霊とはちょっと違う特殊な精霊なのよ。』
 アイトネの説明を聞きながら神殿の周りをグルグル回ると場所を変え魚の大群やサンゴ礁を見て回り地上に戻った。


--------------------


「やっべぇ楽しかった。」
「これは楽しすぎる。」
 シャチから降りる頼子と美桜は感動しながら呟く。

「お帰りなさい。」
「サフィーただいまー。」
「楽しかった?」
「もっっっっっっの凄く楽しかった!」
「アルデア様どうされました?」
 下を見ながら動かないアルデアにサフィーナが声を掛ける。

「・・・楽しかった(ボソッ)」
「へ?」
「凄かったわ!感動したわ!」
「うわぁ!ビックリした!」
「チハル!凄いわ!海って凄いわ!」
「う、うん、そうだね。」
 興奮冷めやらぬアルデアの手を引き砂浜に戻る千春、横では同じく感動して叫ぶおこちゃま達が居た。

「アル!凄かったのです!」
「ユラちゃん綺麗だったね!」
「うん!」
「ルペタも!すごかったです!」
「言葉が出ないな。」
「うん、凄かったね。」
 海中探索に感動する子供達。

「おかえりチハル。」
「ただいま、ハルト達も一緒に行けばよかったのにー。」
「ま、そのうちな。」
「アリンさんもだよー、魔法で溺れないからぁ。」
「そ、そうですね、まぁそのうち・・・。」
 ニコニコと返すエンハルトと、引き気味のアリンハンド。

「エーデルさん達なにしてるのー?」
 美桜は座って何かをしているエーデル達に声を掛ける。

「人魚達が持ってきた貝殻でこれを作っていました。」
 大きな手には貝殻のネックレスが作られていた。

「作ったの?!」
「はい、ミオさんどうぞ。」
「ありがとー♪」
 美桜は綺麗な貝殻ネックレスを首からかける。

「どうよ!」
 美桜はドヤ顔で麗奈に見せるが麗奈も同じ様にドヤ顔で見せる。

「残念でした~!私も頂きました~!」
 ホーキンも同じ様にネックレスを作り麗奈に渡していた。

「・・・似合ってんじゃん。」
「・・・ミオもな。」
 2人は目が合い笑い合う。

「ミオ!レナ!みてみて!」
「ほら!うちらも貰った!」
 男連中は暇だったのかネックレスや髪飾りを貝殻で作っていた。

「ハルトも作ったの?」
「あぁ、人魚達が大量に持ってきてな。」
 エンハルトはそう言うと手を開く。

「おぉ~♪つけて良い?」
「あぁ。」
 エンハルトは千春の首に貝殻のネックレスをつける。

「んっふ♪ありがと♪」
「どういたしまして、お姫様。」
「おねえちゃん綺麗!」
「ヨリお姉さまたちもきれい!」
「イーナもほしいですー!」
「貝殻ならまだいっぱいあるぞ。」
 エンハルトは子供達に言うと、目をキラキラさせ食い付く。

「ルペタもつくりたいです!」
「わたしもー!」
「ユラもつくる!」
「イーナもつくるです!」
「よーし!誰が一番可愛いの作れるか競争だー!」
 千春は子供達と一緒にアクセサリーを作って楽しんだ。




しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです

yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~ 旧タイトルに、もどしました。 日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。 まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。 劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。 日々の衣食住にも困る。 幸せ?生まれてこのかた一度もない。 ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・ 目覚めると、真っ白な世界。 目の前には神々しい人。 地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・ 短編→長編に変更しました。 R4.6.20 完結しました。 長らくお読みいただき、ありがとうございました。

俺のスキル『性行為』がセクハラ扱いで追放されたけど、実は最強の魔王対策でした

宮富タマジ
ファンタジー
アレンのスキルはたった一つ、『性行為』。職業は『愛の剣士』で、勇者パーティの中で唯一の男性だった。 聖都ラヴィリス王国から新たな魔王討伐任務を受けたパーティは、女勇者イリスを中心に数々の魔物を倒してきたが、突如アレンのスキル名が原因で不穏な空気が漂い始める。 「アレン、あなたのスキル『性行為』について、少し話したいことがあるの」 イリスが深刻な顔で切り出した。イリスはラベンダー色の髪を少し掻き上げ、他の女性メンバーに視線を向ける。彼女たちは皆、少なからず戸惑った表情を浮かべていた。 「……どうしたんだ、イリス?」 アレンのスキル『性行為』は、女性の愛の力を取り込み、戦闘中の力として変えることができるものだった。 だがその名の通り、スキル発動には女性の『愛』、それもかなりの性的な刺激が必要で、アレンのスキルをフルに発揮するためには、女性たちとの特別な愛の共有が必要だった。 そんなアレンが周りから違和感を抱かれることは、本人も薄々感じてはいた。 「あなたのスキル、なんだか、少し不快感を覚えるようになってきたのよ」 女勇者イリスが口にした言葉に、アレンの眉がぴくりと動く。

初恋の幼馴染に再会しましたが、嫌われてしまったようなので、恋心を魔法で封印しようと思います【完結】

皇 翼
恋愛
「昔からそうだ。……お前を見ているとイライラする。俺はそんなお前が……嫌いだ」 幼馴染で私の初恋の彼――ゼルク=ディートヘルムから放たれたその言葉。元々彼から好かれているなんていう希望は捨てていたはずなのに、自分は彼の隣に居続けることが出来ないと分かっていた筈なのに、その言葉にこれ以上ない程の衝撃を受けている自分がいることに驚いた。 「な、によ……それ」 声が自然と震えるのが分かる。目頭も火が出そうなくらいに熱くて、今にも泣き出してしまいそうだ。でも絶対に泣きたくなんてない。それは私の意地もあるし、なによりもここで泣いたら、自分が今まで貫いてきたものが崩れてしまいそうで……。だから言ってしまった。 「私だって貴方なんて、――――嫌いよ。大っ嫌い」 ****** 以前この作品を書いていましたが、更新しない内に展開が自分で納得できなくなったため、大幅に内容を変えています。 タイトルの回収までは時間がかかります。

(完)妹が全てを奪う時、私は声を失った。

青空一夏
恋愛
継母は私(エイヴリー・オマリ伯爵令嬢)から母親を奪い(私の実の母は父と継母の浮気を苦にして病気になり亡くなった) 妹は私から父親の愛を奪い、婚約者も奪った。 そればかりか、妹は私が描いた絵さえも自分が描いたと言い張った。 その絵は国王陛下に評価され、賞をいただいたものだった。 私は嘘つきよばわりされ、ショックのあまり声を失った。 誰か助けて・・・・・・そこへ私の初恋の人が現れて・・・・・・

【完結】小さなフェンリルを拾ったので、脱サラして配信者になります~強さも可愛さも無双するモフモフがバズりまくってます。目指せスローライフ!〜

むらくも航
ファンタジー
ブラック企業で働き、心身が疲労している『低目野やすひろ』。彼は苦痛の日々に、とにかく“癒し”を求めていた。 そんな時、やすひろは深夜の夜道で小犬のような魔物を見つける。これが求めていた癒しだと思った彼は、小犬を飼うことを決めたのだが、実は小犬の正体は伝説の魔物『フェンリル』だったらしい。 それをきっかけに、エリートの友達に誘われ配信者を始めるやすひろ。結果、強さでも無双、可愛さでも無双するフェンリルは瞬く間にバズっていき、やすひろはある決断をして……? のんびりほのぼのとした現代スローライフです。 他サイトにも掲載中。

超エリートコンサルタントは隠れて女子中学生制服スカートを穿いていた

進撃の制服スカート
ファンタジー
30歳で経営コンサルタントに転身した、ごく普通の男性「恵夢」。 しかし彼にはちょっとした秘密がある。 それは女子中学生の制服スカートを穿いているということ!!! 何故超エリートの人生を歩む勝ち組の彼が女子中学生の制服スカートを穿くようになったのか? 全ての元凶は彼の中学時代、同級生の女の子たちが彼に見せつけるかのようなスカートの遊び方であった。 制服スカートには夏用と冬用があるが、恵夢が強い怒りと執念を抱いたのが夏用制服スカート。 太陽の光の下を歩く女子中学生の制服スカートが透けて、くっきりと黒い影で見える足にエロさを感じ、 自分もこの制服スカートを穿きたい!!下着をつけずノーパンでこの制服スカートの感触を味わいたい! そんな強い思いから、いつしかそれが生きる活力となり、エネルギーとなり 女子中学生の制服スカートがきっかけで超エリートコンサルタントへの道を切り開く物語である。

ヒューストン家の惨劇とその後の顛末

よもぎ
恋愛
照れ隠しで婚約者を罵倒しまくるクソ野郎が実際結婚までいった、その後のお話。

狙って追放された創聖魔法使いは異世界を謳歌する

マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーから追放される~異世界転生前の記憶が戻ったのにこのままいいように使われてたまるか!  【第15回ファンタジー小説大賞の爽快バトル賞を受賞しました】 ここは異世界エールドラド。その中の国家の1つ⋯⋯グランドダイン帝国の首都シュバルツバイン。  主人公リックはグランドダイン帝国子爵家の次男であり、回復、支援を主とする補助魔法の使い手で勇者パーティーの一員だった。  そんな中グランドダイン帝国の第二皇子で勇者のハインツに公衆の面前で宣言される。 「リック⋯⋯お前は勇者パーティーから追放する」  その言葉にリックは絶望し地面に膝を着く。 「もう2度と俺達の前に現れるな」  そう言って勇者パーティーはリックの前から去っていった。  それを見ていた周囲の人達もリックに声をかけるわけでもなく、1人2人と消えていく。  そしてこの場に誰もいなくなった時リックは⋯⋯笑っていた。 「記憶が戻った今、あんなワガママ皇子には従っていられない。俺はこれからこの異世界を謳歌するぞ」  そう⋯⋯リックは以前生きていた前世の記憶があり、女神の力で異世界転生した者だった。  これは狙って勇者パーティーから追放され、前世の記憶と女神から貰った力を使って無双するリックのドタバタハーレム物語である。 *他サイトにも掲載しています。

処理中です...