上 下
574 / 680

封印されし遺跡のお宝やっほい!

しおりを挟む
「これは凄い!」
 アリンハンドは入口から覗き込み、広々としたフロアを見渡す。

「ただの広い空間だねぇ。」
 青空はキョロキョロと見まわすが面白いと思える物は一切無かった。

「魔導士的になにが凄いの?」
 千春もキョロキョロ見渡しながらアリンハンドに問いかける。

「見てください、この壁に描かれた物を、古代文明の歴史ですよ!」
「へぇ・・・その歴史知ってる人がココに居るけど?」
 千春は成り行きで同行する事になった肌の青い一つ目の女性、テールカを見る。

「・・・そ、そうなんですが、ほら!知らない事もあるでしょう?!この壁画から色々と考察出来るわけですよ!」
「ヘースゴイネー。」
「千春、先に進む?」
「うん、魔導士に付き合ってたら日が暮れそう。」
「アリンさんどうする?」
 頼子はアリンハンドに問いかけると、アリンハンドは物凄く考える。

「・・・ここは数人残して調査、残りは付いて行きましょう!」
「へいへーい、先進みますかー。」
 千春はそう言うとルプを連れ歩き始める。

「ハルト、このまま奥行って良いよね?」
「問題無いだろう、騎士団もドラゴニュートも居るからな。」
 JK達は壁画を見ながら奥へ進む、すると扉が見えた。

「はーい、あれ開くと思う人ー。」
「「「「・・・。」」」」
「ま、開かないよねー。」
 エーデル、ホーキンが千春の前に移動し扉を見回す。

「罠は無さそうだ。」
「はい、魔術的な物はどうでしょうか。」
 ホーキンが言うとロイロ達が答える。

「魔術は掛かってないぞ。」
「鍵くらいは掛かっとっちゃいない?」
「開けたらわかるだろ。」
「僕開けましょうか?」
「いえ、私が開けましょう。」
 エーデルは扉のノブに手を掛けると扉を引く、扉はギシギシと重い音を立てながら開いた。

「あくんかーい。」
「鍵くらい掛けとけー!」
「厳重なのか厳重じゃないのか分かんない遺跡だねぇ。」
「真っ暗ですね。」
「儂が魔法で明るくすればいいじゃろ。」
 開いた扉の前に移動するロイロは中へ魔法を投げ込む、すると部屋が明るく照らされた。

「ココも広いじゃーん・・・ん?」
 千春は部屋をのぞき込むと奥に塊が転がっていた。

「・・・アレってアレかね?」
「アレだねぇ。」
「ま、外にいれば中にもいるわなぁ。」
「アレって岩じゃないね。」
「なんだろね、鉄?」
 JK達が話をしていると塊が動き始める。

「やっぱりゴーレムかーい!」
「仲にも守護ゴーレム居るよねー!」
「アレはどうする?」
「めんどくさいし小さいから影入れてもらおう、ビェリー。」
「あいよー、あの5体全部入れて良いん?」
「何ゴーレムか見たいから1匹残してー。」
 千春が言うと4体のゴーレムは音も立てず影に落ちて行く。

「あっけない!」
「楽で良いじゃん。」
「さて、あの1匹処理しましょ~い。」
「どうやって?」
「俺が行こう。」
「わっちでも良いばい?」
「僕もやりたいです!」
「私でも良いわよ。」
「吾輩は遠慮するにゃ。」
 ペット達が言う間にも1体のゴーレムはドスドスと音を立てながら歩いて来る。

「鉄っぽい?」
「いや、艶的にミスリルっぽくね?」
「マ!?ミスリルゴーレム5体!?ウハウハじゃん!」
「イロハの改造捗るぅぅ!」
 皆はミスリルゴーレムを見ながら喜ぶ、その間にペット達はジャンケンで順番を決めていた。

「勝ったばーい!」
「ビェリーの次は俺な。」
「僕三番ですぅ。」
 ビェリーはそう言うと大蛇の姿になりゴーレムに近付く、ゴーレムは射程に入ったのか立ち止まると手を振り上げ塊を投げつけて来る。

「甘いばーい。」
 尻尾に結界を張り、塊を打ち返すビェリー、塊はゴーレムに当たるとゴーレムは大きな音を立て倒れる。

「何処に核があるんやろかねぇー。」
 尻尾を振り回しゴーレムを叩くとゴーレムは綺麗に切れる。

「え?なんで切れるの?」
 千春は驚きルプに問いかける。

「結界魔法の応用だな、結界を刀の様に鋭く尻尾に張ってんだ。」
「尻尾が長くて細いビェリーさんだから出来る術ですねー、僕の尻尾じゃ出来ないです。」
 プルプルとしっぽを振るルプとコン。

「核あったばーい!壊してよかとー?」
「沢山あるから良いよー!」
 頼子が言うと、ビェリーはとどめと言わんばかりに大きく尻尾を振りかぶりゴーレムに叩きつける、ゴーレムは動かなくなりビェリーは頼子を見て尻尾をフリフリする。

「おつかれビェリー。」
「なんか余裕だねー。」
 千春と頼子の言葉に皆は当たり前の様に動き出す、しかし1人驚き動かない者が居た。

「ちょっと・・・ちょっと!?チハルちゃん!?」
「なに?テールカ。」
「そのゴーレム聖銀鋼よ!?」
「あー、うん、飛行島のロボ君と同じ材質だね。」
「なんで切れるの!?」
「・・・さぁ?結界で切ったって言ってたけど詳しくはわかんにゃい。」
 良く分からない千春はそう答えると、ビェリーの待つゴーレムの所まで歩く。

「おぉ~切り刻んだねぇ。」
「加工するけん良いやろ?」
「うん、問題無いよー、私が影に入れるねー。」
 頼子はミスリルゴーレムの破片を全て影に落とし入れる。

「テールカ、あのゴーレムってロボ君と同じシステムで動いてるの?」
「違うわ、この核にはロボ君の核とは違うもの。」
「そっかぁ、ロボ君みたいに再起動したり出来ないかと思ったんだけど。」
「核が取り出せるなら多分出来るわよ?」
「出来るの!?」
「多分ね、でも取り出す事出来るの?」
「さぁ?4匹いるし、1匹くらいうまく取れるんじゃない?」
「ロボ君の友達出来たら護衛にもなるねー。」
「今回収したゴーレムはイロハの改造パーツに使いまーす。」
「やったー!ヨリ!前いってた腕飛ばすの付けて!」
「あーワイヤーの奴ね、おっけー♪」
 頼子と彩葉は材料が沢山手に入りウハウハだ。

「さ、次行こー!」
「おー!」
「宝無いって言ってたけど大儲けじゃん。」
「売ればねー。」
「まだ何か有るかもよー♪」
「どうせならオリハルコンゴーレム出ないかな!」
「うっはー!そんなん胸アツじゃん!」
「テールカちゃん、オリハルコンは有るの?」
「・・・それって神金鋼の事よね?」
「んー多分そうなのかな?」
「・・・存在はしてたわ、でも王族くらいしか手に取る事は無かったわよ。」
「あ、そうなんだ、それじゃココには無い?」
「有ったら驚くわよ!」
「私達もこの前見つけたよね?」
 アリンハンドに千春が言うと頷く。

「はい、タイキ殿が研究しています、作るためには大量のミスリル鋼が居ると。」
「大量にあるね。」
「有りますね。」
「イロハのオリハルコンロボー!」
「あー、お父さん言ってたねぇ、イロハのロボットオリハルコンで作りたいって。」
「でも回収してる無傷なミスリルゴーレムは研究したいな。」
「素材用は1匹有ればいんじゃね?」
 麗奈や大愛も色々調べているらしく、楽し気に話す。

「ま、帰ってから考えまっしょい。」
「うぃーっす。」
「先進もう!」
 JK達は気を取り直し先へ進む、その先にはさらに10体のミスリルゴーレムが居る事を知らずに。







しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

転生皇太子は、虐待され生命力を奪われた聖女を救い溺愛する。

克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。

聖女の娘に転生したのに、色々とハードな人生です。

みちこ
ファンタジー
乙女ゲームのヒロインの娘に転生した主人公、ヒロインの娘なら幸せな暮らしが待ってると思ったけど、実際は親から放置されて孤独な生活が待っていた。

おばさん、異世界転生して無双する(꜆꜄꜆˙꒳˙)꜆꜄꜆オラオラオラオラ

Crosis
ファンタジー
新たな世界で新たな人生を_(:3 」∠)_ 【残酷な描写タグ等は一応保険の為です】 後悔ばかりの人生だった高柳美里(40歳)は、ある日突然唯一の趣味と言って良いVRMMOのゲームデータを引き継いだ状態で異世界へと転移する。 目の前には心血とお金と時間を捧げて作り育てたCPUキャラクター達。 そして若返った自分の身体。 美男美女、様々な種族の|子供達《CPUキャラクター》とアイテムに天空城。 これでワクワクしない方が嘘である。 そして転移した世界が異世界であると気付いた高柳美里は今度こそ後悔しない人生を謳歌すると決意するのであった。

よくある婚約破棄なので

おのまとぺ
恋愛
ディアモンテ公爵家の令嬢ララが婚約を破棄された。 その噂は風に乗ってすぐにルーベ王国中に広がった。なんといっても相手は美男子と名高いフィルガルド王子。若い二人の結婚の日を国民は今か今かと夢見ていたのだ。 言葉数の少ない公爵令嬢が友人からの慰めに対して放った一言は、社交界に小さな波紋を呼ぶ。「災難だったわね」と声を掛けたアネット嬢にララが返した言葉は短かった。 「よくある婚約破棄なので」 ・すれ違う二人をめぐる短い話 ・前編は各自の証言になります ・後編は◆→ララ、◇→フィルガルド ・全25話完結

【完結】限界離婚

仲 奈華 (nakanaka)
大衆娯楽
もう限界だ。 「離婚してください」 丸田広一は妻にそう告げた。妻は激怒し、言い争いになる。広一は頭に鈍器で殴られたような衝撃を受け床に倒れ伏せた。振り返るとそこには妻がいた。広一はそのまま意識を失った。 丸田広一の息子の嫁、鈴奈はもう耐える事ができなかった。体調を崩し病院へ行く。医師に告げられた言葉にショックを受け、夫に連絡しようとするが、SNSが既読にならず、電話も繋がらない。もう諦め離婚届だけを置いて実家に帰った。 丸田広一の妻、京香は手足の違和感を感じていた。自分が家族から嫌われている事は知っている。高齢な姑、離婚を仄めかす夫、可愛くない嫁、誰かが私を害そうとしている気がする。渡されていた離婚届に署名をして役所に提出した。もう私は自由の身だ。あの人の所へ向かった。 広一の母、文は途方にくれた。大事な物が無くなっていく。今日は通帳が無くなった。いくら探しても見つからない。まさかとは思うが最近様子が可笑しいあの女が盗んだのかもしれない。衰えた体を動かして、家の中を探し回った。 出張からかえってきた広一の息子、良は家につき愕然とした。信じていた安心できる場所がガラガラと崩れ落ちる。後始末に追われ、いなくなった妻の元へ向かう。妻に頭を下げて別れたくないと懇願した。 平和だった丸田家に襲い掛かる不幸。どんどん倒れる家族。 信じていた家族の形が崩れていく。 倒されたのは誰のせい? 倒れた達磨は再び起き上がる。 丸田家の危機と、それを克服するまでの物語。 丸田 広一…65歳。定年退職したばかり。 丸田 京香…66歳。半年前に退職した。 丸田 良…38歳。営業職。出張が多い。 丸田 鈴奈…33歳。 丸田 勇太…3歳。 丸田 文…82歳。専業主婦。 麗奈…広一が定期的に会っている女。 ※7月13日初回完結 ※7月14日深夜 忘れたはずの思い~エピローグまでを加筆修正して投稿しました。話数も増やしています。 ※7月15日【裏】登場人物紹介追記しました。 ※7月22日第2章完結。 ※カクヨムにも投稿しています。

魔法の盟約~深愛なるつがいに愛されて~

南方まいこ
BL
西の大陸は魔法使いだけが住むことを許された魔法大陸であり、王国ベルヴィルを中心とした五属性によって成り立っていた。 風魔法の使い手であるイリラノス家では、男でも子が宿せる受巣(じゅそう)持ちが稀に生まれることがあり、その場合、王家との長きに渡る盟約で国王陛下の側妻として王宮入りが義務付けられていた。 ただ、子が生める体とはいえ、滅多に受胎すことはなく、歴代の祖先の中でも片手で数える程度しか記録が無かった。 しかも、受巣持ちは体内に魔力が封印されており、子を生まない限り魔法を唱えても発動せず、当人にしてみれば厄介な物だった。 数百年ぶりに生まれた受巣持ちのリュシアは、陛下への贈り物として大切に育てられ、ようやく側妻として宮入りをする時がやって来たが、宮入前に王妃の専属侍女に『懐妊』、つまり妊娠することだけは避けて欲しいと念を押されてしまう。 元々、滅多なことがない限り妊娠は難しいと聞かされているだけに、リュシアも大丈夫だと安心していた。けれど――。

悪役令嬢の選んだ末路〜嫌われ妻は愛する夫に復讐を果たします〜

ノルジャン
恋愛
モアーナは夫のオセローに嫌われていた。夫には白い結婚を続け、お互いに愛人をつくろうと言われたのだった。それでも彼女はオセローを愛していた。だが自尊心の強いモアーナはやはり結婚生活に耐えられず、愛してくれない夫に復讐を果たす。その復讐とは……? ※残酷な描写あり ⭐︎6話からマリー、9話目からオセロー視点で完結。 ムーンライトノベルズ からの転載です。

【R18】幼馴染の魔王と勇者が、当然のようにいちゃいちゃして幸せになる話

みやび
恋愛
タイトル通りのエロ小説です。 ほかのエロ小説は「タイトル通りのエロ小説シリーズ」まで

処理中です...