433 / 852
魔国の食事!
しおりを挟む
「買い物だと?」
「チーズ買いに来たんですよ。」
魔国に来た理由を千春が言うと呆れた様に魔王は呟く。
「酒のあてか?」
「いえ?料理とかお菓子に使おうと思いまして・・・料理に使わないんですか?」
「飯は食えれば良いだろう、血の滴る肉と酒が有れば良い。」
「チハル、魔族に料理なんて縁のない話よ。」
アルデアはクスクス笑いながら教える。
「血の滴るって、まさか生肉食べてる訳じゃないでしょ?」
「そのまさかよ。」
「うっそぉん。」
「私は焼いてるの食べてましたけれど、好きじゃ無かったわ。」
ラミも少し遠い目をしながら答える。
「魔王さん厨房貸してください!」
千春はありえない魔国の食事事情に不満を持つと声を上げる。
「厨房?・・・あぁ、解体場か。」
「厨房すら無いんかーい!」
「チーズとかお酒は何処にあるんですか?」
頼子が聞くと魔王は考え出す。
「・・・知らないな。」
「メイドさん!調理できそうな所ありますか?!」
この魔王使えねぇ!と判断した千春はメイドに確認するとあっさりと答えられる。
「厨房も食堂も御座います、普通の食事を取る種族もおりますので。」
「だよねぇ!どんな物出してるの?」
「焼いた肉、魚、パンやスープです。」
「千春、このメニューって千春が来る前のジブラロールと一緒じゃん?」
「・・・うん、私も思ったわ。」
「ねぇねぇメイドちゃん、パンって固い?」
千春が来る前の食事事情を知らない青空は楽しげに問いかける。
「はい、物凄く固いです。」
「おー!食べてみたい!」
「うちも食べたい!」
「私も!」
青空、大愛、日葵は楽しげに言う。
「一応ジブラロールでも食べれるよ?」
「美味しく無いけどね。」
「うん、あれは無理。」
「ウチ歯が折れるかと思ったもん。」
「マジそれな。」
千春が言うと頼子、美桜、麗奈が話す。
「それじゃ買い物は後で行くとして何か作りましょう!」
「ウチらうどん食べたからなぁ。」
「サフィーちゃんうどん収納してたよね?」
「はい、有りますが肉好きのようなので肉料理の方が良いのでは?」
サフィーナは頭を少し傾げながら答えると、千春がアイテムボックスからサンドイッチを取り出す。
「はい、魔王様これジブラロールで食べられてるパンです。」
「千春これコンビニのじゃん。」
「こまけぇこたぁいいのよ、このクオリティでルノアーさん作ってんじゃん。」
魔王はパンと聞き嫌そうな顔をするが、千春から受け取り触ると驚く。
「これの何処がパンなんだ?柔らかいぞ?」
「ジブラロール王国や周辺の国じゃパンはコレですよ。」
千春はサンドイッチを一度受け取りパッケージを開けまた渡す。
「食べてみてください。」
「・・・。」
「あ、王様だからこんな渡し方した物食べらませんよね。」
「いや、アルデアが連れて来た者を疑うつもりはない、いただこう。」
魔王はそう言うとサンドイッチをパクリ・・・いや、ガブリと齧り付く。
「?」
「どうです?」
「・・・。」
「あれ?」
魔王はもぐもぐと口を動かしながらサンドイッチを見つめる。
「ビア、何か言いなさいよ。」
笑みを浮かべながらアルデアが言うと、魔王はゴクンと飲み込みカッと目を見開く。
「このパンは!!魔国でも作れるのか?!!!!」
「うわぁ!ビックリしたぁ!作れますよ、多分。」
「そうか!」
嬉しそうに言うと、魔王はメイドに命令する。
「食堂の料理を作っている者を連れてこい!すぐに教えてもらえ!」
「は!はいっ!!!」
「あ、魔王様、これパン酵母作らないと作れないんで3~5日後ですよ、作って食べれるの。」
千春が言うと魔王は崩れ落ちた。
「うわぁ大の大人が膝から崩れたよ。」
「しかも魔王様って言うね。」
「千春、パン酵母余ってないん?」
「あー・・・サフィーが一次発酵終わった生地持ってたよね。」
「有りますよ、魔王様だけなら5日分は有りますが、外に出すと腐りますね。」
「アイテムボックス使えそうな人居ないかなぁ。」
「そうそう居ないと思いますが魔力に長けた魔族なら居るかも知れませんね。」
「アルデアってアイテムボックス使えるじゃん?5日くらい滞在しt」
「嫌に決まってるでしょう。」
かなり食い気味に答えるアルデア。
「アルデア!頼む!」
「嫌!」
「仮にも俺と婚約者だった時もあっただろう!」
「それが嫌だからこの国出たのよ!」
「頼む!パンを食べたいぞ!」
珍しくキレ気味のアルデアに懇願する魔王。
「お姉様が父の魔王と結婚したら・・・お姉様がお母様に?!」
初めて婚約の事を知ったラミが驚く。
「ラミ、それは無いわよ、あっちこっちで子供作ってるようなろくでなしよ?私は一途なのが良いの。」
「しっかり面倒は見てるぞ。」
「そう言う問題じゃ無いのよ、女心もわからない男は嫌!チハル達と帰るわよ。」
しょんぼりする魔王を見つつ麗奈はリリに問いかける。
「リリ、フェアリーリング作れる?」
「えぇ、もちろん♪」
「ジブラロールの食堂で貰ってこようか?魔王様分の量ならちょっとだけっしょ?」
「本当か!?」
魔王は麗奈の話を聞き麗奈の手を取ろうとした所でアルデアに叩かれる。
「この子達に触らない!滅ぼされるわよ?」
「触っただけでか!?」
「そうよ。」
「俺、この国の王だぞ?」
「王が何よ、私も女王してたわよ。」
「まぁまぁ、それじゃレナとリリはパン酵母お願い、私は食堂行ってみるよ。」
「私は荷物持ちでレナと言ってくるよ。」
「さんきゅーヨリ、お願いするわ、魔王さん庭にフェアリーリング作って良いですか?」
「構わないが・・・妖精までいるのか。」
「はい、他にも妖精は3人くらい居ます、あとこの犬が聖獣のフェンリルで、こっちは土地神の白蛇のビェリー、この子は神様の使いのコン、あとあっちにドラゴンのロイロ、あ、ドラゴンは今何頭いるんだっけ?」
「え~っとエーデルさん曰く30頭くらいって言ってた気がするなぁ。」
「あとはレナのペットで軍隊蜂が・・・何匹いんの?」
「さぁ?300匹超えたあたりから聞いてないね。」
「・・・アルデア。」
「何?」
「本当なんだよな?」
「本当よ、みんないい子よ?喧嘩売らなければ。」
魔王は溜息を吐く。
「あー、なんだ、え~・・・仲良くしてくれ。」
魔王は色々と諦めたように呟いた。
「チーズ買いに来たんですよ。」
魔国に来た理由を千春が言うと呆れた様に魔王は呟く。
「酒のあてか?」
「いえ?料理とかお菓子に使おうと思いまして・・・料理に使わないんですか?」
「飯は食えれば良いだろう、血の滴る肉と酒が有れば良い。」
「チハル、魔族に料理なんて縁のない話よ。」
アルデアはクスクス笑いながら教える。
「血の滴るって、まさか生肉食べてる訳じゃないでしょ?」
「そのまさかよ。」
「うっそぉん。」
「私は焼いてるの食べてましたけれど、好きじゃ無かったわ。」
ラミも少し遠い目をしながら答える。
「魔王さん厨房貸してください!」
千春はありえない魔国の食事事情に不満を持つと声を上げる。
「厨房?・・・あぁ、解体場か。」
「厨房すら無いんかーい!」
「チーズとかお酒は何処にあるんですか?」
頼子が聞くと魔王は考え出す。
「・・・知らないな。」
「メイドさん!調理できそうな所ありますか?!」
この魔王使えねぇ!と判断した千春はメイドに確認するとあっさりと答えられる。
「厨房も食堂も御座います、普通の食事を取る種族もおりますので。」
「だよねぇ!どんな物出してるの?」
「焼いた肉、魚、パンやスープです。」
「千春、このメニューって千春が来る前のジブラロールと一緒じゃん?」
「・・・うん、私も思ったわ。」
「ねぇねぇメイドちゃん、パンって固い?」
千春が来る前の食事事情を知らない青空は楽しげに問いかける。
「はい、物凄く固いです。」
「おー!食べてみたい!」
「うちも食べたい!」
「私も!」
青空、大愛、日葵は楽しげに言う。
「一応ジブラロールでも食べれるよ?」
「美味しく無いけどね。」
「うん、あれは無理。」
「ウチ歯が折れるかと思ったもん。」
「マジそれな。」
千春が言うと頼子、美桜、麗奈が話す。
「それじゃ買い物は後で行くとして何か作りましょう!」
「ウチらうどん食べたからなぁ。」
「サフィーちゃんうどん収納してたよね?」
「はい、有りますが肉好きのようなので肉料理の方が良いのでは?」
サフィーナは頭を少し傾げながら答えると、千春がアイテムボックスからサンドイッチを取り出す。
「はい、魔王様これジブラロールで食べられてるパンです。」
「千春これコンビニのじゃん。」
「こまけぇこたぁいいのよ、このクオリティでルノアーさん作ってんじゃん。」
魔王はパンと聞き嫌そうな顔をするが、千春から受け取り触ると驚く。
「これの何処がパンなんだ?柔らかいぞ?」
「ジブラロール王国や周辺の国じゃパンはコレですよ。」
千春はサンドイッチを一度受け取りパッケージを開けまた渡す。
「食べてみてください。」
「・・・。」
「あ、王様だからこんな渡し方した物食べらませんよね。」
「いや、アルデアが連れて来た者を疑うつもりはない、いただこう。」
魔王はそう言うとサンドイッチをパクリ・・・いや、ガブリと齧り付く。
「?」
「どうです?」
「・・・。」
「あれ?」
魔王はもぐもぐと口を動かしながらサンドイッチを見つめる。
「ビア、何か言いなさいよ。」
笑みを浮かべながらアルデアが言うと、魔王はゴクンと飲み込みカッと目を見開く。
「このパンは!!魔国でも作れるのか?!!!!」
「うわぁ!ビックリしたぁ!作れますよ、多分。」
「そうか!」
嬉しそうに言うと、魔王はメイドに命令する。
「食堂の料理を作っている者を連れてこい!すぐに教えてもらえ!」
「は!はいっ!!!」
「あ、魔王様、これパン酵母作らないと作れないんで3~5日後ですよ、作って食べれるの。」
千春が言うと魔王は崩れ落ちた。
「うわぁ大の大人が膝から崩れたよ。」
「しかも魔王様って言うね。」
「千春、パン酵母余ってないん?」
「あー・・・サフィーが一次発酵終わった生地持ってたよね。」
「有りますよ、魔王様だけなら5日分は有りますが、外に出すと腐りますね。」
「アイテムボックス使えそうな人居ないかなぁ。」
「そうそう居ないと思いますが魔力に長けた魔族なら居るかも知れませんね。」
「アルデアってアイテムボックス使えるじゃん?5日くらい滞在しt」
「嫌に決まってるでしょう。」
かなり食い気味に答えるアルデア。
「アルデア!頼む!」
「嫌!」
「仮にも俺と婚約者だった時もあっただろう!」
「それが嫌だからこの国出たのよ!」
「頼む!パンを食べたいぞ!」
珍しくキレ気味のアルデアに懇願する魔王。
「お姉様が父の魔王と結婚したら・・・お姉様がお母様に?!」
初めて婚約の事を知ったラミが驚く。
「ラミ、それは無いわよ、あっちこっちで子供作ってるようなろくでなしよ?私は一途なのが良いの。」
「しっかり面倒は見てるぞ。」
「そう言う問題じゃ無いのよ、女心もわからない男は嫌!チハル達と帰るわよ。」
しょんぼりする魔王を見つつ麗奈はリリに問いかける。
「リリ、フェアリーリング作れる?」
「えぇ、もちろん♪」
「ジブラロールの食堂で貰ってこようか?魔王様分の量ならちょっとだけっしょ?」
「本当か!?」
魔王は麗奈の話を聞き麗奈の手を取ろうとした所でアルデアに叩かれる。
「この子達に触らない!滅ぼされるわよ?」
「触っただけでか!?」
「そうよ。」
「俺、この国の王だぞ?」
「王が何よ、私も女王してたわよ。」
「まぁまぁ、それじゃレナとリリはパン酵母お願い、私は食堂行ってみるよ。」
「私は荷物持ちでレナと言ってくるよ。」
「さんきゅーヨリ、お願いするわ、魔王さん庭にフェアリーリング作って良いですか?」
「構わないが・・・妖精までいるのか。」
「はい、他にも妖精は3人くらい居ます、あとこの犬が聖獣のフェンリルで、こっちは土地神の白蛇のビェリー、この子は神様の使いのコン、あとあっちにドラゴンのロイロ、あ、ドラゴンは今何頭いるんだっけ?」
「え~っとエーデルさん曰く30頭くらいって言ってた気がするなぁ。」
「あとはレナのペットで軍隊蜂が・・・何匹いんの?」
「さぁ?300匹超えたあたりから聞いてないね。」
「・・・アルデア。」
「何?」
「本当なんだよな?」
「本当よ、みんないい子よ?喧嘩売らなければ。」
魔王は溜息を吐く。
「あー、なんだ、え~・・・仲良くしてくれ。」
魔王は色々と諦めたように呟いた。
465
お気に入りに追加
2,768
あなたにおすすめの小説
料理屋「○」~異世界に飛ばされたけど美味しい物を食べる事に妥協できませんでした~
斬原和菓子
ファンタジー
ここは異世界の中都市にある料理屋。日々の疲れを癒すべく店に来るお客様は様々な問題に悩まされている
酒と食事に癒される人々をさらに幸せにするべく奮闘するマスターの異世界食事情冒険譚
悪役令嬢は大好きな絵を描いていたら大変な事になった件について!
naturalsoft
ファンタジー
『※タイトル変更するかも知れません』
シオン・バーニングハート公爵令嬢は、婚約破棄され辺境へと追放される。
そして失意の中、悲壮感漂う雰囲気で馬車で向かって─
「うふふ、計画通りですわ♪」
いなかった。
これは悪役令嬢として目覚めた転生少女が無駄に能天気で、好きな絵を描いていたら周囲がとんでもない事になっていったファンタジー(コメディ)小説である!
最初は幼少期から始まります。婚約破棄は後からの話になります。

【完結】 メイドをお手つきにした夫に、「お前妻として、クビな」で実の子供と追い出され、婚約破棄です。
BBやっこ
恋愛
侯爵家で、当時の当主様から見出され婚約。結婚したメイヤー・クルール。子爵令嬢次女にしては、玉の輿だろう。まあ、肝心のお相手とは心が通ったことはなかったけど。
父親に決められた婚約者が気に入らない。その奔放な性格と評された男は、私と子供を追い出した!
メイドに手を出す当主なんて、要らないですよ!

【完結】何回も告白されて断っていますが、(周りが応援?) 私婚約者がいますの。
BBやっこ
恋愛
ある日、学園のカフェでのんびりお茶と本を読みながら過ごしていると。
男性が近づいてきました。突然、私にプロポーズしてくる知らない男。
いえ、知った顔ではありました。学園の制服を着ています。
私はドレスですが、同級生の平民でした。
困ります。

隠密スキルでコレクター道まっしぐら
たまき 藍
ファンタジー
没落寸前の貴族に生まれた少女は、世にも珍しい”見抜く眼”を持っていた。
その希少性から隠し、閉じ込められて5つまで育つが、いよいよ家計が苦しくなり、人買いに売られてしまう。
しかし道中、隊商は強力な魔物に襲われ壊滅。少女だけが生き残った。
奇しくも自由を手にした少女は、姿を隠すため、魔物はびこる森へと駆け出した。
これはそんな彼女が森に入って10年後、サバイバル生活の中で隠密スキルを極め、立派な素材コレクターに成長してからのお話。

異世界でフローライフを 〜誤って召喚されたんだけど!〜
はくまい
ファンタジー
ひょんなことから異世界へと転生した少女、江西奏は、全く知らない場所で目が覚めた。
目の前には小さなお家と、周囲には森が広がっている。
家の中には一通の手紙。そこにはこの世界を救ってほしいということが書かれていた。
この世界は十人の魔女によって支配されていて、奏は最後に召喚されたのだが、宛先に奏の名前ではなく、別の人の名前が書かれていて……。
「人違いじゃないかー!」
……奏の叫びももう神には届かない。
家の外、柵の向こう側では聞いたこともないような獣の叫ぶ声も響く世界。
戻る手だてもないまま、奏はこの家の中で使えそうなものを探していく。
植物に愛された奏の異世界新生活が、始まろうとしていた。

理想とは違うけど魔法の収納庫は稼げるから良しとします
水野忍舞
ファンタジー
英雄になるのを誓い合った幼馴染たちがそれぞれ戦闘向きのスキルを身に付けるなか、俺は魔法の収納庫を手に入れた。
わりと便利なスキルで喜んでいたのだが幼馴染たちは不満だったらしく色々言ってきたのでその場から立ち去った。
お金を稼ぐならとても便利なスキルじゃないかと今は思っています。
*****
ざまぁ要素はないです

王太子妃が我慢しなさい ~姉妹差別を受けていた姉がもっとひどい兄弟差別を受けていた王太子に嫁ぎました~
玄未マオ
ファンタジー
メディア王家に伝わる古い呪いで第一王子は家族からも畏怖されていた。
その王子の元に姉妹差別を受けていたメルが嫁ぐことになるが、その事情とは?
ヒロインは姉妹差別され育っていますが、言いたいことはきっちりいう子です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる